中邑真輔VS田口隆祐のスペシャルシングルマッチが最高だった
中邑真輔VS田口隆祐のスペシャルシングルマッチが最高だった。
たまにある試合がとてつも無く見たくなる。そんな時はないだろうか。
今朝、起きたら何故かは一切分からないが、とにかくこの試合を見なくては、と「新日本プロレスワールド」を開いた。
2015年12月18日(金)に新日本プロレスが後楽園ホールで行ったスペシャルシングルマッチ。
中邑真輔選手VS田口隆祐選手の一戦だ。2人は新日本プロレスに同期入門。
道場生時代に同じ写真に収まっていることも珍しくないし、中邑真輔選手がWWEに行った後でもSNS(Twitter)でも頻繁にコミニケーションを取っていることが分かる。
同期っていいな。後藤洋央紀選手やワールドフェイマス(ヨシタツ選手)を含めてそういった関係にあることは素直に羨ましくも思う。
さて、約4年前の試合について振り返ってみよう。と、その前に2人のキャラクター性について。
第69代「IWGPジュニアヘビー級王者」になった田口隆祐選手は変わった。
清潔感があり、純朴。身体能力の高さをウリにした男から「オマージュが得意なお尻おじさん」、失敬ちょいワル親父となった。
一方で、中邑真輔選手はどうか。アントニオ猪木さんの懐刀、神の子としてデビューを飾り23歳の若さで「IWGPヘビー級王者」となった。※オカダ・カズチカ選手は24歳
総合格闘技での経験に裏打ちされた強さを持ちつつ、ある日から徐々に脱力を全面に押し出し始めた。
クネクネした後の中邑真輔選手はとにかく分かりやすくカッコいい。まさに、オリエンタルな雰囲気を纏った戦うマイケル・ジャクソンだ。
中邑真輔選手が唯一無二のキャラクター性を掴み取り、観客を沸かせたと思えば平気な顔してオマージュする田口隆祐選手。
そんな2人が戦った最後のシングルマッチがこの試合だったのだ。
長尾じゃない?
— Shinsuke Nakamura (@ShinsukeN) 2020年3月7日
入場からヤバイ
王冠を頭に乗せた出で立ちで登場すれば、リングで「オヤィィイ」と叫ぶ。
中邑真輔選手が脱力ロープブレイクをかませば、頭の位置を下にズラす。たった、それだけで圧倒的な挑発になるのだから、凄い。田口隆祐選手はクレバーなレスラーだ。そして、ヤバい人だ。
要所要所で魅せる田口隆祐選手のテクニック。その一つひとつが相手の予想を少し上回っていることで生まれる世界観は非常に見応えがある。
それは中邑真輔選手を相手にしても変わらない。パワーや打撃、サイズで上回っている中邑真輔選手に対して、ヒップを中心に攻めを組み立てる。
ボマイェという響きが好きだ
一方で、中邑真輔選手は膝だ。キックを中心に試合の流れを組み立てる。
試合中盤で必殺のボマイェの体制に入るが、田口隆祐選手は死んだ振りを魅せ、回避に成功。
復活した田口隆祐選手は三角跳びのプランチャを炸裂させ、中邑真輔選手を追い詰める。
そして、必殺のケツイェへ!中邑真輔選手が上手く交わすと腕ひしぎの体制に入る。が、田口隆祐選手がオーマイアンドガーアンクルで切り返す。
見応えのある関節技の攻防だ。最後は中邑真輔選手のボマイェでフィニッシュ。同期対決は本店の勝利で幕を閉じた。
中邑「なんだ、アイツは!何マジ、アイツ何!いやマジで。マジでアイツ。マジで、オヤァイ」
田口「ハァハァ、本店を相手に、上も下も被ってはいけないという大失態。上までかぶってしまっては、どうしようもない。どうしようもなかった。中邑真輔……イヤァオ……イヤァオなヤツでした。ほんとにイヤァオなヤツでした。中邑真輔、本店、これで負けたら“オヤァイ離れ”しようと、親離れならぬね、オヤァイ離れ。上手いでしょ?自分で言うところがダメでしょ。オヤァイ離れしようと思ったけど、どうも私の感触では、本店の許可がおりたんで、イヤァオ公認のオヤァイで、継続していきたいと思います。オヤァイはまだまだです。まだまだ続きますよ。イヤァオな相手でした。またやりたいです」
また、いつか新日本プロレスで
今、田口隆祐選手がリング上で魅せているパフォーマンスが中邑真輔選手の完全なオマージュであることを知らない人もいるのではないだろうか。
中邑真輔選手はこの後、新日本プロレスとの契約を更新せずに「世界を目指す」と語り、日本を飛び出した。
今ではWWEのスーパースターとして活躍しているイメージの方が強い。何よりも、僕は2017年以降に新日本プロレスへハマったため、「新日本プロレスの中邑真輔選手」を生で体験していないのである。
誰であろうと彼の人生に口を出す権利はない。ただ、一つの希望だけ言ってしまうと一度でいいからセルリアンブルーのリングで試合をしている中邑真輔選手が見てみたい。朝からそんなことを考えてしまったのはなぜだろう。
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