プロレスロスのストレスが限界に来ているあなたへ

プロレスロスのストレスが限界に来ているあなたへ向けたコラムを書く。

不要不急の外出が制限され、自宅での時間が増えれば増えるほど「これは中々に厳しい」ことなのだと気付かされる。

外出をしないのと、できないのとでは大きく意味合いが異なる。

とにかく息が詰まる。気分転換のカードが少ないと、ここまで浮かない毎日になるのかと思ってしまうほどだ。

だが、まだまだこの長期戦は続く。明日、明後日でどうにかなるような状況ではないことは重々理解しているだけに、どのように過ごしていくのかが大切なのだ。

今朝、新日本プロレスのエースこと棚橋弘至選手が主演を務めた映画「パパはわるものチャンピオン」を久しぶりに観た。

劇場に2回ほど足を運んだり、小説版を読んだりと大まかなストーリーは細かいディテールは頭に入っている。

ただ、フィルムを見ていてなぜだか目頭が熱くなる瞬間が度々あった。これからのストーリーを知っているにも関わらず、だ。

岡倫之選手や川人拓来選手など海外遠征組の顔を見るだけで元気かな?と思う。

既に新日本プロレスを去った人々を見て、新天地でも頑張って欲しいなと思う。

そんなプロレスファン的な楽しみもあれば、物語の根幹にあるテーマに改めて胸を打たれて、感動している僕もいた。

改めてフィルムを見た感想に少しだけ付き合って欲しい。流石に公開から一年半以上が経ったので、ネタバレ前提で筆を進めていく。

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今を受け入れること

映画「パパはわるものチャンピオン」のテーマは「今を受け入れる。そして、自分で選ぶ」ということだと僕は受け取った。

棚橋弘至選手演じる主人公の大村孝志(ゴキブリマスク)は10年前、所属するプロレス団体「ライオンプロレス」のエースだった。

ライオンプロレスを背負って立つ逸材。爽やかなビジュアルと優しそうな雰囲気は“棚橋弘至選手”が若きエースとして君臨していた時代とも違う印象だ。

だが、そんな彼をアクシデントが襲う。膝の怪我によってベビーフェイスのヒーローとしては再起不能。ヒールレスラーとして新しい道を生きることになったのだ。

さらにマスクはおそらく好きな人の方が少数派だあるはずのゴキブリ。

ゴキブリマスクとなったかつてのエースはヒールのマスクマンに対して、ずっと引っかかっているものがあったに違いない。

これは仮説だが、“エース”大村孝志のままであれば、息子の大村祥太に自分の仕事はプロレスラーであると胸を張って伝えていたはずなのだ。

自分はエースだった。カッコよくスポットライトを浴びて、団体を背負って...。

そんな想いがずーっと胸にあった。

大村祥太が会場で自分の父親がゴキブリマスクだと知った瞬間に「職業がプロレスラーであることではなく、ヒールレスラーであること」を真っ先に気にしていた。

本来であれば仕事を黙っていてすまない。パパはプロレスラーなんだ。という話になるはずだ。

ただ、それ以前に自分のコンプレックスはヒールのゴキブリマスクだった。

ここから大村孝志は“プロレスラー”大村孝志とゴキブリマスクの間に揺れることになる。

 

ドラゴンジョージ

オカダ・カズチカ選手演じるライオンプロレスの“エース”ドラゴンジョージ。映画「パパはわるものチャンピオン」では割愛されているが、ノベライズ版では彼の内面が度々描かれている。

いくつか挙げると...。

  • なぜ、ドラゴンドロップを大村祥太に投げたのか
  • なぜ、大村孝志をチャレンジャーに指名したのか?

などなど、映画では敢えて描かれなかった王者の葛藤が描かれている。

※大村孝志の膝とドラゴンジョージに関係があるとだけここでは伝えておく

また、田口隆祐選手のギンバエマスクもそう。彼がより一層目立つのがノベライズ版なのだ。

ドラゴンジョージは大村孝志にこだわっていた。そして、Z1クライマックスで3連覇を成し遂げることができたからこそ、自分が乗り越えるべき壁に挑戦することを選んだのだ。

強かった大村孝志と勝負して乗り越えたい。既にクビが決まっていた大村孝志が再びリングに上がることができたのは、ドラゴンジョージが挑戦者に指名したからこそだ。

大村孝志がクビになったことを知っていたのか。それとも知らなかったのか。

そんなことを考えてみるのも一興だろう。

 

自分で選ぶ、自分で決める

映画内で描かれる最後の試合で大村孝志はスーパーゴキブリマスクとして生きることを選んだ。

大村孝志に戻るチャンスだったはず。素晴らしい試合をすればリマッチだってある。これからまたヒーローとして活躍する道も考えたことだろう。実際、ずっと大村孝志はゴキブリマスクから昔の自分に戻りたがっていた。

だが、ドラゴンジョージに昔の自分を指名されたことで気づいたのだろう。昔に戻ることはできない、と。

だからこの試合を受けることに対して前向きではなかった。

そこからじっくり、ゆっくりと自分自身、そして息子と向き合うことで視えてきた。ゴキブリマスクこそが今の自分の生きる道なのだ、と。

今、僕たちは数ヶ月前の大きく変わった世界を生きている。

毎日、毎週プロレスを見ることができた日々はこんなにも幸せだったのだと気付かされた。

ストレス発散の対象が無い日々は、ジワジワと心を蝕んでいく。

僕はプロレスとは泣きながら観るものだということすら忘れてしまっていた。

だが、「パパはわるものチャンピオン」を見て、そんな当たり前なことを想い出すことできた。

涙はストレスを洗い流すという。いい映画を観て感情的になってゆっくりとした週末を過ごして欲しい。

僕の今の気持ちはそれだけである。

※映画を見終わった後はゴキブリマスク、ギンバエマスク、ドラゴンジョージ、スイートゴリラ丸山が降臨した後楽園ホール大会の試合を見てみてほしい。

www.njpwfun.com

 

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