辻陽太と上村優也。それぞれの「ニュージャパンカップ2020」

辻陽太と上村優也。それぞれの「ニュージャパンカップ2020」について書きたい。

大抜擢。棚からぼた餅。鴨が葱を背負ってくる。

新日本プロレスの未来を担うヤングライオンの2人にとって非常に重要な時間が訪れた。

活動を自粛していた新日本プロレスの再始動は本来であれば3月に開催されていた「ニュージャパンカップ2020」から。

渡航制限により14人のレスラーが参戦できない形となったが、ジュニア選手が参戦する無差別級トーナメントへと変貌させることで大きな話題作りにも成功している。

そんな中、一際大きな期待を寄せられているのが、海外遠征に行きたくても行けない2人だ。

辻陽太選手と上村優也選手。令和時代のヤングライオンとして、今後の新日本プロレスを支える柱である。

辻陽太選手は真壁刀義選手。上村優也選手は金丸義信選手と「ニュージャパンカップ2020」の一回戦で激突する。

今日は2人が紡いできた物語について振り返りつつ、来たるべき時への期待を膨らませていきたいと思う。

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真壁刀義とのシングルマッチ

自らが掲げた目標を達成できない。そんな憤りが全身から吹き出すような彼だけ激昂を見たい。これが「ニュージャパンカップ2020」で辻陽太選手に期待していることである。

東京ドームの第1試合に出場する。こちらは未達成。「ニュージャパンカップ」にエントリーする。こちらも本来であれば未達成だったのだ。

だが、彼にとって決して本意ではないだろうが、光が見えてきた。それも2つ同時に。

春の最強戦士決定トーナメントにエントリー。さらにはシングルマッチの相手に指名していた真壁刀義選手の試合が決定した。

以下のコメントは中西学さんの引退記念興行の時に発した言葉である。

俺の今年の目標の1つ『NEW JAPAN CUP』に出場すること。まだどうなるかわからない。でも俺はまずそこを1つの目標として今年、闘い始めた。そしてもう1つわがままを言わせてもらう。『NEW JAPAN CUP』に出場してその1回戦の対戦相手は真壁刀義! あなただ。あなたにこの声が届くことを願っている

新日本プロレスの門番とも恐れられる真壁刀義選手。最近では、YouTubeで長州力さんのモノマネを披露するなど穏やかな一面も見えるが、その血はデスマッチで鍛えられたハードコアそのものである。

辻陽太選手が真壁刀義選手から勝利を奪うのは至難の業である。ただ、どんな爪痕を残すか。ここが大切なのだ。

兄弟子である海野翔太選手はヤングライオン時代に実力と話題性で同じ切符を掴み取っていた。

運でも何でも結果が大切。スタートラインに立つことができたのだから。内藤哲也選手がイチオシしているそのポテンシャルを遺憾なく発揮してほしい。そう僕は心から応援している。

 

スーパージュニアの前に春を体感

2020年、いや近年のヤングライオンで最も話題を生み出したのが上村優也選手なのかもしれない。たらればの話しはしたくないが、本来であれば鈴木みのる選手とのシングルマッチを実現させていたかもしれない。

そう思わせるほどの可能性が彼には詰まっている。あの日の後楽園ホールで鈴木みのる選手を標的にしたのは、それほど大きな意味があったのだ。

上村「ボクの闘いたい相手のリスト……SHOさんの『しびれない話』を聞いてくれたらわかると思います。その中の1人、鈴木さんとシングルマッチで闘いたいです」

上村優也選手はレスラーからの評価が非常に高い。「フレッシュ」、「練習についていくことができる体力」、「ヤングライオンらしい」。

柴田勝頼選手や金丸義信選手、石森太二選手など超実力派のレスラーたちが彼に一目置いているコメントを残している。

石森太二選手に至ってはアイスをプレゼントしていた。彼は「バレットクラブ」のヒールレスラーである。そんなポジションすらも通り越してしまうほどに上村優也選手には何かがあるのだろう。

※裏を返せば、各ユニットが彼を欲しがっているという見方もできる。「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」の内藤哲也選手が海外遠征前のYOH(小松洋平)選手に対して、スカウト行為(結果は未遂)を行っていたように、各ユニットから見ても有望な人材は争奪戦なのだろう。

そして、上村優也選手には試合以外での独特な魅力がある。

「ニュージャパンカップ2020」に向けて、 すでにフルスロットルである。

 

海外遠征に行けない2人のキャリア

最後に2人にとっては非常に残念なことではあるが、しばらく海外遠征は行われない可能性が高い。2018年4月10日、新宿FACEで開催された『LION'S GATE PROJECT 11』でデビューを飾った2人だが、おそらくここ1〜2年単位で海外遠征に旅立つことができないかもしれないのだ。

海野翔太選手・成田蓮選手が海外遠征に旅立ったのはデビューから約2年半後のこと。カワトサン(川人拓来)選手は約2年。グレート・オー・カーン(岡倫之)選手は一年半でのヤングライオン卒業となっている。

YOH(小松洋平)選手、SHO(田中翔)選手が約4年近くヤングライオンの期間があった(新弟子不在のため)ことを考えると、辻陽太選手と上村優也選手も長期的にヤングライオンの期間がある可能性がある。

ただし、これはチャンスだとも言える。棚橋弘至選手は海外遠征を経験していないし、柴田勝頼選手は“今、海外遠征の真っ只中”だからだ。

新日本プロレスのリングが世界一のリングであるならば、ここでトコトン自分を磨いてほしい。興行が再開したとしてもしばらく“ガイジン”レスラーの参戦は難しいだろう。

おそらくヤングライオンの2人を主軸にした企画も挙がってくるに違いない。ここからが2人にとって勝負なのだ。

最高のポテンシャルを秘めた辻陽太選手と上村優也選手がどんな活躍を魅せていくのか。これからの新日本プロレスが楽しみで仕方ない。

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