なぜ、EVILはミラノ・コレクションA.T.を強襲したのか?
なぜ、EVILはミラノ・コレクションA.T.さんを強襲したのか?
大の大人でも本気でショックを受けた時は泣きたくなる時がある。そんなことを教えてくれたのは、引退から10年間が経つイタリアの伊達男だった。
EVIL選手が内藤哲也選手を裏切り、「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」から離脱したあの日、一番ショックを受けていたのはミラノ・コレクションA.T.さんだったのかもしれない。
EVIL選手が凱旋帰国した2015年からポテンシャルを高く評価し、解説席で偏った発言を繰り返していた。改めて考えると、解説席に座る人間が目をつぶって、ペンライト型の鎌と魔法陣を持ち、入場に花を添えるというのはなんだったのだろうか...。
初見やファン歴の浅い方は彼は何をしているのだろう?と疑問が浮かんでいたに違いない。
ただ、ミラノ・コレクションA.T.さんの解説哲学を知れば知るほどこの行動は理にかなったものでもあった。
ファンと目線を限りなく近づけつつ、元プロレスラーならではの知識と経験でその試合を解釈し、言葉で試合を盛り上げる。
これがミラノ・コレクションA.T.さんの解説なのだ。
今回の大会でEVIL選手はミラノ・コレクションA.T.さんを強襲した。「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」との決別。これまでの“キング・オブ・ダークネス”との別れ。自分を応援していたファンへのメッセージ。
EVIL選手がミラノ・コレクションA.T.さんを強襲したことには明確な意図があると考えられる。
SANADAのサムズアップ
改めて考えるとEVIL選手とミラノ・コレクションA.T.さんの絡みは決して多くはなかったように思う。
元タッグパートナーだったSANADA選手はパラダイス・ロックやロープ・パラダイスを使用する度にミラノ・コレクションA.T.さんへサムズアップを送りあう関係であった。
一方でEVIL選手は?と聞かれるとミラノ・コレクションA.T.さんが一方的にプッシュしていただけで、そんなにコミュニケーションを取っている印象はなかった。
※逆に言えばEVIL選手と密にコミュニケーションを取っていたのが『ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン』のメンバーのみなわけだが。高橋ヒロム選手ですら何も言ってもらえないわけで...。
鎌をへし折り、鉄柵に投げつけた
EVIL選手は内藤哲也選手との決勝戦の最中、解説席にミラノ・コレクションA.T.さんを見つけると、いきなり詰め寄った。
「なんだよ!」、「なんだよ!?」とミラノ・コレクションA.T.さんの声が響いた直後、事件が発生。ミラノ・コレクションA.T.さんの私物である鎌(ペンライト)を取り上げ、へし折ったのだ。
まるで高橋ヒロム選手の相棒であるダリルの惨劇が繰り返された時のよう(バレットクラブはミラノさんに何かネガティブな感情でもあるのだろうか...)。
今回、ミラノ・コレクションA.T.さんは黙っていなかった。解説席から立ち上がるとヘッドセットを外し、EVIL選手へと詰め寄ったのだ。
問題のシーンはこちら
— ミラノコレクションA.T. (@milano_c_at) 2020年7月12日
この時、野上慎平アナウンサーの発した言葉が実況として完璧過ぎるので以下にまとめておきたい。
ミラノさん(×4)!!!
なんということだーーーーー!!!!(ミラノ・コレクションA.T.さんが鉄柵へぶつけられる)
ロス・インゴファン!そんなものとはもう決別したんだ!強烈なメッセージ!
そこまでやるかEVIL!!!!
やめろーーー!!!!
ファン目線の解説を標榜し、代表として解説席に座るミラノ・コレクションA.T.さん。そんな彼を襲うことで、これまでの自分と明確に違うことをアピールする。
EVIL選手がミラノ・コレクションA.T.さんをターゲットに定めたのは、こういった意図があったように思う。
裏切っても諦めなかった者たちへ
思えば、内藤哲也選手へ“EVIL”をブチかまし、「バレットクラブ」加入を宣言した翌日の時点ではミラノ・コレクションA.T.さんはEVIL選手への思いを断ち切っていなかった。
いつものように鎌と魔法陣を手に取って黙祷する姿は、“闇の王”が更に深いところに堕ちたとしても、俺は応援し続けるという熱いハートを感じた。
「ニュージャパンカップ2020」のトーナメントが進んでいる時期に、反則行為が横行する中でも彼のことを支持する数少ない存在だったようにも思う。
ただし、そんな健気な想いは完全に踏みにじられた。お前らはもう必要ない、いらないんだとEVIL選手は切り捨てに走った。
そして、ミラノ・コレクションA.T.さんも黙っていなかった。
USEDアパレルSHOP「ミラノ屋」
— ミラノコレクションA.T. (@milano_c_at) 2020年7月14日
決別処分セール闇営業 鋭意準備中 pic.twitter.com/eHzzl2KvpK
本当に決別したのか?
僕が抱いている最大の疑問はミラノ・コレクションA.T.さんは完全に決別できたのか?という点だ。
まず、「バレットクラブ」にはミラノ・コレクションA.T.さんの寵愛を受けるもう1人の男チェーズ・オーエンズ選手がいる。
EVIL選手とチェーズ・オーエンズ選手が組んだ時、ミラノ・コレクションA.T.さんの心は確実にときめく。
いい時間だ。いい試合だ。最高だ、と。
そう考えると、僕はミラノ・コレクションA.T.さんがEVIL選手の「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」時代のTシャツを闇営業したのは、自分自身も過去と決別するためではないかと解釈できる。
EVIL選手が「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」を捨てたのであれば、俺も捨てよう。
どんなに泣いても彼のことを忘れられない。プロレスラーとしての才能に惚れ込んでしまった。
彼が悪の道(闇の王が明るい道を歩いている方が違和感すごいのだが...)に走るのであれば、影から応援する。
そんなメッセージにも受け取れたのだ。ミラノ・コレクションA.T.さんは「決別」としかツイートしていない。
主語が無ければピンとこない。まだ可能性はある気がしている。
あの日、EVIL選手の新しいパレハとして紹介されたディック東郷選手だが、この選手とミラノ・コレクションA.T.さんにも浅からぬ関係がある。
ミラノ・コレクションA.T.さんが現役を引退した2010年2月14日。第二試合のリングにディック東郷さんの姿があった。
「APPLO 55」との「IWGPジュニアヘビー級選手権試合」。ミラノ・コレクションA.T.さんが引退する直前に試合へ介入し、トラースキックを見舞ったのが外道&ディック東郷組だったのだ。
あれから10年。突然の再会は何を意味するのか。まさかみんなのミラノさんまでもが黒く染まるとは考えにくいが...。
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