新日本プロレスファンに紹介したい『左ききのエレン』

新日本プロレスファンの方々に『左ききのエレン』という漫画を紹介したい。

たまにはじまる僕が好きな作品を紹介するコラムですが、今回はアートとデザインをテーマにした作品『左ききのエレン』をピックアップしてみました。

ちなみに、今回のコラムの仮タイトルは新日本プロレスファンではなく、『ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン』ファンでした。

ただ、よくよく読んでみれば感情移入が得意なプラットファンであれば、皆さん大好きになるだろうと思い、今回のタイトルに決めたわけです。

それでは『左ききのエレン』のキャッチコピーから。

「天才になれなかった全ての人へ」

はい!来ました。これです。皆さまどのレスラーの顔が浮かんだでしょうか。

単純に考えてプロレスラーにとって1番の才能はサイズです。

ジャイアント馬場さんは209センチの身長があったからこそ、“ババ・ザ・ジャイアント”となり得た。

オカダ・カズチカ選手も190センチを超える身長(に加えて超人的な身体能力)は才能でしかないとキッパリ名言しています。文字通りレヴェルが違うのだと。

僕がまず“天才になれなかった人”として最初に取り上げるのは棚橋弘至選手です。

彼は自ら天才の冠を外しました※太陽の天才児。その代わりに100年に1一人の逸材と名乗っています。

今でこそ定着したニックネームですが、自分発信なのです。制御不能なカリスマのように、アナウンサーが名付けたものではございません。

この辺りも棚橋弘至選手だと。そして、もう一人はやっぱりこの人でしょう。内藤哲也選手。

彼もスターダスト・ジーニアスを脱却したことで、頂点まで上り詰めました。

天才(というキャラクター)であることを止める。そういった評価をかなぐり捨てる。それが本当の天才に立ち上がった凡人が勝利するための条件なのかもしれません。

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あらすじをご紹介

物語の舞台は目黒広告社という広告代理店。その会社に勤務する若手デザイナー・朝倉光一は、納得出来ない理由で自分の仕事を取り上げられていました。そんな彼は、やりきれない気持ちを抱えて横浜の美術館へと足を向けます。そこは、朝倉光一が初めて『エレン』という才能と出会った場所でした。大人の心も抉るクリエイター群像劇がここからはじまっていく...。

これが『左ききのエレン』冒頭のあらすじです。

これを新日本プロレスで例えると...。歴史と伝統のあるセルリアンブルーのリングで戦う内藤哲也選手は子どもの頃に描いた夢である「東京ドームのメインイベント」で「IWGPヘビー級ベルト」を戴冠する目標に向かって2013年に「G1クライマックス」を制しました。ただ、新日本プロレスの決定は非常なもので実績と人気のある中邑真輔選手と棚橋弘至選手の「IWGPインターコンチネンタル選手権試合」とのダブルメインイベントを提案します。それもファン投票で試合順を決定するという非常なもの。現実は厳しくセミファイナルに追いやられた内藤哲也選手はライバルであり後輩のオカダ・カズチカ選手という才能を乗り越えることができるのか...。

どうでしょうか?夢VS金の戦いにバチッとハマってる感があると思いませんか?

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※この煽りPV100回以上見たはずなのに何度でも見れる不思議

内藤哲也選手のストーリーがよく少年漫画のよう(実際に内藤哲也物語で漫画化されまいしたが)だと言われるのは天才と呼ばれていた男の苦難と戦いの日々が色濃く存在したからです。

そして、内藤哲也選手はメキシコへと旅立ち、制御不能となって帰ってきます。朝倉光一はこうした理不尽と戦うために何を選び何を捨て、何を手にしていくのでしょうか。

僕自身、ほぼネタバレなしで読んだため、できる限り情報をシャットダウンすることをオススメします。 

左ききのエレン 12 (ジャンプコミックス)

左ききのエレン 12 (ジャンプコミックス)

  • 作者:nifuni
  • 発売日: 2020/04/03
  • メディア: コミック
 

 

左ききのエレンの魅力

伏線回収や構図、台詞回しの上手さなど色々と優れた点が多い作品ですが、個人的にはキャラクターの作り込みがこの作品にとって一番のウリじゃないかと思っています。

作者であるかっぴーさんが元々広告代理店に勤務していたこともあってか、とにかくキャラクターが生きてるんです。

リアリティがありつつ、全員が完璧じゃない。人間だからどこかに欠点がある。それを必死になって隠そうとしている者もいれば、受け入れて前に進んでいる人もいる。

作者の価値観が投影された分身が多く登場する作品も多い中で、『左ききのエレン』に登場するキャラクターは実在のモデルが存在して、作品内に役として登場しているようです。

そして、思わず愛してしまうキャラクターたちが発する名言の数々。これはググるのではなく、ぜひ作品内で体感してほしいと思います。

本当の天才は一握り。ただ、天才じゃなくたって何者かにはなることができる。そして、どの価値観で生きていくのかは人それぞれである。

そんなメッセージが『左ききのエレン』には込められていると僕は思います。

 

挑戦したいことが見つかること

天才と呼ばれるほんの一握りの才能の持ち主。そんな超人に追いつくため、“凡人”たちは努力を積み重ねていきます。ただ、僕はこう思うんですよ。正直、圧倒的な才能を持ちつつ、努力もできる天才は存在する。

同じ舞台で戦っても勝てなかったから、今の自分がある。だってそうでしょう。僕の場合、子どもの頃一瞬でもプロ野球選手になりたいと思っても、本当にプロを目指す思考も努力も続けてこなかったのですから。

勉強もそう。どこかで諦めたことで偏差値の高い学校に入ることができなかった。あの時もっとやっていればと後悔することばっかりです。

左ききのエレン 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

左ききのエレン 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

 ただ、こうも思っていて。本当に挑戦したいことが見つかること。これが幸せなんじゃないなかと。それは何でもいいじゃないですか。華やかなことだけが正解じゃないし、世の中なんて泥臭いことの方が大半です。

『左ききのエレン』はアートやデザインが中軸にあるため、抵抗のある方だっているでしょう。ただ、人間ドラマとして目を通してみてください。

ゴールデンウィーク中、余裕がある方はぜひ『左ききのエレン』を読んでみてください。一緒に感想を語り合えれば嬉しいです。

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