オカダ・カズチカの狙いと高橋裕二郎の才能

オカダ・カズチカの狙いと高橋裕二郎の才能について書きたい。

本来であれば、DTTとプロレスリング・ノアが経営統合し、サイバーファイトが誕生することやオカダ・カズチカ選手が考えている「面白いこと」の予想を書くと思う。

また、いよいよ幕を明けた“元祖パレハ”同士のリベンジマッチ・内藤哲也選手VS“キング・オブ・ダークネス”EVIL選手についてのお話しもある。

更に掘り下げると、鷹木信悟選手がV3を達成した『NEVER無差別級』戦線の行方や永田裕志選手VS鈴木みのる選手、真壁刀義選手VSゲイブリエル・キッド選手、高橋ヒロム選手VS石森太二選手など、とにかく今の新日本プロレスは技のデパートならぬネタの宝庫である。

それでも今日はやっぱり高橋裕二郎選手について書きたい。

オカダ・カズチカ選手とのシングルマッチが終わって、一つの物語が終わったかと思いきや、単なる始まりだったのだ。

僕がプロレスを好きになってから約3年半が経った。NJPWFUNがスタートしてからそろそろ2周年を迎える(8月5日に大仁田劇場スペシャルを開催します)。

新日本プロレスを3年半追ってきたが、こんな展開は初めてなのだ。

(スペシャル)シングルマッチが終わっても抗争が続いている。そして、リマッチの機運が高まっている。

そりゃ歴史を遡ると“名勝負数え歌”と呼ばれるシングルマッチの連戦は確かにあった。※直近だと後藤洋央紀選手VS柴田勝頼選手。遡ると長州力選手VS藤波辰爾選手。

オカダ・カズチカ選手とSANADA選手のように一年でシングルマッチを4度戦うことだってある(トーナメント、リーグ戦、タイトルマッチ×2)。

これらの特徴としてほぼ同格。あるいは圧倒的なライバル関係という因縁が存在した。

オカダ・カズチカ選手と高橋裕二郎選手は「俺の位置まで引きずり下ろす」という言葉通り、明らかに格が違う。そして、ライバル関係でもない。

あるとすれば2004年にプロレスデビューした同期という関係のみである。

なぜ、オカダ・カズチカ選手は「面白いこと」を追求しつつ、高橋裕二郎選手との因縁を深めようとしているのか。

そして、“俺たち”はなぜこんなにも高橋裕二郎選手に心を奪われるのか。後楽園ホール2連戦が終わった今の気持ちを率直に書いていきたい。

 

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レインメーカーの視点と狙い

オカダ・カズチカ選手はいつしか“化け物を超えた存在”から“超人”になった。そして、さらに一つ上のレヴェルに到達した。

“ガイジンレスラー”を招集できない。会場を満員にすることも叶わない。そんな今の新日本プロレスを盛り上げるために何をすればいいのか。

「IWGPヘビー級王者」として、圧倒的な実績を残してきたV12チャンピオンは、いつしかベルトを超えた存在になった。

ベルトがあれば完全無欠のチャンピオンとしてチャレンジャーの前に立ちはだかる。ベルトが無ければ無冠の王者として、面白いことにチャレンジし続ける。

そんな2つの顔をいつしか使い分けることができるレスラーとなったのだ。

今回はチャレンジする側。挑戦するのは「IWGPヘビー級王座」ではなく、ベルト戦線とは異なる形で新日本プロレスを盛り上げることである。

実際、2020年7月28日の試合順を見ると新日本プロレスもオカダ・カズチカ選手に期待していることが分かる。

オカダ・カズチカ選手と高橋裕二郎選手の抗争がセミファイナルに位置づけられた。

これは、「IWGPタッグ王者」デンジャラス・テッカーズことタイチ選手&ザック・セイバーJr.選手よりもベルトのない無冠のオカダ・カズチカ選手に団体として期待しているということなのだ。

オカダ・カズチカ選手は菅林会長に話しを通したとんでもない企画で記者会見を行う手はずを整えている。

その一方でリングでもここ数年トップ戦線から遠ざかっているものの、一部ファンの心を掴んで離さなかった高橋裕二郎選手の株を上げ続けている。それも連日連夜のストップ高だ。

例えば今、高橋裕二郎選手の新しいTシャツが発売されれば確実にこれまでと売上枚数が異なるはず。

対戦相手の格を上げる。そんな誰もができないことをオカダ・カズチカ選手は成し遂げているのだ。

危機的状況の中でもファンを喜ばせる。新日本プロレスをもっと盛り上げるためには何が必要なのか。そこで選ばれたのが高橋裕二郎選手だったのかもしれない。

実際、“俺たち”は高橋裕二郎に首ったけだ。

 

