矢野通のエレベーター葬と高橋ヒロムのパワーワードまとめ

矢野通のエレベーター葬を誰が予想できただろうか?高橋ヒロムがもう1ランク上のレスラーになった。

非公開の会場。無観客試合。1972年に旗揚げされた新日本プロレス史の中でも前代未聞の状況が仕上がったからこそ、これまでにない極上の一戦が生まれたように思う。

ハッキリ言おう。これからあの試合を見た方々は、1階が表示されているエレベーターを見るだけニヤっとしてしまうだろう、と。

僕が新日本プロレスを好きになったのは2017年からだと何度かここで書いたことがある。

キッカケはAmazonプライムビデオの『有田と週刊プロレスと』。

“くりぃむしちゅー”有田哲平さんによる語りが呼び水となり、今こうしてプロレスブログを運営している。今回の騒動で試合がない間も更新をし続けてきた。

新日本プロレスの再開。それはあまりにも僕の中で大きな出来事だった。改めてプロレスがこんなに好きなのだと再確認できた110日間を取り戻すかのようにジュニア選手が参戦する『ニュージャパンカップ2020』が発表された時、歴史に残る大会になるとどこかで確信していた。

そして、2020年6月24日のセミファイナル。「CHOAS」矢野通選手と「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」高橋ヒロム選手の一戦は、新日本プロレス史に残る問題映像となった。

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この日、前兆はあった

「策士、策に溺れる」

この日、その前兆があった。プロレスリング・ノア時代から一度も勝ち星をつけることができなかった石森太二選手が金丸義信選手から3カウント勝ちを奪ったのだ。

決定的な敗因については後日しっかりと書くが、この日番狂わせが起こる予感はヒシヒシと流れていた。

そして、田口隆祐選手が華麗なるドラゴンリングインをかましたその瞬間にタイチ選手からソバットを見舞われ、悶絶している様子を見て確信する。

この日は何かがある、と。

2020年6月24日。友引。陰陽(おんよう)道で、物事に勝負がつかないとする日を指す。

金丸義信選手がスポーツドリンクに溺れなければ、矢野通選手が髪の毛を切ることだけに集中しなければ。結果は大きく違ったかもしれない。

高橋ヒロム選手は矢野通選手に敗れた。だが、あの日の自分や棚橋弘至選手のように髪の毛を守ることは出来なかった。

ヘルメットを被って入場した高橋ヒロム選手だが、110日でさらに伸びた髪が飛び出てしまっていた。まさに頭隠して髪隠さずである。

 

内藤哲也超えの入場時間とパワーワードの数々

「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」結成当初話題になったのは内藤哲也選手による入場の遅さだった。

ノロノロノロノロと歩く。リングにも中々入らない。トランキーロ戦法という名称が付くまで「内藤哲也は何をやっているんだ!?」と言われることも決して珍しくはなかった。

ただ、この日の高橋ヒロム選手も中々な入場の長さを叩き出した。歩けば数秒の距離。かつ、相手の入場が控えているにも関わらず怯えてきっていたのだ。

そして、1分30秒間周囲を気にし続ける入場が終わると、続いて矢野通選手が姿を現した。

「カレーの中ちゃんと見ろよ!チェックしろよ!!」

「チェックするから!」

「カレー先に見ろよ!」

「分かった!」

「カレーはカレーだよ!」

この時点でお気付きの方も多かったと思う。高橋ヒロム選手のヘルメットの中の方が怪しいのではないか、と。そして、ヘルメットは硬い材質でできている。脱いで殴れば凶器となる。

「コスチュームだよ!」と苦しい言い逃れに走ったところで試合が開始される。

すると、いきなり矢野通選手はバリカンを取り出した。

「お前のチェックが甘いんだよ!」

佐藤健太レフリーのチェックが甘いのではない。矢野マジックが凄すぎたのだ。

改めて数回この試合を見直して気付いたことは、矢野通選手にしては珍しくシングルマッチでTシャツを脱いでいなかったことだ。

狂気、いや凶器のバリカンなどを全てパンツのフロント側に収納していたことを、まさかTシャツでカモフラージュするとは。

タッグ戦の時はいつもTシャツを着ているため、すぐに分からなかった。

巧妙すぎる程にズルい。これが矢野通選手の魅力なのだ。

この試合は絶対に新日本プロレスワールドで見て欲しいので、試合内容には触れずに、試合中に飛び出したパワーワードだけ抽出しておく。

「しまえよ!」

「うるせーよ!

「帰るぞ!帰る!帰る!(リングの下へ)」

「こんなことするためにプロレスラーになったんじゃないだよ!!!」(魂の叫び!)

「何もねぇよ!バカヤロウ!」

「あるじゃん!!マジシャンかよ!」

 

令和の新日本プロレスを象徴した一戦

以前までであればこういった試合は、ケニー・オメガ選手の領域だった。今回、矢野通選手がこのツイートをした瞬間から“バリカンマッチ”になることは理解できたが、矢野通選手を相手に高橋ヒロム選手がどこまで肉薄できるのかが注目のポイントだったように思う。

矢野通選手と言えば、内藤哲也選手を秒殺したり、ジョン・モクスリー 選手に新日本プロレスで初黒星を付けたレスラーである。

どうすれば高橋ヒロム選手は矢野通選手から勝利を掴むことができるのか。

その答えとして持ってきたのが、エレベーター葬だったのだ。おそらくあの作戦を思いついたのは、前日の前哨戦に違いない。

曲者・矢野通を倒すためには最後の最後でウルトラCをキメるしかない。それが、あの伝説の一撃につながったのだ。

高橋ヒロム選手は三回戦突破。次の相手は“名勝負製造機”石井智宏選手だ。

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