内藤哲也の新技炸裂!リモートマッチの秘密は入場にあった!?

内藤哲也の新技炸裂!リモートマッチの秘密は入場にあった!?

無観客試合なのか。それともこれが新日本プロレスの“リモートマッチ”の神髄なのか(早速使っていくスタイル)。

2020年6月15日。新日本プロレスが「Together Project Special」を配信しました。

事前の無料配信では獣神サンダー・ライガーさんやミラノ・コレクションA.T.さんらが、野上慎平アナウンサーと共にそれぞれのレスラーたちが意気込みや暴走(高橋ヒロム選手)を見たり。

懐かしくもあり、これからまたはじまるんだという嬉しさありと、何ともエモーショナルな気持ちで一杯な時間が続く中、新日本プロレスのエース“100年に一人の逸材”棚橋弘至選手のメッセージで新日本プロレス初となる無観客試合がスタートしました。

今朝は改めて、「Together Project Special」のメインイベントと新日本プロレスが作ったリモートマッチならではの魅力をまとめていきます。

え!無観客試合の魅力は昨日も書いたでしょって。

いいモノはいいんです。

そのクオリティは最早、無観客試合というよりも、さながら敢えてお客様抜きで試合をしているテレビマッチの如し。

違和感があったというか、やっぱりここだけはいつもと違うなと思ったのはメインイベント終了後に内藤哲也選手が“エア大合唱”を行ったシーンのみ。

やっぱりあそこだけはお客様の声援があってこそなのだなと。ただ、1人ロス・インゴ時代は大合唱も無かったので、元に戻ったと言えばそうなのですが。

さてさて。なぜ、新日本プロレスはここまで無観客試合(リモートマッチ)に対して違和感が無い試合が連発できたのか。まずはこの点から僕の見解をお話します。

 

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レスラーたちの華と入場

無観客試合を開催するにあたって、新日本プロレスの武器となったのは、レスラーたちの『華』だったように思います。

これについては、メインイベントで登場した『CHAOS』オカダ・カズチカ選手、YOH選手、SHO選手。『ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン』内藤哲也選手、高橋ヒロム選手、鷹木信悟選手の6人の並びが特に顕著でしたね。

顔がいいイケメンや身体がカッコいいとは違う次元にある『華』。選ばれた者しか持ち得ない才能を改めて見せつけられた。そんな印象を受けました。

と、メインイベントの前に「Together Project Special」で特に印象的だったレスラーをご紹介します。

消毒!ソーシャルディスタンス

やっぱり矢野通選手でふ。新日本プロレスの伝統とも言える誰が対角線に立ったとしても、声援の量で勝ってしまう「矢野通コール」はなし。ブレイク!!しても盛り上がる観客はなし。

会場に豊かな時間を提供しつつ、省エネファイトでちゃっかり勝利をかっさらう“敏腕プロデューサー”。

無観客試合でどんなファイトを魅せるのかと思いきや、やっぱりいきなり仕掛けてきました。
なんと、YouTubeチャンネルの宣伝を手始めに「消毒!」、「ソーシャルディスタンス!」と今の状況で必要なことを叫び続けたのです。

プロレスの試合でソーシャルディスタンスと言えば、タイチ選手とTAKAみちのく選手が試合が決まる最後まで触れ合わなかったり、プロレスリング・ノアで潮崎豪選手と藤田和之選手が31分向き合ったりと色々ありましたが、試合開始のゴング直前に距離を取るように叫ぶのは矢野通選手くらいのものでしょう。

また、おそらく消毒をして入場しているにも関わらず、再度徹底した消毒を行う姿勢には頭が下がります。

本日、邪道選手との「ニュージャパンカップ2020」一回戦がありますが、期待しか無いですね。はい。

 

入場にこだわることで生まれた変わらない光景

メインイベントは『CHAOS』の3人から入場。YOH選手、SHO選手はシングル仕様のコスチューム。

これまでショートタイツだったYOH選手はロングタイツにヘッドギアを着用。

六本木三千。新利風。デジタルなイメージへと一新。SHO選手とは全く別の進化を遂げていることが分かります。

“レインメーカー”がルーチンをこなした後は、『ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン』が登場。

