新日本プロレスの無観客試合が完璧過ぎた理由
新日本プロレスの無観客試合が完璧過ぎた理由について書きたい。
2020年6月15日。新日本プロレスの活動が正式に再開した。
記念すべき“復活興行”は「NJPWTogether SPECIAL」と題するメモリアル大会に。
注目の対戦カードはイッテンゴ(今年はイッテンロク)の「NEW YEAR DASH!!」以外では珍しい当日の発表となる。
明日からスタートする「ニュージャパンカップ2020」の前哨戦になるのか。
それとも全く別の形で豪華絢爛な対戦カードが並ぶのか。
期待に胸を膨らませつつ、試合の時を待った。そして、いよいよ発表になった「NJPWTogether SPECIAL」は以下だ。
ここからは2020年2月22日に後楽園ホールで開催した「中西学 引退記念大会」以来となるレポートを届けたい。
まずは試合開始前に新日本本隊のレスラーたちが登場。棚橋弘至選手による熱いメッセージで新日本プロレスの再開が高らかに宣言された。
非常に肝心なシーン。棚橋弘至選手は噛むことなく言葉を言い放った。
実況解説席には野上慎平アナウンサー、獣神サンダー・ライガーさん、ミラノ・コレクションA.T.さんという最強の布陣が揃った。
「NJPWTogether SPECIAL」は主に「ニュージャパンカップ2020」で激突するメンバーによる前哨戦となっている。
あぁ、新日本プロレスが帰ってきた。新日本プロレスが帰ってきたんだ!!!!
オープニングマッチはヤングライオン で
110日振りの試合。新しい新日本プロレス。無観客試合の柿落としを任命されたのはゲイブリエル・キッド選手と辻陽太選手というヤングライオンの2人だった。
辻陽太選手は明らかに身体がデカい!そして、ゲイブリエル・キッド選手の腹筋はLA道場のメンバーらしくバキバキに割れている。
新日本プロレスの再開。まずはじっくりとグラウンドの攻防からスタートした。
ヤングライオンによる第一試合はこれからの希望であり、新日本プロレスの闘いを見せ付ける意味でも大きな役割を担っている。
試合開始から数分。新しい新日本プロレスの始まりを見ていて気付いたことをピックアップしていく。
まずはカメラアングルがこれまでと違う。お客様がいないことでカメラワークのバリエーションが増えた印象がある。リングサイドから見上げる角度などはこれまでの試合ではなかったものだ。
無観客試合のために色々な準備をしてきたことがしっかりと伝わってきた。
続いて実況席。明らかに普段よりもボリュームが上がっているし、テンションも高めになっている。
これは、久しぶりの試合ということもあったのかもしれない。
ただ、無観客試合という声援がない試合において実況・解説が締める役割はあまりにも大きい。
会場のファンが生み出していた魅力を実況・解説席のメンバーが補わなければならない。
そんな想いの詰まった3人の実況と解説だった。
試合後、辻陽太選手はカメラに向かって真壁刀義選手へ挑戦状を叩きつけた。
このドアップの絵もこれまでになかったものである。
第一試合が終わって気付いたが無観客ということを忘れるほどの時間だった。
この日のためにどれだけの努力と研究があったのか。全レスラー、スタッフの方々に心から頭か下がる。
上村優也がいきなりイった!
第2試合は金丸義信選手&エル・デスペラード選手VS石井智宏選手&上村優也選手。「ニュージャパンカップ2020」の前哨戦となる。
入場時に世界がどよめいた。上村優也選手の肉体がとんでもないことになっている。
と、上村優也選手がいきなり金丸義信選手へ突撃した。
このフレッシュさと猪突猛進感が上村優也選手の魅力だ。
試合では石井智宏選手が執拗な膝攻めに苦しむも、卵を1日20日食べたという筋肉を武器に上村優也選手が逆襲していく。
パワーだけでエル・デスペラード選手へ逆エビ固めを決行。金丸義信選手のカットも耐える耐える。
エル・デスペラード選手が「よく見とけ!」と試合中に叫ぶ様はまさに無観客試合ならでは。
最後はエル・デスペラード選手が上村優也選手からフィニッシュ。
ミラノ・コレクションA.T.さんの見解は「タッグチームとしての差が出た」とのことだった。
俺たちの高橋裕二郎!
第3試合は「CHAOS」&本間朋晃選手VS「バレットクラブ」の8人タッグマッチ。
“ガイジン”ユニットからスタートした「バレットクラブ」が何と全員日本人レスラーという編成で無観客試合で殴り込んできた。
最後に名乗りを受けたのは我らが高橋裕二郎選手。ヘアカラーがシルバーからあの頃を彷彿とさせる金髪へ。ピーターさんが不在の中でも伊達男っぷりを見せつけた。
YouTubeチャンネル「矢野通プロデュース!」チャンネル登録よろしくね!と新しい名乗りが追加された矢野通選手。
そして、「3ヶ月前から気持ちは裕二郎」と語った後藤洋央紀選手が入場。
完全に僕が待ちに待った時がやってきた。
矢野通選手VS邪道選手はコーナーマットと竹刀を手にするという展開へ。長年「CHAOS」のチームメイトだった2人だが、シングルマッチは初対決となるらしい。
ここまで見てお気付きの方も多いと思う。これまでの試合とは一気に雰囲気が変わったことを。
同じ試合展開ではなく、バラエティに富んだ様々なメンバーで試合を作っていくことで、全く飽きがこないのである。
「外道選手は絞ってきましたね」とは獣神サンダー・ライガーさんの言葉。これはオカダ・カズチカ選手との一回戦が楽しみで仕方ない。
ラストは高橋裕二郎選手のピンプジュースが炸裂。
俺たちの高橋裕二郎が最高の一撃を魅せた!
