鈴木みのる「ギラギラ幸福論 黒の章」でぶっ刺さったフレーズ

2020年3月10日、新日本プロレスが3月16日から3月21日までの5大会の中止を発表した。

これで旗揚げ記念日大会に続き、「ニュージャパンカップ2020」が全て休場という形なった。

今年の春は誰が制すのか。「IWGPヘビー級&インターコンチネンタル」のWチャンピオンである内藤哲也選手と対峙するのは誰なのか?と予想と理想を繰り返していただけに、残念でならない。

と、言いつつもプロレスファン以外のエンターテインメントも活動自粛している状況の中で、塞ぎ込みすぎるのもよくない。

何か面白いことは無いのか(おそらくオーダーをもらった過去の名勝負は全て記事化した)と考えて行った結果、NJWPFUN的ニュージャパンカップの妄想劇場をスタートさせることにした(※明日からスタートする。この試合楽しみだったぁという感じの内容になると思う)

本編に入る前に一つビックリしたことを書く。3月21日の大会までが自粛されたということは次の試合は最短でも3月31日の両国国技館大会になる。これから20日も新日本プロレスの新しい試合が見れないのだ。

ちなにみ最後に開催されたのが2月26日の沖縄大会。中西学選手の引退興行が22日だったので、1ヶ月超以上新日本プロレスのレスラーはリングから遠ざかり、僕たちも歓声から遠ざかっている。

そんな時に、だ。一冊の本と出会った。鈴木みのる選手の「ギラギラ幸福論 黒の章」である。

今、こういった状況だからこそトレンドや話題に流されるだけでなく「プロレス」について改めて考えてみる時間も大切だと、僕は思うのだ。

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プロレスとは人の心の中のよう

鈴木みのる選手の「ギラギラ幸福論 黒の章」を読み進めていて、いきなり刺さったというか考え深い一節があった。

──勝ち負けだけではない世界に来て、じゃあ、どこを目指してやっていけばいいのか。

「勝ち負けは大事だけど、それがすべてじゃない世界。だけど勝たなきゃ意味がない世界だからね。なんだか複雑で、人の心の中みたいだよね、プロレスって。」

人の心の中。

なるほどと合点がいった。パズルのピースがハマった。鈴木みのる選手のプロレス感を活字で読んだ時に自分の中で何か大きく響くものがあった。

ここで少し要素を分解してみる。

勝ち負けは大切だけど、勝った負けただけの世界ではない。

極論、スポーツの場合は勝たなければ意味がない。サッカー漫画「ブルーロック」ではエゴイストの重要性が語られているが、勝利以外に価値がないと言わんばかりの話で物語はスタートしている。

これは本来、こうあるべきという考えを漫画というジャンルを活用して突き付けているのだ。

世の中勝たなければ、勝ち続けなければいけないと。

プロレスはこうしたジャンルとは源流から異なる。勝ち負けだけが全てではない。勝敗以外に大切なのはファンを楽しませるという要素である。

 

オカダ・カズチカのことば

オカダ・カズチカ選手は「プロフェッショナル仕事の流儀」で受けの美学について語った。

そして、勝利だけが目的であれば全く意味のない行為だと笑顔すら浮かべていた。

プロレスは勝つだけではなく、目の前の画面の先にいるファンの心を魅了するものである。

僕はこの前提でプロレスを楽しんでいたが、鈴木みのる選手はそこにまた一つ新しい価値観を与えてくれた。

「だけど(試合に)勝たなきゃ意味がない世界だからね」

そうなのだ。勝った負けた“だけ”の世界では無いだけで、勝敗に意味がない訳ではないのだ。

 

プロレスと人の心の中

プロレスとは人の心の中みたいだ。確かにそう思った。非常に徹して勝利を掴んだ所で、周囲の賛同を得られなければ誰も付いてこない。

それが分かっているのに、欲張りにガムシャラに自分だけが得をしようとしてしまう。

そんな弱さと向き合い、本当の強さを手に入れるためには練習しかない。

だから鈴木みのる選手は強くなるための練習を欠かさないのだと勝手に納得していた。

鈴木みのる選手の新しい試合が早く見たい。本を読みながらどんどんそんな気持ちが膨らんできた。

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