プロレスができる喜びを叫んだ高橋ヒロム選手。『NEVERの申し子』、『公園に出没する筋肉お化け』鷹木信悟選手。

そして、この日のためだけに大切なスーツを持ってきた内藤哲也選手はこう語ったそうです。「連戦や過密日程の中でキツイと思っていた。ただ、試合がないことが一番キツい」。

この時点で、内藤哲也選手はスーツ。YOH選手、SHO選手、高橋ヒロム選手は新コスチュームを初披露しています。

そうなのです。試合に入る前。この時点で僕たちは全員無観客試合ということを忘れていたと思います。

新日本プロレスが仕掛けてきたのは、無観客試合だと言っても入場の演出を変えなかった、むしろより色濃いものにした点にあります。

プロレスというジャンルにおいて試合と同等以上に大切なのが入場です。

色々な思いを持ってリングへ向かうレスラー。ファンはその一挙手一投足に目を奪われ、感情を高めていきます。新日本プロレスはここもプロレスの醍醐味なのだと考え、しっかりと演出を組み、レスラーたちがその戦略に応えることに成功しました。

リモートマッチで全く違和感がなかったのは、出汁をしっかりと取って、裏越しして...と手間暇を懸けた結果なのです。

新日本プロレスのレスラーはやっぱり凄い!それが中軸にありつつも、ここまでの時間を作り上げたのは大会運営スタッフの企業努力に他ならないのです。

映像、音響、カメラワーク、演出。その全てが調和することで、全く変わらないこれまで以上の新日本プロレスを見せつけることに成功しました。

レスラーたちの肉声が響くことで、これまで会場でも聞くことができなった新しいスパイスも加わり、これはこれでアリというか本当に全く違和感がなかったこと言っても過言ではありません。

 

14分のメインイベント

内藤哲也選手、オカダ・カズチカ選手からメインイベントはスタート。今年のイッテンゴと同じ組み合わせということで、ファンの心を一気に引き込んでいきます。

高橋ヒロム選手が声を上げ、エプロンを叩く。そんな音の一つひとつが今までとは違う新鮮さを生んでいますね。

この2人が対峙した場合、いつも声援を聞く時間があったですが、その点はカット。独特な間はなくなったものの、いきなり試合がはじまるというスピーディーさが生まれています。

そして、気づきましたでしょうか。新日本プロレスワールドの2時間7分50秒あたりをチェックしてみて下さい。

内藤哲也選手。メチャクチャ楽しそうな表情をしています。まるで、プロレスができる喜びを全身で噛み締めているかのよう。

「勝った、負けた。そんな小さいことでプロレスをしていない」男は、集中しつつもこの状況を心から喜べる余裕も持ち合わせているのです。

続いては鷹木信悟選手とSHO選手。もしも「ニュージャパンカップ2020」の一回戦でSHO選手がリベンジに成功すれば一気に無差別級へ機運が高まります。

ここでYOH選手との連携を披露。正直、以前よりもスピードが増している印象を受けます。

鷹木信悟選手はやっぱり無観客試合でも魅力が炸裂していますね。普段からよく声を出すタイプだっただけに、試合の臨場感が彼を通じてひしひしと伝わってきます。

高橋ヒロム選手はチョップを連発。音で画面の先にいるファンへ痛みを独占配信してきました。

2時間13分10秒。SHO選手をいたぶる内藤哲也選手ですが、ここもいい笑顔です。KUSHIDA選手の言葉を借りると、プロレスをエンジョイしています。

 

プロレスをエンジョイしていると言えば、この男も忘れてはいけません。新日本プロレスの象徴であるオカダ・カズチカ選手です。

以前から時折大声を挙げながら試合をしていましたが、リモートマッチだと響く響く。肉体に関しても少しシェイプされた印象を受けます。

“レインメーカーの所有物”である「IWGPヘビー級ベルト」奪還に向けて、準備は万全と言ったところでしょう。

そして、ここでYOH選手が登場。入場時から思っていたのですが、YOH選手少し絞りましたよね。

パンプした胸筋の膨らみが以前よりもスリムに見える印象です。ただ、内藤哲也選手にかち上げ式のエルボーを数発見舞ったり、トップロープへと一気に飛び上がったムーブを見ていると明らかにスピードが上がっている印象を受けます。

