オカダ・カズチカはファンを信じて「特にありません」と言った

オカダ・カズチカはファンを信じて「特にありません」と言った。

2020年のニュージャパンカップが例年以上の盛り上がりになってきている。

知り合いのお店で食事をしていたら、終電が終わっていた。ビジネスホテルへとチェックインし、起きたのが今から1時間前。久しぶりの朝帰りである。

さて、こんな朝だからこそ「ニュージャパンカップ2020」について考えてみたいと思う。

昨年と同じく32人のレスラーが参戦した春の最強戦士決定トーナメントだが、これまでとは全然違う景色を見ている気がする。

それもそのはずで、エントリーしているレスラーの約半数が新日本プロレスジュニアのレスラーなのだ。

渡航制限により“ガイジン”レスラーの参戦が厳しい状況。ただ、フルスロットルで110日振りにはじまる新日本プロレスを盛り上がなければならない。

そんな想いが詰まったトーナメントは、おそらく数年はないだろうと思っていた伏線と因縁が交差する未知なる対戦カードが目白押しとなった。

オカダ・カズチカ選手VS永田裕志選手、石森太二選手VS金丸義信選手、矢野通選手VS高橋ヒロム選手。

対戦カードを見るだけで思わずヨダレが出てしまいそうな豪華さである。そして、これからも期待の組み合わせが続くのだ。

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闘龍門と一年差

「ニュージャパンカップ2020」3回戦はとにかくレアな組み合わせとなった。

まずはオカダ・カズチカ選手VS石森太二選手。続いて石井智宏選手VS高橋ヒロム選手だ。

前者は闘龍門の先輩後輩関係にある。石森太二選手が9期生。オカダ・カズチカ選手が13期生という間柄だ。

ちなみにミラノ・コレクションA.T.さんは6期生である。

今では新日本プロレスの“レインメーカー”と“ボーンソルジャー”へと変貌を遂げた2人だが、その根底にはウルティモ・ドラゴン校長が生み出した龍の血が流れているのだ。

試合開始数分。これまでには見ることの出来なかった展開が起こる予感が漂っている。

続いて、石井智宏選手と高橋ヒロム選手。上背はほぼ一緒。高橋ヒロム選手がこのトーナメントに合わせて仕上げてきた肉体の厚さを見ると、かなりとんでもない試合になることが想定される。

“名勝負製造機”と「IWGPジュニアヘビー級王者」。石井智宏選手というフィルターを通して、今度はどんな高橋ヒロム選手が出てくるか。ここが見どころになると思う。

 

非公開の会場で

さて、そろそろ本題に入ろう。

永田裕志選手との激闘を制したオカダ・カズチカ選手が野上“ジャスティス”慎平アナウンサーを指名し、勝利者インタビューを行う直前こう言い放っていた。

オカダ「久しぶりでどんなこと言っていいか、忘れてしまいましたけども、いつもは会場名をここで言うんですけども、言えないんでね。会場非公開!! まあ、こんな空気なるよね。永田さん、オッサン言ってすいません。永田さんは、おじさんでした。まあさ、ここでしゃべっても、裏でしゃべってもいっしょなんだからさ、野上アナ、久しぶりにやりましょうよ、勝利者インタビュー。そっから聞こえるんで」

出典:新日本プロレス

普段は会場名を高らかに叫ぶオカダ・カズチカ選手は敢えて、会場非公開といった。無観客試合ということで滑ることは分かっていながらも敢えてこの言葉を挟んだのは、先日のエピソードがあったからに違いない。

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この時期に出待ち行為があったのだ。新日本プロレスは活動再開に伴い、「入り待ち・出待ち」の行為、選手への接近、接触は禁止と明言している。

辛く、厳しい時期を団体とファンが手を取り合って乗り越えなければならない。新日本プロレスを背負うオカダ・カズチカ選手からすれば相当なショックがあったに違いない。

スタッフや会場。関係各位に迷惑が掛かるし、同じことが続くと大阪城ホール大会や今後の興行にも影響が出てしまうためだ。

そのことが心の奥に引っかかっていたのだろう。勝利者インタビューの終盤。オカダ・カズチカ選手は3つ言わずに最後の1つだけを言おうとした。

オカダ「というわけで、久しぶりにはこんなこともあっていいんじゃないかと思います。最後にひとつだけ言わせてください。(※しばらく間を開けてから)特にありません。というわけで、また次、会いましょう。今日はどうもありがとうございました!」

出典:新日本プロレス

決め台詞でもある「特にありません」を言うまでかなり長い間があった。おそらく、禁止行為を働いたファンを指摘し、今後の防止を訴えようとしたのではないかと僕は思う。

ただ、オカダ・カズチカ選手はファンを信じた。「特にありません(皆のことを信じてます)」。レインメーカーが発した無言のメッセージを僕たちは深く受け止めなければならない。

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