新日本プロレスファンが「バック・トゥー・ザ・フューチャー」見た感想
新日本プロレスファンが「バック・トゥー・ザ・フューチャー」見た感想 について書いていく。
2020年6月12日。21時から「バック・トゥー・ザ・フューチャー」が地上波で放送された。
僕のTwitterを見ていても#BTTFの話題で持ち切りである。銀幕デビューから35年の月日がたった今でも数多くの人々がオールタイム・ベストと語る至高の作品は、まったく色褪せること知らない。
実際、映像技術の進化は凄まじく、今見ると「なるほど」と思う箇所は随所にある。ただし、そんなことは関係ないのだと言わせるだけパワーが「バック・トゥー・ザ・フューチャー」には詰まっていた。正直に言って、かなり久しぶりに見たが最高に面白かった。
実際にフィルムを見ていると、なぜだがプロレスと「バック・トゥー・ザ・フューチャー」について書きたくなってしまった。
新日本プロレスの再開が迫ってきた中で、別の角度から魅力を訴求してみるのもアリだろう。
「ニュージャパンカップ2020」。大阪城ホール大会。
プロレス貯金を限界まで貯めた我々にとってようやく嬉しい嬉しい解約の瞬間が訪れようとしているのだ。
先に書いておくが結局、普段の約2倍ほどのボリュームになった。令和時代の新日本プロレスを振り返る内容にもなっているので、ぜひチェックしてほしい。勿論、KUSHIDA選手の話題もあるので、お楽しみに。
散りばめられた伏線と一点攻撃
「バック・トゥー・ザ・フューチャー」と言えば、圧倒的な構成力と演出を魅力として語る人も多いだろう。ほぼ全てのセリフに意味があり、随所に伏線となっている。
細かいところも含めるとセリフや美術、音楽。その全てに一切無駄がないとも言えるのだ。
例えば、ジェニファー・パーカーとの1シーンで何気なく受け取るチラシ。ヴァン・ヘイレン。未来の市長のポスターがさり気なく映し出されるシーン。
その全てが後々になって重要な鍵を握ってくるのだ。
おいおいどこがプロレスと関係あるのかって。それがあるわけで。
プロレスって無駄が多いじゃないですか。実際、「プロフェッショナル 仕事の流儀」でオカダ・カズチカ選手はそう語っている。
相手の技を受けるのは無駄じゃないか。そういった見方もあるが、プロレスとはそういったスポーツでありエンターテイメントである
だからこそ、たくさんの美学があるのだ。
プロレスラーの試合を見ているといくつか気づくことがある。オカダ・カズチカ選手や鈴木みのる選手などを見ていると、明らかに技の数を絞っている。
使う技の種類を厳選し、磨き続けることで攻撃に意味と深みが生まれる。
そして、プロレスの醍醐味と言えば一点集中攻撃だ。これは「鈴木軍」の金丸義信選手がよく口にしている。色んなところを攻めたら効率が悪い。一点集中にすべきだ、と。
例えば、首攻め、膝攻めとたくさん種類がある。だが、プロレスラーはとんでもないほどのバリエーションで同じ箇所を攻め続けることができるのである。
実際、オカダ・カズチカ選手はフィニッシャーである“レインメーカー”を決めるために、首一点攻撃で試合を組み立てっている。
りばーす・ネックブリーカーやツームストン・パイルドライバー。その全てが首狙いなのだ。
そうやって数十分間積み重ねてきた“伏線”を必殺技で回収する。
日本国内では新日本プロレス、全日本プロレス、WRESTLE-1から現在は、プロレスリング・ノアのリングに上がっている天才・武藤敬司選手はプロレスのことを「作品」だと語っている。
磨き抜かれたエンターテイメントには重みと深みがある。だからこそ、時を超えなお評価されるし、永遠に語り継がれていくのだろう。
また、伏線という意味だとバックステージでのコメントに注視していると色々なことに気付かされる。
バックステージで紡いできた伏線をリングで回収する。ここに最近では、Twitterも加わってきた。KENTA選手の“KENTA劇場”を振り返ってみると、より面白いことが見えてくるだろう。
バディとタッグ
「バック・トゥー・ザ・フューチャー」の魅力を語り尽くすと考えればキリがない。
前述した散りばめられた伏線や一発で時代感を伝える演出。計算し尽くされたコメディタッチは35年が経っても全く色あせることなく、僕たちの心を一つにしてくれた。
Twitterや会社のSlack。それぞれの場所で実況が行われている。
僕にとってこんな事態は初めてで非常に楽しい時間だった。
ただ、この当時からずっーと続いているヒットの法則を「バック・トゥー・ザ・フューチャー」は踏襲しているのだ。
マーティー・マクフライとドク・ブラウン。このバディが紡ぐ雰囲気と世界観が「バック・トゥー・ザ・フューチャー」の物語をさらに色濃くさせているのだ。
昨晩、放送があったので思い出して欲しい。ここで疑問になるのが2人はなぜ仲がいいのか?ということである。勿論、作中では描かれていない。
「バック・トゥー・ザ・フューチャー」脚本のボブ・ゲイルさんはこう語っています。
