感情移入、強さ。プロレスに求めるものってナンだ!?
感情移入、強さ。プロレスに求めるものってナンだ!?
ダヴィンチ・ニュースで連載中の『HIGHER AND HIGHER! 新日学園 内藤哲也物語』は現在、2018年のイッテンヨンに向けたストーリーが展開されている。
東京ドームのメインイベント。オカダ・カズチカ選手と内藤哲也選手の「IWGPヘビー級選手権試合」。
金と夢、第二ラウンドのテーマになったのは、感情移入できるレスラーと強すぎるチャンピオン。
今思えば、映画『ロッキー』のような形式である。
ファンから圧倒的な支持を得たピープルズチャンピオンは『G1クライマックス』を制し、より一層の信頼を勝ち得た。
ハズレはしたものの数年振りに以前のフィニッシャーであるスターダスト・プレスを繰り出したことも大きかったように思う。
一方で、夏以外負け知らずで年間を通し一度も『IWGPヘビー級王座』を譲ることが無かったオカダ・カズチカ選手。
その強さは間違いなく、春から生まれたものだ。
「強すぎてごめんなさい!」というパワーワードが生まれたのもこの時期になる。
今回の更新で内藤哲也選手は感情移入できるレスラーの魅力を説いた。
対するオカダ・カズチカ選手は“強さ”について語った。
どちらも正解であり、トップレスラーにはどちらも必要なものだと思う。
ただ、こうも思う。グレート・ムタ(グレート・ニタ)のようなタイプのレスラーに感情移入できるのかといえば難しい。いや、正直僕には無理だ。
感情移入はできなくともファンの支持を得るレスラーは沢山いる。正確にはストーリーを知らない、共感できていない状態でプロレスを見た場合、感情移入することは至難の技だとは言える。
この視点で見てみると、非常に面白いスタンスの違いであることが分かってきた。
2人は目の前の相手に加え、誰をターゲットに添えていたのか。そして、YouTubeで公開されたレッスルワンのベストバウトを見た感想を踏まえて、プロレスに求めるものを考えてみたい。
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— WRESTLE-1(W-1公式) (@W_1_official) 2020年3月26日
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観客との勝負でもある
プロレスはいわゆるスポーツと異なり、対面する相手だけではなく会場に集まったファンど戦っている。
圧倒的な強さを見せたとしても、ファンを楽しますことができなければトップレスラーにはなり得ない。
相手に勝つだけじゃ意味がない。これがプロレスの面白さであり、奥深さにつながっているのだと思う。
前述した内藤哲也選手のコメントはファンを楽しませるという意味で、“感情移入”というワードを持ってきたように思う。
人生誰しもが紆余曲折た道を歩いている。目には見えなくとも誰しもが傷を背負い、前を向いている。
多くの挫折を繰り返し本当の自分を見つけた内藤哲也選手は、魅力的なダークヒーローとして大ブレイクを果たした。
新日本プロレスで一番感情移入できるレスラー。それは間違いではないし、アドバンテージのように思う。
太陽と月
では、オカダ・カズチカ選手の主張はどうか。「プロレスに必要なのは強さ」という話である。
令和の時代で、今更プロレスにおける強さの定義に邪推は必要ないだろう。
リングの上で魅せる美しさ、気高さ。これこそが強さだと僕は思っている。だからこそ受けの美学も成立するのだ。
前述したように、初めて観戦するファンからすれば感情移入のポイントよりもとにかくリングでカッコよくて、強い人の方が分かりやすいとは思う。
物語性は試合のエッセンスであり、一番ではない。オカダ・カズチカ選手の胸中にある気持ちはあながち間違いではないと思う。
新規ファン向けのオカダ・カズチカ選手。既存ファン向けの内藤哲也選手。
太陽と月。奇しくも棚橋弘至選手と中邑真輔選手のような構図が出来上がっていた。
試合内容でファンを得る
先日、活動休止が発表されたプロレス団体「WRESTLE- 1(レッスルワン)」のYouTubeチャンネルにてベストバウトが3戦公開された。
正直に言って僕は新日本プロレス以外のプロレスをほぼ知らない。いや、知らない。
レスラーの名前やフィニッシャーは知っているが、ストーリー展開やバッグボーンまでは全く把握できてない。
それでも...面白かった。熱かった。特に1位に選ばれていた芦野祥太郎選手と
黒潮"イケメン"二郎選手の一戦は凄まじかった。
まず、どう見ても交わらない水と油の様なビジュアル。この対比が面白い。
芦野祥太郎選手が武骨でキレのある昭和感を彷彿とされる一方で黒潮"イケメン"二郎選手は、平成のパリピである。
ジャケットを着たまま試合を行う時点での違和感や遊びゴコロが半端じゃない。
プロレスとはお客様を喜ばせてナンボ。そんな雰囲気を漂わせつつ、グラウンドの攻防から飛び技に至るまで見どころがあるのだからタチが悪い。
イケメンの皮を被りつつ、たっぶりと練習はしている。このギャップがグイグイと試合に引き込んでいく。
そして、この試合は僕が以前会場で見た黒潮"イケメン"二郎選手と比較すると明らかにパフォーマンスが少ない。
2人の真剣勝負。生き様を懸けている雰囲気が全くレッスルワンを追っていない僕にもビンビンに伝わってきたのだ。
この試合を見て、改めて思ったことがある。それは、プロレスラーへの感情移入は勿論大切、そしてリングで魅せる強さも大切だということ。
やはり、リングの上で魅せるモノが全てなのだ。全くプロレスを知らない友人と会場に行った時に新日本プロレスの石井智宏選手に惚れ込んでいた。
試合を通じて、どんな景色を魅せるのか。どんな物語を紡ぐのか。
どこを切り取っても面白いし、全て知れば更に面白くなる。僕たちがプロレスに求め、プロレスラーの方々が追求しているものに答えがないだけに、面白くて仕方がないのだ。
今、世界は大変な状態にある。今はジッと耐えるタイミング。それはプロレスから何度も教わってきた。
その瞬間を信じて、自分にできることをしていきたいと思う。
追伸
昨日、コメディアンの志村けんさんがお亡くなりになりました。心からお悔やみ申し上げます。いつまで経っても新発売のけんちゃんラーメンが大好きでした。
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