SHO選手のお兄様の話を聴いて
SHO選手のお兄様の話を聴いている。
人生とは本当に何が起こるか分からない。何の準備も、心構えもできないまま大切な人が目の前から居なくなってしまう。
新日本プロレス“ロッポンギ3K”SHO選手のお兄様が事故で亡くなられたことが『SHOのしびれない話』でSHO選手の口から打ち明けられた。
同番組内でお兄様の話は度々出ていた。僕は兄弟がいないので、気持ちが理解できないのが歯痒い。
SHO選手が今もなお自分自身と向き合い、今回の一件を受け入れようとしている声をイヤホン越しに受け止めると本当に言葉にならない思いだった。
また帰ってくるけん待っとってや!
— SHO Roppongi3k (@njpwShowT) 2020年8月13日
僕が中学1年生の頃
この話をするのも書くのもいつ振りなのか分からない。
中学1年生の時。クラスメイトが夏休みに事故で亡くなった。
クラスであんまり目立つ方じゃなかった僕と、人気者の彼がいつも一緒にいたのは何でだったのだろう。
大切な友だちだった。事故の数日前くらいにも今度どこどこに遊びに行こうって電話もしていた。
クラスの連絡網で彼のことが伝えられたことはよく覚えている。
逆に言えば、中学1年生の記憶はこれ以外にほぼない。言われれば思い出すとは思うが、本当にこの記憶だけが刻み込まれている。
あれから、僕は臆病になった。
外に出ると何が起こるか分からない。危険が付き纏う場所に行くくらいなら、少しでも安全な状況に身を置きたい。そう思うようになった。
実際20年以上そうやって過ごしている。
番組内で立ち直り方を教えて欲しいと語っていたので、僕の経験からの話をすると時間が解決してくれるとしか言えない。
ゆっくり、ゆっくり。焦らずに自分の気持ちと向き合う。
普段、全然しないことをしてみるのもオススメだ。何か発見があるというよりも、日常の中で大切にしていることが見えてくることもあるためだ。
SHO選手の心の傷は誰にも分からない。彼にしか分からない。だから僕は筆を取った。
今日、SHO選手は大切な試合を控えている。
打倒!SANADA
「次こそ打倒SANADAだね」
特に用事が無くても連絡を取り合う。そんな仲のいい兄弟のコミュニケーション。
これが最後になるだなんて誰も思わない。だって、これまではそうだったのだから。
ただし、現在は残酷で時間は平等に流れてしまう。
今日、新日本プロレスは後楽園ホールで大会を行う。プロレスラーであるSHO選手はリングで試合をする。これが彼の仕事であり、生き方なのだ。
第5試合 時間無制限1本勝負 「KOPW 2020」1回戦 サブミッションマッチ
SHO選手VSSANADA選手。「ニュージャパンカップ2020」で敗れた一戦のリベンジマッチだ。
今日、リングに立つあなたを心からから尊敬する
SHO選手は自分でもヘタレだと語っていたが、僕は決してそうは思わない。
大好きだったお兄様の話を自分の番組で話す。これって本当に勇気のいることだ。思考がマイナスっていることを自覚しているし、周囲に対する感謝の気持ちだって忘れていない。
これまでレスリングやプロレスを通じて培ってきた強さがある。優しいお兄様から受け取った心の美しさがある。
今日、SHO選手はSANADA選手と試合をする。
食事をしてもトレーニングをしてもお兄様のことが頭から離れないと語っていたが、唯一していないのがプロレスの試合なのだ。
SANADA選手であれば、きっと今の気持ちを受け止めてくれるはずだ。
今日の相手がSANADA選手以外であれば、「まだ休んで欲しい」と考えた。ゆっくりゆっくり自分の心のバランスを取り戻していけばいいのではないか、と。
ただ、お兄様からの最後のメッセージがSANADA選手との試合に向けたものだっただけに、この試合から背を向けるわけにはいかないのだ。
思いっきりぶつかって。思いっきり練習の成果をぶつける。今の気持ちをぶつける。それが今のSHO選手にとって大切なことなのだと思う。
今日、SHO選手の入場時に、SHO選手の大切なお兄様のことを考えて黙祷したいと思う。
「優しい兄がいたことを知ってほしい」と語っていた彼の気持ちに誰が見ているわけでもないが、少しでも応えたい。
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