引きずり下ろすために必要なこと

高橋裕二郎選手は「俺の位置まで引きずり下ろす」という言葉を使っていたが、そのニュアンスが大きく変わってきた。

改めてオカダ・カズチカ選手を引きずり下ろすために必要なことについて考えてみたい。

まず、反則や乱入で勝利しても全く引き下ろしたことにはならない。

そうなのだ。改めて考えたらこの前提があった。

オカダ・カズチカ選手の価値は何をやっても普通のことでは下がらない。

そんな相手を自分と同じ位置にするためには、自分が同じ目線になるしかない。

それが2020年7月26日の試合後に生まれたメッセージなのだ。

俺自身がここから這い上がり、お前を俺の下へと引きずり下ろす。

そのために必要なことは一つしかない。正々堂々、真っ向勝負でオカダ・カズチカ選手と戦い、勝利すること。

いや、本当はもう一つある。引き分けること。つまりは“不透明決着”の定番と呼ばれた両者リングアウト(両リン)だ。※天津飯、技を借りるぜ。

オカダ・カズチカ選手が引き分けた相手で思いつくレスラーといえば、棚橋弘至選手とケニー・オメガ選手しかいない。

そこに高橋裕二郎選手が加わったとしたら...。

俺の位置まで引きずり下ろす。20カウントが鳴り響いた時に高橋裕二郎選手が全力を尽くし動けなくなった状態でニヤッと笑ったとしたら...。

想像するだけでヤバいきがする。

 

悔しいって言える大人になりたい

今、新日本プロレスで最も感情移入ができるレスラーは高橋裕二郎選手で間違いない。

ベルト戦線に絡んでいる訳でもなく、特別なことが起こっている訳でもない。それにも関わらず、高橋裕二郎選手に熱視線が集まっている。

お姉ちゃん(直近ではピーターさんを中心に)と一緒に入場し、ヘラヘラしながらインサイドワークが光るバイプレイヤー。

こういった共通認識があったはず。ただ、インサイドワークの細かな上手さはたくさん試合を見ていなければ全然理解できない。特別派手なことをするわけでもないし、スピードが凄い訳でもない。

彼って何が凄いの?と言われると、確かに説明しにくい部分はあった。

ただ、オカダ・カズチカ選手との抗争を経て、高橋裕二郎選手の魅力が爆発している。

“バレットクラブ”へ加入後、いつしか生まれてしまっていた己の枠を取っ払った。16年間口にできなかった感情を表に出している。

思えば「CHAOS」を離脱した時もフラストレーションを炸裂させていた。自分の試合が組まれないことに対しての不平不満を訴え続けいた。

あれから6年の時が経ち、オカダ・カズチカ選手へのジェラシーが今の高橋裕二郎選手を動かしている。

そして、輝く彼から多くのことを学んでいる。

諦めないこと。悔しい時に悔しいって叫ぶこと(言葉ではなく心でも)だ。

自分以上の才能に出会う度、何かを諦めてきた。必死になる勇気もなくなってきた。今が自分の人生で1番若い時期なのに、もう無理でしょ?なんて自分自身を偽ってきた。

すぐに成果が出なくてもいいじゃない。下手くそだっていいじゃない。他人の目なんて気にしなくていいんだ。自分が今、思ったように生きる。それが一番大切で、自分自身を1番輝かせるのだと高橋裕二郎選手を見ていて気付いた。

だって、2020年7月の高橋裕二郎選手は僕が今まで見てきた中で、1番カッコいいのだから。

 

乱入屋から卒業するために

最後に。昨日のオカダ・カズチカ選手のバックステージコメントに触れておきたい。

全世界がオカダ・カズチカ選手がぶち上げている「面白いこと」に注目している中、目の前の相手についてしか言及しなかった。

それもシングルマッチは既に終わっているにも関わらず、だ。オカダ・カズチカ選手もリマッチを望んでいる。これは間違いない。

オカダ「いいんじゃないでしょうか。あんな裕二郎さん見たのは何年ぶりでしょうか。ただ、最後の試合終わってからの一発、まだBULLET CLUBの高橋裕二郎が残ってて安心したよ。まあ、それって上まで上がってくるのか、昔のような裕二郎さんで上まで登ってくるのか。ま、どっちでも良いけどさ。俺は正直、余裕だよ。俺にどんだけジェラシーがあったとしても変わらない実力というのがここにはあるから。もちろんあそこまで燃えて、やる気があるんであれば、別に俺、タイトルも何もないし、ガンガンやりあっても良いんじゃないですかね」 

出典:新日本プロレス公式

これから新日本プロレスは神宮大会に向かうまで後楽園ホールでの連戦が続く。このどこかのタイミングでリマッチが行われる可能性は十分にあると思っている。

ちなみに昨日、高橋裕二郎選手が「バレットクラブ」を離脱して、「CHAOS」に戻るのではないかという妄想の風呂敷を広げたが、彼が戻るため必ずやることがあると思いついた。

「乱入屋」として、オカダ・カズチカ選手のことを助けること。「俺の位置まで引きずり下ろす」のではなく、高橋裕二郎選手の目線が高くなった世界。「乱入屋」としてのキャリアを終わらせるためには、オカダ・カズチカ選手を救出するしかないのだ。

その時の相手は一体誰なのか。高橋裕二郎選手が新しい朝を迎える日は近い。これマジ!

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