2016年の内藤哲也であれば「無観客試合」について噛み付いていたのではないか?

2016年の内藤哲也であれば「無観客試合」について噛み付いていたのではないか?そう思ってしまう僕がいました。

皆さん。ご覧になりましたか!?

昨日(2020年5月4日)に配信されたLIVE配信 NJPW Together 2020年5月4日 Tele Pro-Wrestling テレプロレスリング どんたく

この日、登場したのはヤングライオンの上村優也選手&辻陽太選手。高橋ヒロム選手&BUSHI選手、獣神サンダー・ライガーさん、後藤洋央紀選手など、人気レスラーがズラり。※もうライガーさんは引退した気がしないですね 笑

満を辞してメインイベントに登場したのは「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」の内藤哲也選手。

眼鏡姿というこれまで見せたことのない出立で姿を現すと、野上“ジャスティス”慎平アナウンサーとミラノ・コレクションA.T.さんに口撃を繰り出します。

これこそ“制御不能”になった内藤哲也選手の持ち味なんですよ。

ネチネチネチネチ相手の重箱の隅を突くみたいな。

それでいて、プロレスファン的にはそこが聞きたかった!という内容なだけに、舌鋒鋭く追求し続ける様子は視聴者の心を奪ってやまないまじりっ気のない“贅沢な時間”でした。

肝心の自身と石井智宏選手が戦った「IWGPヘビー級選手権試合」については途中まで全く言及なし(これには理由があるので、ぜひ配信をチェックしてみてください)という制御不能っぷりも面白かったですよね。

それではそろそろ本題に入りましょう。2016年、新日本プロレスで爆発的なブームを巻き起こした「ロス・インゴ旋風」についてです。2017年に「IWGP US ヘビー級ベルト」が新設されることに対しての憤りから、ベルト破壊を実行に移すまで内藤哲也選手の支持率は90%を超えるほどでした。

なぜ、ここまで内藤哲也選手はファンから注目を浴び、支持を集めスターダムを駆け上ることに成功したのか。その理由について考えていきます。

 

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増税直前の社会情勢

2016年の日本は消費税が増税になる直前でした。再延期が発表されたのは2016年6月のこと。※2017年4月に予定していた消費税率10%への引き上げを19年10月まで2年半の再延期となった

僕たちが子どもの頃って消費税なるものが存在していなかったんですよ。3%からスタートして、今では10%にまで引き上がってるって当時は全く考えもしませんでした。

え?内藤哲也選手関係なくない?そう思いますか?

気分を害す方もいらっしゃると思いうので、名言は伏せますが2016年〜2017年って日本全体で目に見えないストレスに侵されていた時代だと思うんです。自粛が続く今とは違った意味での負荷が掛かっていたような気がします。

また、大きな存在に逆らえない。抗うこともできない。東芝3499人にもおよぶリストラを敢行したのも2016年です。

そんな時代性の中で2015年から「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」として活動してきた内藤哲也選手は注目を集めました。

 

オカダ・カズチカ2億円プロジェクト

これはNJPWFUNで何度も言及しているのですが、新日本プロレス(ブシロード)が発表したオカダ・カズチカ選手の2億円プロジェクトに噛み付いたことがトリガーとなり、内藤哲也選手は爆発的な支持率を高めました。ことの発端は東京スポーツが配信したこの記事ですね。

 

木谷オーナーは「詳しくは言えないが、オカダ選手を徹底的にスターにします。プロジェクトとして2億円レベルの話がある」と、リング外での知名度アップを目標としたプランも用意しているという。これは日本にいながら世界のスターを目指せる環境を整えるためで、オカダをそのモデルケースにしたい意向だ。 

この記事に内藤哲也選手は噛みついたわけです。

「他の選手がどれだけ頑張ってもオカダを超えられないのか」と。

この言葉で多くのファンが内藤哲也選手の味方になった。これは間違いないです。

スター街道まっしぐらだった未来のエース候補はサイズ・ルックス・実力全てにおいてレヴェルが違うオカダ・カズチカ選手の登場で、失墜の道を歩みました。

ベビーフェイスにブーイングが飛び交うなんて、ヒールにも歓声と声援が飛ぶ今の新日本プロレスでは全く考えられない事態でしょう。

ここから内藤哲也選手はVS新日本プロレスそして、木谷オーナーという図式で戦い続けました。

自分に用意された飛行機がエコノミーなことに対してまで、ネチネチと愚痴を繰り返す様子は可愛らしい気持ちもあり、確かにそうだよなと納得させるものだったと思います。(オカダには2億円プロジェクトでチャンピオンの俺にはエコノミーっておかしくない!?という文脈でした)

そして、内藤哲也選手は2016年のプロレス大賞を受賞。審査員21人中18名という圧勝という結果だった。

 

内藤「グラシアス。俺は、この1年、このプロレス大賞を目指して、プロレスをしていたわけではないですが、結果的に、選考委員の皆様に、内藤哲也のプロレスを、しっかり届けることができた結果、この賞をいただけたんじゃないかなと思いますけど。ただ、他の賞に、我々“ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン”のメンバーの名前がないのは、非常に疑問にしか感じてしょうがないですが、このMVP受賞に関しては、ボクは素直に嬉しく思いますよ。それから、木谷オーナーが言ってましたよね。某選手に2億円規模のプロジェクトで、徹底的にスターにするって。2億円かけたのに、プロレス大賞MVPに選ばれなかった男と、一銭もかけずに、プロレス大賞MVPに選ばれた男。一体、どちらに価値があるのか? だって、そうでしょ? 今年2月の時点で、某選手と俺の間には、2億円の差があったんだよ。この2億円の差、どんだけデカいと思う? なかなかひっくり返せるもんじゃないからね。それをひっくり返した俺は、少なくとも2億円以上の価値があるってことでしょ? このプロレス大賞、もしかしたらね、今までのプロレス大賞史上最も価値のあるMVPなんじゃないかなと、ボクは思いますよ」

 

ベルト破壊から変わった潮目

窮屈で見えない何かに押しつぶされそうな時代と内藤哲也選手の個性がマッチし、ひとつの時代を築くことに成功しました。

ただ、2017年のベルト破壊によりはじめて内藤哲也選手に対してネガティブなコメントが飛び交うようになります。今振り返ってもあれは確かにやりすぎだったなぁと思うわけです。

議論の方向性がプロレス的な楽しみから個人の倫理観にシフトしたというか。ここから、日本語を解禁したケニー・オメガ選手が飯伏幸太選手の再登場により支持率を高めたこともあり、会場全員が内藤哲也推しという状況ではなくなっていきました。

内藤哲也選手の魅力は大きな体制、権力に対して不平不満を言いつつも結果と行動で示すという生き方でした。

では、今このタイミングはどうなのでしょうか。

そう、無観客試合に対して内藤哲也選手がそろそろ言及する時期が近づいているのかもしれません。

緊急事態宣言が延長となった今、5月の大会は厳しいかもしれません。ただ、2016年の内藤哲也選手であれば、木谷オーナーに対して、無観客試合への言及を行っていたと思うのです。

もちろん、リスクを取ってでも結果が欲しかったあの頃とは全く状況が違います。ただ、今はIWGPヘビーとインターコンチネンタルのWチャンピオンです。過去最大級の発言権を持っているのは今の内藤哲也選手だと言っても過言ではないでしょう。

内藤哲也選手の一言。これがキッカケで何かが変わる。そんな予感がプーンと漂ってきました。

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