オカダ・カズチカとNumberの一件。メディアと個人ブログの違いについて考えてみた

オカダ・カズチカとNumber。ブランドと距離感の話について書きたいと思う。

2020年8月21日。僕が外での打ち合わせを終えて、自宅に戻っているとオカダ・カズチカ選手のツイートが目に飛び込んできた。

何やら激昂している?一体何が起こったのだろうか。

まず、オカダ・カズチカ選手はTwitterをそこまで使い込んでいない。

リツイートや告知がメイン。稀に試合後のツイートがあるくらいで、“SNS前哨戦”をするタイプでも日々、自分の胸中を吐露する訳でもない。

“レインメーカー”とSNSの付き合い方には一定の距離を保つスタンスが感じていた。

ただし、本件では己の感情をハッキリと出してきた。

ツイートの本文から解釈するに、メディアのコラムニストが個人の主観を押し通す内容を発信したことについてオカダ・カズチカ選手は激昂したのだと思う。

実際に記事へ目を通してみたが、やはり信頼と実績のあるメディアが出す内容では無かった。

クラスマガジンであれとは思わないが、ちょっと違和感のある表現が多かった。僕は断言していたこと以上に「ニヤニヤしている」というくだりが好きになれなかった。

 

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人はやっぱり学べないのか

コラムの書き手である原悦生さんはハッキリ言って大御所である。経歴や過去のコラムをチェックしてみると、本当に長年プロレスと向き合って仕事をしてきた方だということがすぐに分かる。

オカダ・カズチカ選手とアントニオ猪木さんが表紙を飾ったNumberの特写を担当したのも原悦生さんだ。

Twitterで彼に対して配慮の掛ける言葉が散見していたが、流石にそれはやりすぎだと僕は思っている。

本件に対して怒っているのは、オカダ・カズチカ選手でありアナタ(変なこと書いている人)は関係ないはず。

確かに、オカダ・カズチカ選手を怒らせたのは事実。オカダ・カズチカ選手は取材拒否(昔、新日本プロレスは週刊プロレスを二度取材拒否したことがあった)ではなく、取材をして欲しいと語っているのだ。

感情的に個人の仕事を否定するのは簡単だが、それってこの数カ月間で起こったことから何も学べていないのではないかと思う。

罪を憎んで人を憎まず。本件に関して肩を落とすのはしょうがないが、個人名を出して変な物言いをするのは流石にやりすぎではないだろうか。

僕はシンプルに「やっちゃったなぁ。裏で謝罪後に、取材した記事が出るなこれ」としか思わなかった。

オカダ・カズチカ選手も必要以上にバイネームが傷つかないよう、「記者」という言葉を使って配慮したのだと僕は思う。だって、知らない人なわけがないのだから。

散々ディスってる人たちにお伝えしておくと、原悦生さんはこんな素晴らしい写真を撮っている方だ。

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だからこそ、何でこんなものを載せたのか?と思ってしまうほどに謎な一件だった。

 

メディアと個人ブログの境界線

ここ数年。プロレスに関してのブログやポッドキャスト、YouTube動画がかなり増えた。

自分の意見を手軽に発信できる時代。自分の好きなことを好きなように表現できる時代だからこそ、今後も増加の一途を辿るだろう。

企画、構成、文章の上手い下手。裏どり、ファクトチェック。誤字脱字のチェック。メディアとしての立ち位置。クライアントとの関係性。

メディア運営の現場で働くのは決して楽なものではない。個人ブログは何と楽なんだといつも思う。

仕事ではないので文字チェックする時間がないことを味だと堂々と言えるし、個人の解釈なので変な否定や絡み方をされたら即ミュートにしてしまえばいい。

そんな楽な環境で書いてるのだからこそ、最低限のマナーは守らなければと改めて襟を正す気持ちになった。

知っている方も多いと思うが、僕の本業はフリーの宣伝マンであり、編集者。歴史と伝統あるメディアで執筆活動も続けている。

 

そんな生き方をしているから改めて思うことだが、個人ブログやPodcast、YouTube動画とメディアは全く異なるものだ。

対象との距離感が違う。影響力が違う。対象からの捉えられ方が違う。

情報を発信しているという意味では同じでも、住む世界が全く別物なのだ。

多分、オカダ・カズチカ選手は僕がここで何を書いても、書き続けても「ハイハイ。好きにして下さい」で終了するはずだ。

※過去、レスラーの方からリアクションをいただいたこともあるがこれは、ファンレターを受け取ったに近い感覚なのだと思う。そんなに俺(私)のことを考えてくれてありがとう。そんなニュアンスだ。

ただし、メディアは違う。こうした内容を許してしまうと、何かが狂っていく可能性がある。その点を危惧し、後藤洋央紀選手やエル・デスペラード選手も声を挙げたのかもしれない。

アイドルマスター シンデレラガールズ(アイマス)の新発表があった日にオカダPという言葉を残すセンス。やはり“ならず者ルチャドール”はレヴェルが違う。

 

NOWVOICEで想いを語る

最後に。『NOWVOICE』について。「NOWVOICE」は有料サービスであり、耳にするユーザーが限定される。敢えてこのプラットフォームを使ったことからも、オカダ・カズチカ選手の配慮が感じられる。

オカダ・カズチカ選手の肉声を聴かずして本件に触れるのも違うだろう。そう思い会員登録してみた。

voice.nowdo.net

尺は2分とちょっと。声を聴いた瞬間に違和感があった。いや、こんな感情的なオカダ・カズチカ選手の声を耳にしたのは初めてかも知れない。

完全に苛ついている。

内容については有料サービスなので触れないが、2週間のトライアル期間があるので必ず聴いて欲しい。

僕も聴く前と聴いた後で本件に対する感じ方がかなり変わった。

改めて発信するということの難しさと対象への配慮を忘れてはならないと思わされる一件だった。

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