マーティは幼い頃から、近所のドク・ブラウン博士は変人で危険人物だと聞かされていた。でも、危ないと言われるほど気になるもので、13歳か14歳のとき、ドクの研究室にこっそり忍び込んだ。そして、そこにあった数々のクールな発明に魅了されてしまったんだ。
ドクが彼を見つけたとき、マーティを怒るどころか、ひとりの少年が自分の発明に興奮していることに大喜びした。それでドクはマーティに研究を手伝ってもらったり、犬(アインシュタイン)の世話をお願いしたりするようになった。そこからふたりの関係は始まったんだ
昨日テレビでも放送があったばかりなので、ガッツリネタバレを書くと、マーティー・マクフライが過去へ行き、戻ってきた世界ではドク・ブラウンは防弾チョッキを着用していたため、一命を取り留める。
ということは、17歳のマーティーと出逢った1955年から27年後に2度目の出会いを果たしているのである。なんともロマンティックではないか。
自分を助けるために未来から来た少年ともう一度巡り合う。
プロレスのタッグチームにもこうしたドラマは数多くある。
橋本真也さんと小川直也さんのOH砲。自分を引退に追い込んだ男との電撃結成。「俺ごと狩れ!」は全く色あせることのない合体技である。
他にも令和2年になって再ブレイクを果たしたユニオーネ(さらには増員までした)。2人ではなく、“3人”のタッグチーム「タイム・スプリッターズ」。
ヤングライオン時代から続くタッグチーム「ロッポンギ3k」、近年の新日本プロレスで最恐と呼ばれたK.E.S。世界ナンバー1の称号をえたG.o.Dなど挙げればキリがない。
では、今の新日本プロレスで最も注目すべきタッグチームと言えば...。この4人になるだろう。
ゴールデン・エース。そして...
棚橋弘至選手と飯伏幸太選手が結成した“ゴールデン・エース”。
静と動の役割をバチッと決めた2人のタッグチームはまたたく間にスターダムへと駆け上がり、「IWGPタッグベルト」を戴冠するまでに至った。
元々シングル戦線で長年トップを張っていた棚橋弘至選手と飯伏幸太選手が組むというインパクトはオカダ・カズチカ選手と棚橋弘至選手(OT砲※今名付けた)以上のものがあったように思う。
そして、新日本プロレスが自粛に入る直前、“ゴールデン・エース”を襲撃したのが、タイチ選手とザック・セイバーJr.選手なのである。
ここではUNION(ユニオーネの英語表記。たった今、勝手に名付けた※ユニオーネの竜巻などを使用するため)と呼ぶことにしよう。
この4人はなんと「ニュージャパンカップ2020」の一回戦で激突する。もしも、チャンピオンである“ゴールデン・エース”の2人が敗れることになってしまったら次のタイトルマッチは即決定とも言える状況なのだ。
これからそれぞれのタッグチームの関係性を追っていくのも更にプロレスを楽しく見るためのスパイスになるだろう。
KUSHIDAのことを思い出す
最後に。やっぱり「バック・トゥー・ザ・フューチャー」 と言えば2019年に新日本プロレスを退団したKUSHIDA選手だろう。
現在は海を渡りNXTで大活躍中である。
2019年のイッテンヨンで、ドク・ブラウンに扮した田口隆祐選手(らしき人物)は大きく、大きく手を振りながらKUSHIDA選手の入場を見守っていた。
この直後に退団会見があったのだ。この後、別れがあることは当然知っていただろう。
色々な意味でKUSHIDA選手を送り出す。そんなメッセージが詰まっているかと思うと、何度見ても泣ける入場シーンなのである。
改めて...にはなるが。ここでタイチ選手とKUSHIDA選手のやり取りを思い出してみたい。
タイチ「どこぞの馬の骨かわかんないヤツがよ、拾ってもらってよ」と。
KUSHIDA「タイチ、この野郎。ジュニアで結果残せなかった男がヘビー級へ行ってベルト獲れるわけないだろ。そうヘビー級へ行って寂しかったよ。でも嬉しかったよ。NEVERのベルト獲ってジュニアとタイトルマッチするんだろ?約束は守れよ。しっかりチェックしとくから」https://t.co/JfIdxfL1hL#njcmll pic.twitter.com/Xotl33yowS
— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) 2019年1月14日
打倒・鷹木信悟。NEVERの王者として初となるJrとのタイトルマッチを行うのは、“聖帝”タイチ選手の仕事なのだ。
未来に帰ってくる。それが、「バック・トゥー・ザ・フューチャー」。いつかまた、プロレスの求道者・KUSHIDA選手が新日本プロレスで見たい。
だって、今のNXTでで戦う姿は、新日本プロレスのKUSHIDAが世界でチャレンジしているようにしか見えないから。
感情的になってきたので、ここらで筆を置きたい。いよいよ。明後日から新日本プロレスが再開する。そして、来週、再来週と「バック・トゥー・ザ・フューチャー」が放送される。
いよいよ令和2年が楽しくなってきた。
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