KENTAが「IWGPUSヘビー」挑戦へ!海外戦略の担い手となるか!?
KENTAが「IWGPUSヘビー」挑戦へ!海外戦略の担い手となるか!?
2020 年8月22日に配信された「NJPW STRONG 2020年8月22日 エピソード3 LEC Presents NEW JAPAN CUP 2020 in the USA 決勝」。
メインイベントの勝者はジョン・モクスリー選手が持つ「IWGP USヘビー級王座」への挑戦権利を得る。
越境が難しい状況の中、アメリカの地て繰り広げられるもう一つの戦いはこれまでとは一味も二味も違った物語を紡いでいた。
日本がヘビーVSジュニア。そして、まさかの裏切りなどサプライズ盛り沢山の展開か続いたのに対し、アメリカではこれまでに見たことが無い“ガイジンレスラー”同士のぶつかり合いが続いた。
結論から言えば、2020年に開催された2つの「NEW JAPAN CUP(ニュージャパンカップ)」は日本人の“バレットクラブ”メンバーが優勝する結果となった。
“キング・オブ・ダークネス”EVIL選手とKENTA選手。
2人が春を制したということは、現在新日本プロレスの勢力図は彼らに牛耳られているということになる。
さて、今日の本題へ。まずは初開催となった「ニュージャパンカップ2020 in the USA」を制したKENTA選手について。
続いてが改めてになるが『NJPW STRONG」の魅力について。最後に今後の展開について。
いよいよ本格的にスタートした新日本プロレスの海外戦略について考えてみたい。
NEW JAPAN CUP USA 2020
— KENTA aka Lil’K (@KENTAG2S) 2020年8月23日
優勝したぞ。
何回でも言おう。
「今年は俺の年」。 pic.twitter.com/CfQ8HuQUvu
俺の年だってこと!
「髪伸びたなー」
おそらく今回のシリーズを見たファンの多くが今のKENTA選手を見てそう思ったに違いない。
ただし、ビジュアルの変化は首から上だけでない。身体付きが2019年の夏から2020年の二冠戦と比較して明らかに変化していた。
左肩(腕)をケアするサポーターは相変わらずだが、上半身全体の筋肉が隆起し、絞られている。
また、破壊力と迫力を併せ持つキックを繰り出すための太腿の太さはそのまま。
動きにも以前以上にキレがあり、相手を術中に嵌めるファイトスタイルが更に際立った印象を受けた。
解説席に座った柴田勝頼選手が「決勝までは残ると思った」と語ったように、僕もKENTA選手の決勝進出、優勝はある意味下馬評通りという印象を受けた。
実力と言葉。2つの強さ
KENTA選手はカール・フレドリックス選手と一回戦で激突した。
入場後。正直、一瞬だけ番狂わせの可能性が頭をよぎる。明らかにカール・フレドリックス選手の肉体がKENTA選手を凌駕しているように見えたためだ。
実際、サイズや身体の厚みだけを見ると、KENTA選手の方が一回り小さい印象を受ける。
ただし、プロレスというジャンルにおいて身体の大きさだけが実力ではないのだと開始数分後には気付かされる結果となった。
試合が進むに連れ、カール・フレドリックス選手のスタミナが切れ始める。一方でKENTA選手は息ひとつ切らしていない。
そして、完全にカール・フレドリックス選手を手玉に取った頃には、2人が対峙した瞬間に感じたサイズの差が逆転したかのような錯覚を受ける。
プロレスラーとしての“サイズ”の大きさ。これまで多くの経験を積んできたKENTA選手にはそれだけの実力がある。
ジェフ・コブ選手との試合もそう。ロックアップの際、わざと簡単に吹き飛ばされている印象すら受けた。
棚橋弘至選手が「冷静なのが怖い」と語っていたが、実力者のジェフ・コブ選手をほぼ完封したことからも完全に仕上がってきている。
そして、デビット・フィンレー選手を破った後の英語マイクも印象的だった。
日本と英語を使い分けてのアピール。
英語はこれからのストーリーを予感させるもの。日本語は日本のファンへ向けたKENTA選手らしいメッセージ。
新日本プロレスの海外戦略を担うのはKENTA選手しかいない。そう感じさせるほどのパフォーマンスを見せ付ける結果となった。
柴田勝頼と棚橋弘至
新日本プロレスのアメリカ大会が持つ大きな魅力として、柴田勝頼選手と棚橋弘至選手の軽快なトークが聞けるという点かある。
この2人の掛け合いが聞けるのは当たり前のようで決して当たり前ではない。
「プロレスが楽しくなってきた(面白かなってきた)?どの口が言ったんだよ!」
と、ブチ切れるほど犬猿な時代を経て、今はとても穏やかないい空気が流れている。
2018年の「G1クライマックス」で飯伏幸太選手のセコンドとしてケニー・オメガ選手が登場し、会場全体が“ゴールデン☆ラヴァーズ”を応援する空気に包まれる中、たった1人の男が姿を現すと雰囲気が一変した。
赤いタオルを首にかけた柴田勝頼選手が棚橋弘至選手のセコンドとしてこの試合に参加したのである。
爆発的な人気を誇る“ゴールデン☆ラヴァーズ”が一瞬で外敵のような存在になったのは正直驚いた。
僕自身、飯伏幸太選手の優勝を願っていたが、柴田勝頼選手が全ての空気を変えてしまったのだ。
“ザ・レスラー”はそれほどのパワーを持っているのである。
そんな柴田勝頼選手の解説は半端じゃなく辛口。そして何よりも的確だ。
棚橋弘至選手も普段とは違ったプロレスラーのコスチュームや技、戦いの進め方にスコープを当てて解説している。
この2人の解説を聴きながら試合を観ているとシンプルに楽しいし、勉強になる。
コアなファン向けを想定した解説席だと思うが、これからも継続して欲しい。
挑戦権権利証システム発動
優勝したKENTA選手を強襲したのは準決勝でぶつかったジェフ・コブ選手だった。
おそらく大半の方が「負けたやん!」と思ったと想像するが僕もその1人だ。
ただ、同じ負けでもレフリーのブラインドを突いた金的攻撃が勝敗を分けただけに、そりゃ納得できないよなぁ」とは思った。
ブリーフケースを持ったKENTA選手はここから権利証の防衛に入る。
立ち塞がる強敵を倒し終わった先に「IWGP USヘビー級王座」ジョン・モクスリー選手が待っている。
元WWEの2人が相対するのか。それとも何者かが挑戦権利証を奪取するのか。
今後のアメリカ大会からも目を離すことができない。
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