棚橋弘至は今でも“神”だよって話

棚橋弘至は今でも“神”だよって話を書きたい。

“デンジャラスデッカーズ”+金丸義信選手との死闘を自らの手で制した棚橋弘至選手。2020年8月9日にはいよいよ「IWGPタッグ」へのリマッチの機運が高まるなど、完全復活へ秒読み段階に入った。

今日は、一夏に起こった棚橋弘至選手の不調と復活についたら書いていきたい。

まずはじめに。棚橋弘至選手はバックステージで「お前が神と呼んだ棚橋はもういないかもしれない」と飯伏幸太選手へ語った。

この時、飯伏幸太選手は妙に冷静な表情でポカンとしていたように僕の眼には映ったのだ。

これは僕の予想だが、「何を言ってるんだこの“神”は?」そんなことを考えていたような気がする。

棚橋弘至選手は強いから神なのではない。棚橋弘至だから神なのだ。

今日はそんな話を書いていきたい。

 

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神と呼ばれた2人

飯伏幸太選手が神と崇めたのは棚橋弘至選手と中邑真輔選手の2人である。

中邑真輔選手とは新日本プロレス退団前に2度シングルを戦い、東京スポーツのベストバウトも受賞している。

また、中邑真輔選手からはボマイェの使用を認められるなど、対角線に立ちつつも技を伝授するといういい距離感が生まれていた。

一方で棚橋弘至選手とは「G1クライマックス」の優勝決定戦で激突後、“ゴールデン☆エース”を結成。

100を超える合体技が構想されるなど、中邑真輔選手と比較すると明らかに距離感が近い。

タッグチームというのは上下の関係だけでは成立しない。

伝説のタッグチームとなった“テンコジ”だって、試合中は小島聡選手が天山広吉選手のことを「天山!!!」と呼び捨てにしている。※2人の年齢差が近いということはあるが

今回の棚橋弘至絶不調イベントは、前向きに捉えると神と神を超える男が並び立つために必要な時間だったように僕は思う。

言葉ではなく心が同じステージに立つ。心と心が本当の意味で通じ合う。

そのために必要だったのが棚橋弘至選手の変化がだったようにも思うのだ。

 

世界の中心で愛を叫ぶ

棚橋弘至選手は自分が主役であり世界の中心であると信じて疑わなかった。

そういった自己暗示をかけていなければ、決して常人では耐えられないプレッシャーや苦痛と戦い続けてきたのだろう。

また、そういった生き方が自分にとっての当たり前になることで「背中で語ることができる憧れの男」になることができた。

平成の新日本プロレスを変えた革命家として後世に語り継がれる存在。それが棚橋弘至選手だった。

ただ、令和に突入すると共にいよいよ“これまで”の棚橋弘至選手では生きられなくなってきた。

既に“レインメーカーショック”からも8年以上が経った。激闘に次ぐ激闘が棚橋弘至選手の肉体に待ったをかける。そして、肉体の限界はメンタルにも影響を及ぼしていく。

改めて考えると飯伏が8、俺は2。この言葉はヤングライオンや凱旋帰国当初の若手と組むのであれば成立しないこともないが、「G1クライマックス」や「ニュージャパンカップ」を制し、「IWGPインターコンチネンタル」、「NEVER無差別級」のベルトを戴冠した飯伏幸太選手に相応しいとは思えない。

言葉は悪いがかなり下に見ているとも言える。

辛辣なことを書いているようにも見えるが、自分の先輩と2人て仕事して?と指示された時にこの言葉を言われたらどうだろう。

更にその先輩は目立ちたがり屋。少ない稼働で成果と評価は根こそぎ持っていかれると考えれば「は?」となっても不思議ではいのだ。

飯伏幸太選手には、同じコーナーに立つ度にそういった棚橋弘至選手の気持ちが伝わっていたのだはないだろうか。

この人は結局、自分本位。シングルプレイヤーとしては申し分ないけど、タッグと考えれば自分が組み続ける相手なのか、と。

おそらく「鈴木軍」に行くことは悩んでいなかつたと思う。

ただし、棚橋弘至選手とのタッグ解消は本当に視野に入れていた可能性がある。

ただし、棚橋弘至選手は変わった。自分の不甲斐なさ、弱さを受け入れて、より強くなった。

今の棚橋弘至を受け入れた。

飯伏幸太選手に頼るのではなく、任せることができるようになった。

合体技に関してもそう。飯伏幸太選手の構想に乗っかるだけでなく自分からも提案するようになった。

“カミナゲ”。一度は見たい技だった。

そもそも、棚橋弘至選手はトップに立っているから神だったりエースだったりチャンピオンだったりするわけでは無い。

心が気高く、美しい。そして、自己犠牲を厭わず誰よりも新日本プロレスのことを考えるヒロイック性が神と呼ばれた所以なのだ。

棚橋弘至選手は今でもこれからも神なのである。

 

飯伏幸太は新世界の“神”になると断言する

最後にパートナーである飯伏幸太選手の話題で今回のコラムを締めたい。

現在、新日本プロレスは“ヘビー対ジュニア”の構図が目立ち始めている。

SANADA選手とSHO選手や小島聡選手とエル・デスペラード選手などの絡みはこれまでに全く想像できなかったものであり、新しい化学反応が次々と生まれている。

ウエイト的にはジュニアでもヘビー級として「ニュージャパンカップ」や「G1クライマックス」を制した飯伏幸太選手は完璧に現在の流れの先駆者だ。

高橋ヒロム選手やエル・デスペラード選手、金丸義信選手。更には田口隆祐選手、石森太二選手、SHO選手まで。この6人が飯伏幸太選手と激突する可能性は十分過ぎるほどにあるのだ。

新世代の神はウエイトという概念を突破する。

必ず「KOPW」で高橋ヒロム選手や棚橋弘至選手と激突する。

そして、前人未到のルールを持ち出し、新日本プロレスに飯伏幸太ありという歴史を作ると僕は思っている。

「お前が神になれよ!」「なりますよ!」2人の新しい歴史は令和2年の夏にはじまったばかりだ。

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