スピードとキレで戦う。これが、新しいYOH選手のファイトスタイルになるのかもしれません。初戦の相手はBUSHI選手。どんな試合になるのか今から楽しみです。

ちなみに高橋ヒロム選手はこの試合でほぼ自分の出番を作りませんでした。あくまでも明日への調整。気持ちを爆発させるのは明日だという気持ちが伝わってくるようです。

内藤哲也の謎掛け

チャンピオンとして「ニュージャパン2020」の優勝者を待つ内藤哲也選手が「俺は準備してきましたよ?」と言わんばかりに新技を披露し、YOH選手を沈めます。

ハッキリいって新技は本当にここぞ!という時に出すことで大きなメリットを生みます。SANADA選手がオカダ・カズチカ選手から初勝利を奪ったときのポップアップ式TKOや内藤哲也選手のヴァレンティア(確かザック・セイバーJr.選手戦。違っていたら教えて下さい...)は勝利の鍵として初披露された新技でした。

本来ならタイトルマッチ用に温存する技をもこのタイミングで披露したのは、新日本プロレスを楽しみに待っていたお客様へのサービスであり、ここで披露しても防衛できるというWチャンピオンとしての威厳があったように思います。

 

エースの言葉

棚橋弘至選手は「テレプロレスリング」にて(膝がボロボロになってしまったが)飛び続けてきた過去に後悔は無いと語った。

ここまで誰かのために生きることができるのか。毎日痛い思いをしてでも伝えたいモノってなんだ。

棚橋「……フゥ~(息を整えて)。帰ってきました! ハイ。まずは第1歩ということで。まず第1歩が無観客試合……ね? 僕たちは……、なかなか不安な状況の中ではありますけども、ひとつづつ、ひとつづつ、最善を尽くして、前に進んで行きたいと思います。ハア。……今日は無観客試合という形でしたが、これは! これは! 選手にとってすっっごい経験になる!! (力を込めて)。お客さんがいる状況でやるのと、全然違うからこそ、そん中でどう伝えるか? どう魅せるか? どう戦うかっていう、もう経験値が……。だからこそファンの皆さんが、会場に入って、みんなに観てもらった時に、いまの経験がきっと生きてくると思うし、応援してくれるファンのみなさんの存在がどれだけ、うれしくて(声をつまらせて)、ありがたくて、プロレスラーにとって……どれだけ尊いものかっていうことをいま、選手は感じていると思います(涙をこらえながら)。だから、みなさんと……、みなさんが会場でプロレスを、楽しんでもらえるようになるまで。ウン! 俺は諦めません! そして、プロ野球、プロサッカー。ね? あらゆるアーティストさんのライブイベント、そういう皆さんが楽しんでもらえるものが1日も早く、みんなに届くように頑張っていきましょう。今日はありがとうございました。明日も頑張ります!」

出典:新日本プロレス

新日本プロレスのエースの言葉。あなたの言葉にどれだけファンが救われてきたか。本当にあなたには感謝してもしきれません。

俺は嫌われてもいい!新日本プロレスを盛り上げたい!と動いたあの時から10年以上が経ち、今はファンの気持ちを一身に受け止める本当のヒーローに棚橋弘至選手はなりました。

改めて、棚橋弘至選手は太陽なのだなと心から。

試合があるということの喜びを噛み締めつつ、これからの新日本プロレスを心から楽しんでいきたいと思います。

ライガーさん、ミラノさん

最後に。

獣神サンダー・ライガーさんとミラノ・コレクションA.T.さんへ。

今の新日本プロレスに必要な解説という役割を担っていただき、本当にありがとうございました。

110日振りの大会。プロレスに求めていたのは、熱く盛り上がれる時間だったのです。

技や試合展開の解説よりもファンの目線でとことん大声を張り上げて楽しむ。

超一流のレスラーだった2人からすれば、一番難しいことかもしれません。

経験値があればあるほど、プロの目で見てしまいがちですし。

ただ、お2人がファンの声を代弁したお陰で、本当に楽しんで見ることができました。

解説とは物事の要点や意味などを分かりやすく説明することをを指します。

新日本プロレス最高だよ!そんなシンプルなメッセージを言葉と音で表現した2人。

そして、アナウンサーたちの実況がこの「Together Project Special」を彩ったのだと心から思います。

「Together Project Special」。

これからまた一緒に特別な日々を過ごそう。

今日からまた、当たり前じゃない当たり前の日々がはじまるのです。

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