YOSHI-HASHIが新日本プロレスの主役になる日

YOSHI-HASHIが新日本プロレスの主役になる日は近い。「G1クライマックス」の公式戦が進むたびにそんな気持ちにさせられてしまう。

先日の棚橋弘至選手とYOSHI-HASHI選手の試合を見て、確信した。YOSHI-HASHI選手がいよいよ本当に覚醒した、と。

素人の意見で恐縮だが、最近のYOSHI-HASHI選手は明らかに違う。

第一段階は新日本プロレスの活動自粛明けだった。決して外れることがなかった肩のテーピングがなく、動きにキレがあった。

明らかにこれまでコンディションが悪かったのだと知らしめるほどに違う動き。持ち上げる際のパワー。起動力。全てがいい方向に向かっていた。

そして、「NEVER無差別6人タッグ」ベルトの戴冠で全てが変わった。

本当に別人になった。今期の「G1クライマックス」を見ていて、誰しもが思ったはずだ。

YOSHI-HASHI選手...マジで強くない??と。

元二冠王である“キング・オブ・ダークネス”EVIL選手と互角に戦い抜き、棚橋弘至選手を寸前のところまで追い詰めた。

 去年の『G1クライマックス29』にはエントリーすらできず、2018年は勝ち点6。全て“ガイジン”レスラーから勝利を飾ったものの優勝戦線に名を連ねることはできなかった。

それが今ではどうだ。トップ戦線を走るレスラーと対等以上に渡り合い、結果、内容、インパクトで不足しているのは結果だけになった。

僕はぼんやりこう思っているYOSHI-HASHI選手の時代が来る日もそう多くないのではないか、と。

 

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立場が人を作る

YOSHI-HASHI選手は『NEVER無差別級6人タッグ王者』としてリングに上がっている。ガウンの下ではなくガウンの上にベルトを巻くという斬新なスタイルは既に定着しつつある。

彼がこの短期間で一番大きく変わったのは目つきだ。とにかく眼光が鋭くなり、勝負師の目になった。

元々持っていた“応援したなる”能力に今の試合内容と気持ちの乗り方が加わったことで、試合の安定感がグッと向上した。

トップ戦線のレスラーの喉元に食らいつく。蝶のように舞い蜂のようにさす。新日本プロレスに本物のヘッドハンターが誕生したのだ。

ファンに伝わっているということは、対戦相手にはもっと伝わっているということ。

この日、対角線に立った棚橋弘至選手はバックステージでこうコメントを残している。

棚橋「よし、2勝目。これで2勝2敗、五分に戻した。負けが続いて、まくったこともあるよ。まくったこともあるけど、やはり点数っていうのはね、1点差の世界だから。やっと言える。言うの忘れてた。ちょっくら優勝してきます!(いったん引き上げかけたが、思い出したように再びカメラの前に戻り、満面の笑みで)……YOSHI-HASHI、お前には負けたくないよ。ただ、今日は俺がたまたま勝った、ということ」

出典:新日本プロレス公式

 

お前には負けたくないよ

優勝宣言後にわざわざ引き返した新日本プロレスのエース。

次の対戦相手であり、前回の『G1クライマックス』では敗れているのKENTA選手へのコメント。ではなく、今戦いを終えたばかりのYOSHI-HASHI選手への熱いメッセージが飛び出した。

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公式のコメントでは「満面の笑み」とあるが、実はその直後に一瞬だけ泣きそうな表情も覗かせている。

ベビーフェイスとしての大きな可能性を感じつつもここまで結果を残すことが出来なかったYOSHI-HASHI選手。棚橋弘至選手は光属性の新ユニットを提案したり“チームこっから”を結成したりと、ユニットの垣根を超えて彼の成長を見守ってきた。

そんなYOSHI-HASHI選手が本格的に輝き出したのだから棚橋弘至選手としてはとにかく嬉しくてしょうがないと言ったところだろう。

「お前には負けたくないよ」

これは単なる試合の勝ち負けという話ではない。レスラーとしてまだまだ負けたくない。

新日本プロレスのエースである棚橋弘至選手から飛び出した言葉はYOSHI-HASHI選手に対する最大の賛辞だ。

 

こっからが勝負

まだまだ続く「G1クライマックス30」。今後の対戦カードも魅力的なものばかりである。

広島では内藤哲也選手。岡山の地では同じく『NEVER無差別6人タッグ王者』である後藤洋央紀選手。初開催となる横浜武道館では因縁の相手(棒)であるKENTA選手と対峙する。

ここからがYOSHI-HASHI選手の進化の見せどころだ。ヘッドハンターの異名やケニー・オメガ選手を倒した実績を鑑みると現在の『IWGPヘビー級&インターコンチネンタル王者』である内藤哲也選手から白星を取る可能性は十分にある。

 

特に注目の一戦はやはりKENTA選手だろう。ベビーフェイスとして覚醒したYOSHI-HASHI選手が“バレットクラブ”加入後、完全無欠のヒールとして輝いているKENTA選手と対峙する。考えるだけでもこの時に起こる化学反応に今から胸が高鳴るようだ。

YOSHI-HASHI選手が新日本プロレスの主役になる日。誰よりも応援される才能を持ったベビーフェイスがセルリアンブルーのど真ん中に来る日もそう遠くないのかもしれない。

物事が変わるのは一瞬。その一瞬を掴むために積み重ねてきた日々の積み重ねが人々の感動を呼ぶのだ。

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