新日本プロレスファンが高木三四郎大社長とやり取りした話
新日本プロレスファンが高木三四郎大社長とやり取りした話を書きたい。
これは、つい先日Twitterで起こったエピソードである。
DDTプロレスリングとプロレスリング・ノアの二団体を統括する新会社「サイバーファイト」の代表取締役を務める男。それが高木三四郎大社長である。
以前も少し書いたことがあるが、高木三四郎大社長は大学時代からイベントプロデューサーとしてその才覚を発揮させていた過去を持つ。
そんな彼はプロレスラーという立場にこだわることなく、経営者としても手腕を発揮き、気付けば今の地位まで上り詰めていた。
そして現在、日本のプロレス興行会社としては2位にマークしている。
DDTプロレスリングとプロレスリング・ノア。全く景色の異なる興行をプロデュースする立場にある高木三四郎大社長と一介のプロレス好きである僕が初遭遇(Twitterで)したのは、暑い夏を乗り切るためにエアコンをガンガンにきかせて涼んでいる時だった。
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— 高木三四郎 SanshiroTakagi (@t346fire) 2020年8月17日
動画ストリーミングサービス「WRESTLE UNIVERSE(月額900円!お得!)」の新機能について説明する高木三四郎大社長に僕は「月1回更新でレスラー、スタッフによるレコメンドがあると嬉しいっす」と引用リツイートをしてみたのだ。
大手資本の参入について
SWS。プロレスファンの方であれば、この3文字を見た時に「メガネスーパー」だと瞬間的に気付くはずである。
潤沢な資金を用意してのプロレス界参入。全日本プロレスのトップレスラーだった天龍源一郎さんが移籍したエピソードは“金権プロレス”と揶揄され歴史として刻み込まれている。
当時、週刊プロレスはSWS(メガネスーパー)の参入に関して遺憾の意を示し、徹底抗戦という姿勢を貫いていた。
クラスマガジンとなる以前。ジャーナリズムの権化のような雑誌は真実に主観を織り交ぜた内容でSWSを徹底攻撃する。結果、わずか2年という期間でSWSは解散。メガネスーパーがプロレス界から撤退した。
プロレスは金じゃないんだ!そう言わんばかりの革命。ただ、その歴史が後を引き、プロレス界は衰退の一途を辿っていた。これが1990年の出来事なのだ。
これは業界全体で考えると本当にキツイ。そりゃそうだろう。投資フェーズだと考えて、団体を強くすべく有名レスラーを招集したらメディアには叩かれ、ファンからもそっぽを向かれるのだから。
ここから22年後。ブシロードが新日本プロレスを買収し、“ブシロード戦略”で一気にファンを拡大。完全なるV字回復を果たした。
そして、サイバーエージェントがDDTプロレスリングに続き、プロレスリング・ノアを買収。新会社としてサイバーファイトを2020年に設立する。
ここで「金権プロレスだ!」と誰も騒がなかったのは、時代の変化でありプロレスファンの変化があったのだろうと思う。
黒のカリスマを招集する
まずは、プロレスリング・ノアから。お気づきの方も多いと思うが、プロレスリング・ノアのスマホページは新日本プロレスの公式スマホサイトと非常に似ている。
スライダーの下にメニューボタンをわかり易すぎるほどに配置するUIデザイン。コアユーザーや獲得したい層がなんとなく見えてくる作りである。
これは僕の推測だが、プロレスリング・ノアは新日本プロレスのファンを獲得しようとしていると見て間違いない。
特に「New Japan」となった新日本プロレスの変化についていけない層。オールドファンと呼ばれるオタク層だ。
プロレスリング・ノアはサイバーエージェントグループのグループメリットを活かし、ABEMAでビッグマッチをバンバン無料配信している。
配信料も入れば宣伝もできる。一石二鳥で最強の展開だ。
ただし、一つだけ僕は足りないピースがあると思う。ここまで書いてこなかったが、解説席について僕は成長・発展させる余地があると思う。
