新日本プロレスファンに伝えたい『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』
新日本プロレスファンに伝えたい『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』。
今日は久しぶりに映画の話をしましょうか。2020年9月18日に封切られた映画『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』に足を運んできました。
元々、Netflixで配信されていたシリーズの時点で『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』は、役者たちによる繊細な芝居と美しい映像、脚本、演出が高いクオリティで混ざり合い、1話1話が劇場版なような雰囲気をまとっていたアニメ作品です。
これは僕の解釈だが、本作には2つのテーマがあると思っています。
一つは「愛」について理解を深めていくこと。次に人と人はつながり合い、変化しながら前に進んでいくということです。
「愛」の形は一つじゃない。
パートナーに捧げる愛。兄弟愛。親から子どもへの愛。親友への愛...。
様々な「愛」を知ることで、愛とは何か。愛されるとは何か。愛するとは何かについてヴァイオレットは学んでいきます。
本作をプロレスファンの方に伝えたいなと思ったのは、主人公であるヴァイオレット・エヴァーガーデンの人生を通じて「それぞれの登場人物の人生(生き方)」を知る物語性にあります。
自分へ「愛している」をくれた大切な人に再び会いたい。
今日は『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の魅力についてお伝えしていきたいと思います。また、途中からは先日の『G1クライマックス30』で好勝負となった棚橋弘至選手と内藤哲也選手についても触れてみます。
エモーショナルでノスタルジー
先に。もしも、このコラムを読んだ結果『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』に興味を持ったとしても、すぐに映画館の予約をしてはいけません。
必ずテレビアニメシリーズを見てから劇場に足を運んで欲しいのです。正直、見なくとも素敵な作品であることに違いはないのですが、コース料理のメインディッシュとデザートだけを食べているような感覚になってしまいます。
※TVシリーズ自体でもコース料理ではあったのですが、今回の劇場版が誕生したことにより、ここまでを体験してはじめて完成という作品になりました。
その理由は、本作が演出でノスタルジーを使っている点にあります。
前述した通り、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』は主人公であるヴァイオレット・エヴァーガーデンが人々と触れ合うことで「愛」を理解していく物語です。
YouTube的な間をとことん詰めて、ダイジェスト的に名シーンをつなぎ合わせたような演出ではなく、じっくりじっくり美しく描写を描いていく。
そんなエモーショナルな物語を体験した後で、今回の『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』を見ることであの時の感動が今回は想い出として蘇ってきます。
エモーショナルの積み重ねをノスタルジーに転換させてくる。これってプロレスと同じだと思いませんか?
棚橋弘至と内藤哲也
先日開催された『G1クライマックス30』で最も心に残った試合はなんですか?と訊かれれば、僕は棚橋弘至選手VS内藤哲也選手の試合だと答えます。
二人には二人だけの歴史があります。「棚橋程度にならなくてよかった」と言いつつも、最終的には参ったをしたあの日から約3年。
今や内藤哲也選手は「IWGPヘビー級&インターコンチネンタル」のダブルチャンピオンです。棚橋弘至選手は2019年のイッテンヨンで「G1覇者は東京ドームで勝てない」というジンクスを壊して以降、シングル戦線だけで見れば低迷を続けてきました。
正直、2017年のイッテンヨンでも大阪城ホールでも内容では内藤哲也選手が勝っている印象です。東京ドームで敗れた棚橋弘至選手へ内藤哲也選手が介錯の意味を込めた一礼をしたのも頷けるというものでした。
ただ、2020年の「G1クライマックス」では棚橋弘至選手が徹底的にコンディションを整えて初戦に臨んだことであの日の差が詰まっていました。誤解を恐れずに僕の所感を言えば内容では棚橋弘至選手が勝っていたと思います。
特に印象的だったシーンは二人が同じタイミングで笑みを溢したシーンです。
二人にしかできない。二人にしか作れない。二人だけの世界に帰ってきたそんな印象がありました。
制御不能なカリスマの完全体として新日本プロレスを蹂躙していた頃の内藤哲也選手ではこうしたシーンは絶対に生まれませんでした。
愛を知るために
徹底的にカリスマを演じていた時期。この時期の内藤哲也選手の支持率は今と比較すると比べ物になりません。内藤哲也選手の対角線に立てば棚橋弘至選手にですらブーイングが飛ぶ。石井智宏選手は帰れ!と言われる。そんな時代です。
あれから時間が過ぎてゆっくりゆっくりと内藤哲也選手も変わってきました。
当時であれば、徹底的に見下していた棚橋弘至選手と撃ち合いながら笑みをこぼす。これって、素の内藤哲也選手に戻ったということなんですよね。
2017年の夏直前。内藤哲也選手は棚橋弘至選手に敗れています。ひょっとするとここが分岐点だったのかもしれません。
制御不能なカリスマが改めて愛を知った。だからこそ、ダークヒーローの内藤哲也ではなく、黒いベビーフェイスの内藤哲也が誕生したのだと僕はそう思っています。二人の対決はまだまだ続くことでしょう。棚橋弘至選手が内藤哲也選手の持つ『IWGPヘビー級』ベルトに挑戦した先まで。まだまだずっと続いていくのです。
つながり、つないでいく
最後に。『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』は繊細に愛を描いた作品です。
自分のことよりも優先できる存在。その気持ちが愛だと僕は介錯しています。愛と誠で岩清水弘が「きみのためなら死ねる」と名言を残していましたが、まさにこのことだなと。
愛の物語を見た結果、自分も愛について考える。夢のない時代だからこそ、僕たちは夢を見なければいけません。
愛のない時代だからこそ、僕たちは愛について考えなければいけないのです。
そんな温かくて健気な気持ちがつながり、つないでいった先に今よりも少しだけいい世界が待っているのかも知れません。
僕がネタバレを極端に避ける性分なので、どんな映画なのか全く伝わらなかったことだと思います。もしも、少しでも興味が出た方は公式ホームページを見てみて下さい。
結局、僕が何が書きたかったというと、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の映画がよすぎたので、皆見てよってこと。
→【ランキング参加中】人気プロレスブログはここからチェック!【クリックで応援お願いします】