金曜8時の新日本プロレス。マスター・ワトの登場が必然だった理由
金曜8時の新日本プロレス。マスター・ワトの登場は必然だったという話を書きたい。
今回のお話はプロレスファンの方よりもマーケターかSNSを運用している方の方が読んでいて面白いかもしれない。
うん...。たまにはそういう記事もありか。お仕事のテンションで書いていこう。
この大会に新日本プロレス、いやブシロードは懸けていた。
最近、タイチ選手がジャンボ鶴田さんの名言である「人生はチャレンジだ」を使っていたが、まさに木谷オーナーにとって悲願とも言える瞬間が訪れたのだ。
そう。2020年7月3日、新日本プロレスが34年振りにゴールデンタイムへと帰ってきたのだ。
ブシロード体制となりそろそろ10年。棚橋弘至選手たちが一丸となって作り上げてたV字回復の土壌にオカダ・カズチカ選手らが加わることで、プロレスが再び爆発した。
その集大成とも言えるのが、ほぼ満員の東京ドーム。それも2連戦。そして、ゴールタイムでの中継だったように思う。
ここからは宣伝マンの解釈として、新日本プロレスとブシロードが狙っていたことを書いていく。
2度とないかもしれないこの日。使えるピースは全て使って結果を残しにきた。
まずは、マスター・ワトの話から入っていこう。
グランドマスターは青髪の男
2020年1月に刈られた髪の毛はすっかりと伸びた。いよいよ“未来の開拓者”が新日本プロレスのリングへ帰還したのだ。
リングネームはマスター・ワト。メキシコ帰りにしてアジアンテイスト(中華系)なのは、色々と気になるところだが、極悪のヒールとして帰還しなかったことはまず、嬉しく思う。
さて、なぜこのタイミングで“グランドマスター”の正体がマスター・ワト(川人拓来)選手だと公表したのだろうか。
よくよく考えてみると、このタイミングに少し違和感を覚えた方も多いのではないだろうか。
これまでのパターンを振り返る
正直、この日は正体を現さないままビデオレターのみでもよかった。
言葉を選ばずに言えば、川人拓来選手が凱旋帰国するのであればもう少し盛り上がる仕掛けはあったはずなのだ。
例えば、大阪城ホールの初日だ。久しぶりの有観客試合で「ただいま!」これが一番だろう。実際、彼のファンを中心にそういったツイートがいくつか目に入った。
ここでここ2015年以降の凱旋帰国を振り返ってみよう。
闇の王は“パレハ”として最上級のインパクトを残した(誰???と騒つく)。
高橋ヒロム選手は新日本プロレスジュニアのエースだったKUSHIDA選手へいきなり宣戦布告し、人気ユニット「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」に電撃加入を果たした。
“ロッポンギ3K”の2人はいきなり両国で田口隆祐選手とリコシェ選手からベルトを奪った。
ジェイ・ホワイト選手も凱旋した日に棚橋弘至選手を強襲した。
では、マスター・ワト選手はどうだろう。
早く鉄パイプで人を殴りてぇ
— DOUKI (@DoukiPerros) 2020年6月28日
DOUKI選手の気持ちが爆発した瞬間だった。
個人的には、“グランドマスターを目指す者”としてのスタートがDOUKI選手なのは考え深く、素晴らしいと思う。
田口隆祐選手以来の本隊か!?
言葉を選ばずに言うと、リングネームは変わったし、髪も青くなったが中身は川人拓来選手のままな印象を受けたのだ。
海外に行って、自由を手に入れた結果ヒールになる(EVIL選手は取り憑かれたわけだが...)。
ヤングライオンを卒業した人間は道場の厳しさから来るストレスでヒールになりがちだった。
だが、マスター・ワト選手は明らかに悪のオーラがない。かと言って「CHAOS」という感じもない(ジェイ・ホワイト選手がいたくらいなので、可能性がないとは決して言い切れない)。
新日本本隊のジュニア戦士である田口隆祐選手とタイガーマスク選手は40代以上。ここらでフレッシュな人材が欲しいというのも現実としてあるに違いない。※熱心なスカウト行為やグレないための動きがあった可能性もある。
敵か?味方か? https://t.co/u63Bh1zHFG
— 後藤 洋央紀 Goto hirooki (@510njpw) 2020年7月3日
すでに“混沌の荒武者”後藤洋央紀選手は何かを感じ取っている。メキシコ帰りからのアジアンテイストの先輩として、何か思うところがあるのだろうか。
では、本題に入ろう。
マスター・ワト選手がここで情報解禁された理由は一つしかない。彼はいきなりの大役を任されたのである。
どれだけ盛り上がったか?
34年振りに生中継が入ったこの日。新日本プロレスはSNSを含めての盛り上がりに全力を投じていた。
「#金8はプロレス」この日のために用意されたハッシュタグを確実にトレンドに入れる。ここで話題性を作ることができれば“次”へのチャンスが生まれる。
「#金8はプロレス」で呟いた著名人の名前をいくつかピックアップすると...。
木谷高明オーナー、真壁刀義選手、矢野通選手、相羽あいなさん、元井美貴さん...などがツイートしている。
もう一つ大きな起爆剤が欲しい。そこで、ファンの目と耳と心を奪うために、マスター・ワト選手の凱旋帰国を発表したのだろう。
“グランドマスター”を目指す者の正体を明かすことで、新日本プロレスファンの期待を集める。
そして、SANADA選手VSEVIL選手、オカダ・カズチカ選手VS高橋ヒロム選手の試合へとつなげる。
これがシン・新日本プロレスを日本、世界で話題にするために練られたプランだった。
計画通りにTwitterトレンド1位を獲得。これが今の新日本プロレスの力なのだと「力」を証明した。
🔥予告🔥NEW JAPAN CUP生放送連動企画
— BS朝日PR (@BsAsahi_PR) 2020年6月26日
①@BsAsahi_PR をフォロー
②3カウントで決着した瞬間から5分以内に #金8はプロレス とツイート
抽選で10名様にAmazonギフト券1000円分をプレゼント!
今から@BsAsahi_PR をフォローして放送前の告知を受取ろう!#ワールドプロレスリングリターンズ#njcup pic.twitter.com/4zBAXKKLsC
プロレス復権に新日本プロレスは懸けた。その結果がツイッタートレンド1位だったのだ。
マスター・ワトのツイッター
激動の金曜日から一夜明けたが、マスター・ワト選手こと川人拓来選手のツイッターアカウントはそのままになっている。
これまでであれば、発表当日には名前とIDが同時に変わっていたはず。なぜ、マスター・ワト選手のツイッターは川人拓来のままなのか。ここにも謎が残っている。まさか、マスター・ワトとは...。
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