石橋貴明がYouTubeで魅せた王道
石橋貴明がYouTubeで魅せた王道について書きたい。
どこで公開するか迷ったが、プロレスに関係する話題も出るのでNJPWFUNで配信することにした。
2020年6月、お笑いコンビ『とんねるず』の石橋貴明さんが自身のYouTubeチャンネル『貴ちゃんねるず』をスタートさせた。
昭和から平成をまたに掛け暴れまわってきたとんねるずの大きい方(木梨憲武さんは177センチなので決して小さいわけではない)こと石橋貴明さん。
彼をYouTubeの世界に引きずりこんだのは『とんねるずの皆さんのおかげでした』などで手腕を発揮している演出家・マッコイ斎藤さんである。
2020年6月27日時点で公開された動画は3本。合計再生数は約450万以上の化け物を超えた存在がいきなり生まれてしまった。
改めて考えると、とんねるずはYouTuberの祖先的な存在である。
野球部とサッカー部の面白い2人が素人が出るテレビ番組に出演し、天下を取った。
お笑いを学んだわけでもなければ、何かのコネがあったわけでもない。ただただ面白い素人がノリと勢いを武器に戦ってきた歴史がとんねるずにはある。
『貴ちゃんねるず』を見ていて気付いた方も多いと思う。従来のYouTube動画ではなく、明らかに一戦を画していた。
深夜番組のような構成、演出で紡がれていく動画。それはあまりにも強力すぎるコンテンツだった。
華のある人が好きなことを語る
昨今、芸能人の多くがYouTubeへと進出している。
YouTubeでは三拍子揃ったタイプよりもどれだけ突き抜けた一芸を持っているかが重要視される。
江頭2:50さんが爆発的な勢いを見せたのも、実は高い高感度と瞬間的な面白さがYouTubeにハマっていたためだと僕は思っている。
では、石橋貴明さんはどうか。この方のYouTubeチャンネル動画は作り方から定番と大きく異なっている。
普通に喋っている言葉のテロップはほぼなし。全ての動画が10分以上。比較的たっぷりとした尺が取られている。そして、今のところ話しているテーマは野球関連のみ。
また、1番の違いは間だ。YouTubeの動画は徹底的に間を詰めるよう編集が行われているのが大半だった。間を詰め、間を埋めることでハイスピードにネタを転換し続ける。
これは現代のプロレスと昭和、平成中期までのプロレスとの違いとも言えるだろう。
ただ、石橋貴明さんの動画は大胆に間を詰めたりはしない。
取れ高のある場所をそのまま大胆に使用して、石橋貴明さんと共に過ごしているような印象を生み出す編集をしているように見える。
せかせかと動き回るのではなく、じっくりと漢・石橋の味を堪能すべし。そんなメッセージが込められているように思うのだ。
間を好む生き物
新日本プロレスのトップ戦線はヘビー級、ジュニアヘビー級に限らず、スピーディーなプロレスが好まれる傾向になった。デカくて鈍重なタイプとは異なるある程度デカくて動けてというタイプが好まれている傾向だ。
これは間を魅せるよりも、展開の速さが今の新日本プロレスファンに受けているためである。
YouTubeを筆頭とするスピード感のあるコンテンツの台頭に対して、プロレスも変化してきた。
ただし、2019年1月が転換期となり、過激で派手で危険なアスリートプロレスの方向ではなくなった。
3Wayマッチも含めて考えると、2019年に棚橋弘至選手が舵を切ったことで新日本プロレスの景色はガラリと変わった気がする。
スピード感や機動力、一撃の重さは尊重されつつも、過剰なまでに危険な技は減少傾向にある。これが今の新日本プロレスなのだ。
有田と週刊プロレスと
石橋貴明さんたっての希望で番組内容が決まっているのだろう。明らかに楽しそうだし、見ていて面白い。
華のある人が自分の好きなことをとことん語り尽くす。これが王道であり、最強であることは『有田と週刊プロレスと』で証明されてきた。
構成と演出が高いレベルで伴っていれば、豪華過ぎるセットも映像も必要ない。そうした動画はテレビとラジオの中間に位置するコンテンツという見方もできるのではないだろうか。『有田と週刊プロレスと』は音声のみでも十分に楽しいのである。
石橋貴明さんの『貴ちゃんねるず』を見ていて、一点突破の大切さに改めて気づいた気がする。
僕が数年ぶりに見た石橋貴明さんは、以前と比べるとエネルギーが減ったような印象を受けた。ただ、一本目の動画の途中からスイッチが入ったように目つきが変わってきた。僕が子供の頃から見続けてきたとんねるずの石橋貴明が帰ってきたのだとそう感じさせる期待感が目から伝わってくる。
ヒットするコンテンツに必要なのは目力なのだと改めて感じた次第だ。
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