新日本プロレスの奥深さを改めて感じさせる試合。そして、高橋裕二郎ここにありと見せ付ける試合。それが第3試合だったように思う。
そして、“グランドマスター”の動画が「新日本プロレスワールド」でも初披露された。
彼の正体は一体誰なのか...。気になるところである。
その後はリング周辺の清掃、消毒作業も行われた。新しい新日本プロレスは安全安心な状況でのみ行われるのである。
本隊VSロス・インゴ
第4試合は「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」のSANADA選手、EVIL選手、BUSHI選手対「新日本本隊」の天山広吉選手、小島聡選手、田口隆祐選手である。
SANADA選手は金髪をそのままに少し短くした模様だ。
天山広吉選手のエントランスミュージックで登場した新日本本隊。2年連続での「ニュージャパンカップ」エントリーとなった田口隆祐選手。顔がシュッとしている!?と思ったのは僕だけだろうか。
また、緑のリストバンドを装着している。これもこれまでとは少し違った印象を生んだ要因なのかもしれない。
と、小島聡選手の身体が半端じゃない。パンッパンある。
スタートはSANADA選手と田口隆祐選手の前哨戦から。
グラウンドでの攻防になれば階級はさほど関係ない...と、パラダイスロックを仕掛けるがこれは未遂に終わる。
そして、無観客試合ならではのカメラアングルが田口隆祐選手を捉え続けて離さない。
ダイナミックなオャャイ!が披露されるのが今から楽しみだ。
モンゴリアンチョップの音は実況・解説席がカバー。
「行っちゃうぞ!バカヤロー」も実況・解説席がフォロー。
レスラー、実況・解説席、スタッフ。全ての連携が完璧に取れてる印象である。
ここまでの全レスラーに共通しているのが、試合勘について全く問題がないということ。
そして、これまでリングに上がったレスラー全員のコンディションが自粛前よりも整っている印象を受ける。
ダメージを抜くという意味でこの110日間は確かな意味があったのだ。
最後は田口隆祐選手がBUSHI選手からオーマイ・アンド・ガーアンクルでタップアウト勝ち。
ノリノリの田口隆祐選手がSANADA選手から白星を飾るか!?
【6.15・第4試合】
— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) 2020年6月15日
『NEW JAPAN CUP』前哨戦!
本隊vs L・I・Jの6人タッグマッチ!
1回戦で対戦する田口とSANADAがグータッチ!?
小島とEVILはバチバチの肉弾戦を展開!https://t.co/cCgpmpLI0Z#njpw #njpwworld #njcup pic.twitter.com/x61arriryk
鈴木みのるVS永田裕志
第5試合は新日本本隊VS鈴木軍。
棚橋弘至選手、飯伏幸太選手、永田裕志選手、真壁刀義選手VSタイチ選手、ザック・セイバーJr.選手、鈴木みのる選手、DOUKI選手の一戦だ。
一気にリングを飛び越えて各所での場外乱闘がはじまる。各所で行われている4対4に対して、カメラアングルが追う、追いまくる。
引き目のカメラワークから一気にアップになるのは、やはりこれまでとは全く違う試合の印象を受ける。
真壁刀義選手のキング・コング・ニーも大迫力!完璧過ぎるほどに決まっていた。
そして、ここまで見ていて改めて思う。この大会が無観客試合ということが全く気にならないのだ。
有人の方がいいに決まっているが、ここまで気にならないのは正直ビックリ。
新しい新日本プロレス。最高の時間はいよいよメインイベントへと突入していく。
至高のメインイベント
まずは“ロッポンギ3K”。YOH選手とSHO選手が姿を現した。
YOH選手の新コスチュームが印象的...と、“レインメーカー”が姿を現した。
110日振りに金の雨が舞いはじめた。まさに土砂降りである。
ここで気付いた。新日本プロレスの無観客試合がど迫力だったのは巨大スクリーンの影響が大きいのである。
迫力抜群の入場があるからこそ、試合に向けての気持ちがいつも通り爆発するのだ。
そして、“エア内藤コール”が聴こえて来た。
鳴り響く「スターダスト」。復帰戦にスーツを抜擢してくる千両役者。それが新日本プロレスの主役・“制御不能なカリスマ”内藤哲也選手なのだ。
メインイベントのゴングが鳴り響く。内藤哲也選手の新技や明らかにファイトスタイルが変化したYOH選手など、この試合については明日朝に更新する記事でじっくりと書きたいと思う。
★メインイベントの詳細はこちら★
新日本が帰ってきた
新日本プロレスの無観客試合が幕を閉じた。結論から言えば最高だった。
この日のために行ってきた入念な準備が身を結んだのだ。完璧過ぎるほどの大会だったように思う。
明日からはいよいよ「ニュージャパンカップ2020」がはじまる。
もう一度プロレスが爆発する。そんな気持ちにさせられる最高の時間がこの日の無観客試合にはあった。
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