DDTの“まっする3”が凄すぎたので溢れ出す感情を伝えたい

DDTの“まっする3”が凄すぎたので溢れ出す感情を伝えたい。

2020年9月21日に配信されたDDTプロレスリングの「まっする3~必殺技大乱発~大公開通し稽古」。

僕は今回ははじめて“まっする(読み方:ひらがなまっする)” を見たのだが、なんと形容していいのか分からないが、とにかくエンターテイメントがそこに広がっていた。

ベースにあるのはミュージカルとプロレス。舞台のようにストーリーがあって、レスラー(スタッフ)の掛け合いにより物語が進行していく。

そのラストシーンがとんでもなかった。“まっする3”で主役を演じた平田一喜選手が凄すぎたのだ。

どこまで書いていいものやらと思いつつ、当日のTwitterを遡る。公式が割と情報を出していたのである程度は執筆してしまっても大丈夫だろう。

ということで、今日は2020年9月21日に配信された「DDTプロレスリング」の「まっする3」についてお伝えしておきたい。

僕が以前から推している平田一喜選手が主役(スーパー・ササダンゴ・マシン役を平田一喜選手が演じている。まさにお前...平田だろ!という展開である)。一体どんなスペシャルシングルマッチなのかと思っていたら本当に度肝を抜かれた。

一言で言うと、プロレスの面白さや醍醐味、魅力が凝縮された最高の試合が配信の最後の最後に待っていたのだ。

まずはこちらの動画からチェックいただこう。

 

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ポップスターの感情

何やら熱く語っているこの漢の名は平田一喜選手という。

普段はDDTプロレスリングの“第二試合”を完璧に務め上げ、“DDTはこうやって楽しむものだ”という試合(ダンス)を行なっている。

どんな時でも笑顔でプロの仕事を全うする平田一喜選手。その心の奥底にあった本音が爆発した時、令和の日本プロレス界において最大のカタルシスが訪れたのだ。

敢えて言おう。この試合(ミュージカル)だけはプロレスファンであれば絶対に見たほうがいい。絶対に、だ。

それほどの魅力が平田一喜選手とHARASHIMA選手の試合にはあった。

 

人の心を動かすもの

プロレスの魅力とは何か。これだけ沢山のエンターテイメントが溢れている中で、プロレスが心を惹きつける理由は何なのか。

その答えを改めて「まっする3」で感じたような気がする。サイバーファイトの高木三四郎大社長は当日こんなツイートを残していた。

生の感情。

中邑真輔選手は以前、心を開放して、感覚を開きまくる。そのまま書くと“ふるちん”になる。そうなることを自分の心のどこかでずっと求めてたと語っていた。

人間が社会生活を営んでいく中で、生の感情をぶつけることができる機会はそう多くない。まっすぐに生きているつもりでも、空気を読んだり、相手の顔色を伺ったり、自分のキャラクターを意識している。

見えない檻が常に僕たちの身体の近くにある。

見えないのだから、壊し方や破り方が分かるはずもない。

仮に単純に心を開放して本音を語り尽くしても、相手に響かなければ単なる自己満足だ。

そんな自分勝手な人間を誰かが相手にしてくれる訳がない。

僕が平田一喜選手の「まっする3」を見た時に思ったのは、“正しく”見えない檻をぶち壊すことで人はこんなにも美しく気高く輝くのかということだった。

 

プロレスの本質

見えない檻を壊し、本当の自分を曝け出す。

溜まりに溜まった何かが火山のように噴火した平田一喜選手はエモーショナルという言葉では足りないほどの爆発力を発揮していた。

端的にに言うと、久しぶりにプロレスを見て泣いた。試合中にずっと涙が止まらなかった。

平田一喜選手は技ではなく己の感情をHARASHIMA選手へぶつけ続ける。

HARASHIMA選手は全てを受け止めて容赦の無い打撃で返す。

何度も、何度も、何度も胸を蹴り続けた。

平田一喜選手はHARASHIMA選手から何かを受け取っているかのように受け続けた。

リングを囲む仲間たちから「平田さん!」と魂のエールが飛び交い続ける。

無観客試合を経て、今ではプロレスを生で見ることができるようになった。ただ、声を出して応援することはまだできない。

そんな中で、セコンドからの檄は究極的に試合を盛り上げるパワーになるのだ。

あの日のリングには感情しかなかった。洗練された技やあっと驚くような豪快な技なんてほぼ出ていない。

ただ、そんな基本的な攻撃の一つひとつに生の感情が乗るとこんなに心が動く攻防になるかと驚かされた。

2020年。多くの試合を見てきたが、正直僕のベストバウトはこの試合だ。

本音を曝け出して、生の感情を全部見せて。プロレスラーとしてこれからの10年を生きるために何かを掴もうとした平田一喜選手。

そんな彼の決して表舞台では出してこなかった葛藤を知りつつ、高すぎる壁として厳しい攻撃を続けたHARASHIMA選手。

どんな言葉にも変え難い。プロレスだからこそ生み出せる感動があの試合には詰まっていた。

最後に。冒頭に貼ったTwitterの動画はチェックいただけただろうか。

平田一喜選手はHARASHIMA選手に戦って下さいではなく、気持ちをぶつけさせてくださいと語っていた。

己の中にある、自分にしかない溢れ出る気持ちをリングで表現できる。これこそが、プロレスラーの資質なのではないだろうか。

DDTプロレスリングから新日本プロレスへと戦場を移し、今では日本を代表するトップレスラーの飯伏幸太選手は以前のインタビューでプロレスで運動神経はさほど重要ではないと語っていた。

本当に素晴らしいレスラー。プロレスが人を惹きつけて止まない理由。その全てがこの一戦にあったと僕は思う。

まっする3~必殺技大乱発~大公開通し稽古の見逃し配信はこちら

こちらのnoteも素晴らしかったのでぜひチェックを

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