レフェリーが主役になった日。74歳の「レスリング・イズ・マイライフ」

「レスリング・イズ・マイライフ」

レフェリーが主役になった日と74歳の「レスリング・イズ・マイライフ」について書きたい。

引退セレモニーの終盤。オカダ・カズチカ選手をフォールし、自ら3カウントを叩いた。

2020年2月20日、新日本プロレスをレフェリーとして、海外コーディネーターとして支え続けてきたタイガー服部レフェリーの引退記念興行が行われた。

この日の実況席は村田晴郎さん。解説には獣神サンダー・ライガーさん、山崎一夫さん、金澤克彦(我らがGK)さんらが集まった。

この日の主役・タイガー服部さんと関係性が深そうな解説陣に大会が始まって数分ながらも胸が躍ってしまう。

この日の後楽園ホール大会は1600人の満員御礼。新型肺炎の影響もある中でほぼ全員の観客がマスクを着用しての観戦となったが、普段以上の歓声が飛び交っていた。

新日本プロレスに飢えていたかのように、テンション高めの観客とタイガー服部レフェリーの未来を露払いするかのように躍動するレスラーたち。

第一試合が終わった後、“ヤングライオン”辻陽太選手と上村優也選手と真壁刀義選手、本間朋晃選手の間で、トーア・ヘナーレ選手が“最近”では珍しい乱闘が巻き起こった。

新日本プロレスとは何か。

昭和、平成の新日本プロレスで活躍したタイガー服部レフェリーへ何かを伝えたいという気持ちが溢れ出た行動だったのかもしれない。

 

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棚橋弘至のムーンサルト

「ワールドタッグリーグ2019」でお披露目となった矢野通選手とコルト・カバナ選手による極上のタッグチームと「IWGPタッグ】チャレンジャー“ゴールデン・エース”棚橋弘至選手&飯伏幸太選手が後楽園ホールで緊急合体を果たした。対角線に立つのは「バレットクラブ」の4人。

ベビーフェイスとヒールの構図がこれでもか!と分かりやすい対戦カードがタイガー服部レフェリー引退記念試合Ⅰに選ばれた。

試合開始早々、最近あるレスラー(スーパースター)との“再会”があった棚橋弘至選手が“新パートナー”飯伏幸太選手との連携を魅せる。

2人同時のその場飛びムーンサルトを敢行。このコンビネーションには思わず「おぉ!」と声が出た。

このコンビネーションを受けたのはタマ・トンガ選手。オカダ・カズチカ選手と棚橋弘至選手によるツープラトン攻撃を始めて受けたのも“グッドバットガイ”だった。

 

天才の閃き

一瞬の隙をついた金的攻撃からの逆さ抑え込みでバッドラック・ファレ選手から3カウントを奪った矢野通選手。

その結果に不満を爆発させた外道選手と邪道選手が乱入するも、タイガー服部レフェリーのキックが男の中心に炸裂。難なく2人を撃退したものの、「G.o.D」が目の前に現れたらそう簡単には逃げられない。と、そこに“ゴールデン・エース”が救出に入ってきた。

「IWGPタッグ」の前哨戦はまだまだ継続中である。

タイガー服部レフェリーは引退記念の動画内で、馳浩さんに思いっきり蹴りを見舞っていた。プロレスのレフェリーとは何か。流石に今ではそういったことをしているレフェリーは見ない(新日本プロレス)が、“ストロングスタイル”に適応したレフェリー像を作り上げてきたのはタイガー服部レフェリーだったのかもしれない。

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SANADA

SANADA選手が後藤洋央紀選手にオコーナーブリッジを仕掛けた瞬間。いつもと変わらない、これが最後だとはとても思えない3カウントが鳴り響いた。

タイガー服部レフェリーの引退記念試合ということもあり、彼の姿をまじまじと見ていたのだが、いくつかのことに気付く。

タイガー服部レフェリーはいい意味で、全く目立たないレフェリーだった。

正確には“カメラ”のフレームから消える。必要なの時だけフッと登場する。

リングの主役はレスラーであり、レフェリーはの仕事は試合を裁くこと。テレビカメラを意識し、レスラーだけが目立つ動きを徹底していたように思う。

だからなのだろう。メインイベントから勇退した後のレフリングを見ていて、タイガー服部レフェリーの印象が薄かったのは。存在感をゼロにし、レスラーの試合を際立たせるレフリング。その技術がこれからも次の世代に受け継がれていくことを祈りたい。

 

伝説の引退セレモニーへ

ザ・グレート・カブキさん、馳浩さん、武藤敬司選手。そして、“革命戦士”長州力さんが次々と登場し、タイガー服部レフェリー長年の功績を労う。

記念撮影に向かうタイガー服部レフェリーが目を擦っていたのは、色々な想い出がよぎったことは容易に想像ができる。

戦友たちが登場して、感情的にならないわけがないだろう。

続いて“ミスタープロレス”天龍源一郎さん、アントニオ猪木さんからビデオメッセージが映し出された。

そして、タイガー服部レフェリーの挨拶へ。

 

新日本本隊と「CHAOS」の面々に見守れてレフェリーとしての現役生活を終えたタイガー服部レフェリー。新日本プロレスにはまだまだこれからも関わっていくという発表もあったため、これからも彼の仕事を目の当たりにする機会もあるに違いない。

タイガー服部“レフェリー”最後の挨拶が終わった後、マサ斎藤さんの入場曲「ザ・ファイト」が後楽園ホールに響いた。

これからもタイガー服部さんが愛する、関わる新日本プロレスを“応援”していきたいと思った夜だった。

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