※これはあくまでも僕の主観なので、反対意見も十二分にあるはずだ
新日本プロレスの試合がなぜ配信ですごく面白いかと言うと、元プロレスラーが解説席に座っている点が大きいのだと先日のGHCダブル選手権試合で気付かされた。
解いて説く。言葉に学びがあるから、じっくりとした展開でも引き込まれるのである。
ミラノ・コレクションA.T.さんや山崎一夫さん。そして、獣神サンダー・ライガーさん。
彼らの言葉が試合の深さを引き立てていく。実況の叫びが広がりを作るのであれば、解説の言葉は深度を作っていく。この二重奏でプロレスの中継は盛り上がるのだと理解できた。
先日のプロレスリング・ノアは広がりはあっても、深さが生まれなかった。敢えて言えば、潮崎豪選手と拳王選手の試合が深さをカバーしたとも言える。
それほどまでに壮絶な試合で見るものを引きつける試合だった。どちらのベルトの価値も上がったし、プロレス大賞でベストバウトを獲得する可能性があるほどの試合だったように思う。
もしもあの解説席に蝶野正洋さんが座っていたら...。メインイベントだけでなく、武藤敬司選手と清宮海斗選手の試合についてどんな言葉を残し、どんな深みをファンに提供しただろうか。僕はあの試合を見ていてそんなことが頭をよぎっていた。
盤石のDDT
本業が忙しい時でも新日本プロレスの試合は必ずチェックする。そんな僕に新しいルーチンが生まれのは半年前くらいのことだろうか。
リアルタイムではないにせよDDTプロレスリングの試合を必ず見るようになったのだ。
文化系プロレスと呼ばれる世界観は疲れた心を癒やし、明日への活力を与えてくれる。平田一喜選手のダンスを見るだけで元気が出てくるのである(カズキルーペが欲しい)。
プロレスリング・ノアが新日本プロレスのファンを奪う戦略を取る一方で、DDTプロレスリングは独自路線をベースにクオリティを高めていく戦略なのが明確に伝わってくる。
秋山準選手を選手兼コーチとして招集したのも、幅の広さに奥深さを生むというメッセージだ。
新日本プロレスとは別の池からファンを引っ張ってくる。プロレスリング・ノアとは全くバッティングしない方針でDDTプロレスリングは盤石の城を築いているのだ。
敢えて要望を出すのであれば、レスラーとスタッフによるラジオ番組が欲しい。DDTプロレスリングの活動情報や試合の裏話・小話などが展開されるようなコーナーがあれば最高である。
「DISASTER BOXのラジオ」であれば、丸藤正道選手を招集しやすいので、プロレスリング・ノアとのシナジーもバッチリ出る。月1更新でいかがだろうか。
ブーム、トレンドの先にある定着を目指して
ここまで高木三四郎大社長が経営を任されている2団体について書いてきた。ハッキリと言えば多忙である。
勘違いされがちだが、代表取締役は身体が多忙という点もあるが実際は心が多忙なのだ。常に何かに追われている。
特にヒトとモノ(サービス)、カネが頭から離れることはない。
そんな中で、僕のツイートに反応いただいたのである。どんな状況だったのかは知る余地もないが、ファンのメッセージに対してアクションを取ったのだ。
確かにそうですね。ここも今、止まっちゃってるので有効活用できないかも含めて検討させて頂きます!
— 高木三四郎 SanshiroTakagi (@t346fire) 2020年8月17日
いいアイデアであれば、外部からでも検討材料に入れる。そんな柔軟さを秘めた経営センスを感じた瞬間だった。
新日本プロレス一強の時代が終わり、サイバーファイト率いる連合軍が一気に勢力を拡大しに来ている。
ここから待っているのはV字回復ではない。プロレスブームの到来である。そして、トレンドを通り越して、多くの人々に定着する。そんな日がいよいよ近づいているのかもしれない。
最後に。
今週金曜日に電流爆破の威力を確かめる配信が行われる。過去、スイカを爆発させたことでも有名な実験が令和に蘇ろうとしているのか。
色々な意味で見逃せない大仁田厚選手の引退をかけた戦いにも注目していこうと思う。
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