スターダムの無観客試合と新日本プロレスの引退試合について

スターダムの無観客試合と新日本プロレスの引退試合について筆を取ってみる。

プロレス全体が元気になっているこの時期に、由々しき自体ではあるが、試行錯誤を繰り返しつつ、何か新しい興業スタイル、収益につながる施策があれば、と心から思う。

新型コロナウイルス感染症。日本国内でも520人(17日時点)の感染が発表された。

エンターテインメント業界はは軒並み中止を発表し、オフィスワーカーの多くが、リモートワーク(テレワーク)を推進し始めた。

実際、僕が普段働いている会社もリモートワークが導入された。

IT業界(中でも金融系などはセキュリティで難しい)はオフィスで仕事しなくてもよい職種もあるため、推進しやすい側にあるが、リアルビジネスはそう簡単にはいかない。

まず、第三次産業である飲食店。オフィス街に人が来ないのだから集客に苦戦する可能性が限りなく高い。

また、第三次産業が仕入れを絞ることで二次産業にも影響がある。この負のスパイラルを止めるにはユーザーが一番近い場所で消費すふしかない訳なのだが、状況的にそう簡単なことだとも思えない。

エンターテインメントもそう。東京マラソンの一般参加者取りやめを筆頭にイベントそのものを中止する発表が相次いでいる。

我らがブシロードグループもそう。女子プロレス団体「スターダム」が2020年2月20日~3月14日までの主催興行は中止すると発表した。

新日本プロレスについては興行自体は開催するものの、ファンとの接触イベントを中止し、アルコールでの消毒やマスク着用を強く推奨する旨を発表している。

まずは、スターダムの無観客試合について思ったことから書いていきたい。

 

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英断と可能性と

2020年2月19日(水)、本来であれば岩谷麻優リアル生誕祭が開催されていた日である。

3月8日の後楽園ホール無観客試合を除いて、全てのイベントや興行が中止あるいは延期される。

団体側として、お客様とレスラーの身体を優先した。これは中々できることではない。

ブシロードの買収劇があったからこその経営判断だとは思うが、素晴らしいタイミングでの英断だったように思う。

では、3月8日の後楽園ホール無観客試合について考えてみたい。

僕はエンターテインメントの現場で仕事する機会も多い。今日は盛り上がってるな、と思う時は客席からの歓声が素晴らしいケースが多い。

客席のファンがいるからこそ、演者もノッて来るし、普段以上の力が自然に出てくる。

今、この瞬間を生きている。そんな気持ちが会場全体に産まれていくのは、ステージと客席の相乗効果があってこそだ。

無観客試合ではこの盛り上がりがない。客席に対してアピールする必要すらない。普段の試合とは全く別のものになる可能性がある。

 

ノーピープルマッチ

プロレスにおけるノーパープルマッチの歴史を調べてみたら2つの事例が見つかった。

まずは、1987年10月4日に新日本プロレスでアントニオ猪木さんがマサ斎藤さんと行った巌流島「時間無制限ノールール観客なし対決」。

次に高木三四郎選手VS鈴木みのる選手が2017年6月1日に行った「路上プロレスin東京ドーム」だ。

前者はそもそも、普通の大会ではなくワンマッチ。後者は観客はいないものの、レスラーが大量に登場した一戦だった。

この2試合とは全く違うものになる可能性が高い。

無観客試合は客席に対してのアピールはなくとも、「カメラ」へのアピールが重要になってくる。また、セコンドの有無も試合を盛り上げる鍵になると思う。

シーンと静まり返った中で、レスラーの息遣いや気合を入れる声だけが鳴り響く。これもこれで価値があるかもしれないと思うと、一つのチャレンジとして必ず応援し、配信をじっくり見たいと思う。

 

2度とない引退試合

一方で新日本プロレスは、2つの引退をテーマにこの後の後楽園ホール大会が組まれている。

長年の新日本プロレスを支え続けてきたタイガー服部レフリーと中西学選手。中止になった場合は恐らく振替が効かない。だからこそ、現場での感染リスクを下げる形で開催に踏み切ったのだろう。

なぜ、このタイミングなのだと正直胸が痛む。

 

ただし、プロレスの聖地で現役生活を終える2人にできることは心からの応援をする以外にない。

パンデミックを防ぐためにできることと、リングに立つ漢たちを応援する声を最大限にする。

彼らを気持ちよく送り出してあげたいという新日本プロレスの気持ちに我々も答える必要があるだろう。

一日も早く安心して外出ができ、プロレスをとことん楽しめる状況になることを祈っている。

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