高橋ヒロムの「IWGPジュニアタッグ」再挑戦に乗り切れない理由
高橋ヒロムの「IWGPジュニアタッグ」再挑戦に乗り切れない理由について書きたい。
いやまぁ、シンプルに一言で終わる話なのだが、前回(約1ヶ月前)の「IWGPジュニアタッグ選手権試合」で金丸義信選手に完璧にやられたからである。それも2度も。
2020年9月11日に起こった“金丸無双”。
エル・デスペラード選手という新日本プロレスジュニアでも屈指の猛者ですら並ぶのがやっと。そんなレベルで金丸義信選手が躍動したあの日。あの瞬間の記憶が全く薄れないていない。
大変申し訳ないがあれから1ヶ月くらいでは、“ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン”の2人が勝てるイメージがほぼ湧かないのである。
※後楽園ホールでの試合でせめて新技を披露し、金丸義信選手から直接ピンフォールを奪っていれば説得力はあった。ただし、試合を決めたのは鷹木信悟選手。これではちょっと乗り切れない。
だからだろうか。高橋ヒロム選手がエル・デスペラード選手を再三挑戦している時も、なんだか「イヤイヤ」という気分になったのは。
高橋ヒロム選手は上手いとは思う。実際、タイトルマッチに漕ぎつけたわけだし、ジュニアを盛り上げたいという気概も分かる。
ただ、あそこまでやられた上で(しかも連敗)挑戦表明は些か強引が過ぎたような気がしている。
ただし、高橋ヒロム選手には学ぶこが沢山ある。
今日はその点について書いていきたい。
まずは、完膚なきまでにやられた金丸義信選手ではなく、エル・デスペラード選手に対して挑戦表明を行なった理由からだ。
金丸無双から1ヶ月
高橋ヒロム選手は試合後のリングでマイクを掴み「(俺たちの挑戦について)今すぐ答えくれ。デスペラード」とエル・デスペラード選手に解答を諭した。
ここでエル・デスペラード選手を名指しにしなかった場合、恐らく挑戦権利は生まれなかったと思う。
仮に金丸義信選手がマイクを取り「1ヶ月前の試合忘れたのか?やる意味ない。田口とマスター・ワトならやる」と返した場合、本当にアウトだったと思う。
※もう一度この試合を見返したが、本当にヤバい。相手レスラーから見れば絶望的に巧すぎる
今回のジュニアタッグに対して、僕は高橋ヒロム選手とエル・デスペラード選手のスペシャルシングルでいいのでは?と思っている。
その理由の一つにパートナーがある。全て高橋ヒロム選手が喋って主張して決めたタイトルマッチ。
エル・デスペラード選手にもほぼ「俺と戦いたい」だろ?という意味合いで漕ぎつけた感すらある。
正直、パートナー2人のモチベーションがあまり見えない。
金丸義信選手も「前回あれでまたやるの?」と普通なら思うだろう。それほどコテンパンに倒した試合だっただけに。
流石に間が1ヶ月で間に誰も挟まない防衛戦は厳しい。それこそ、内藤哲也選手が指摘して支持を得た「リマッチ地獄問題」である。
「NEVER無差別6人タッグ」であれだけタッグの試合には心が大切だと痛感した後に、高橋ヒロム選手が「やりたいから、盛り上げたいから」という理由だけだと少し寂しさを感じる。
三冠王宣言という未来
であればどうだったらもう少し僕は見たくなったのか。
例えばこんな感じか。
「BUSHIさんとベルトを獲ると決めた!絶対だ!」という絆をゴリ押してみる展開。
あるいは三冠王路線の方が乗ることができた気がする。
そう。こんな感じ。俺はジュニアタッグを巻いてスーパージュニアに出場して優勝。その後に「IWGPジュニア」を巻いて三冠王になる!みたいな。
ヘビーの「IWGPヘビー&インターコンチネンタル」とは違い、シングルとタッグであれば二冠戦が組まれること自体がない。
であれば、ヘビーのように何かよく分からないことにはならないはずだ。
俺はこのシリーズ、最後の大阪、『Jr. ヘビー』、そして『Jr. タッグ』も何も組まれてない。ジュニアのカードが何一つも組まれていない。この状況を変えたいんだ。なあ、わかるか? だからデスペラードは何を迷ってんだ。俺たちとこのシリーズ一番目立てるチャンスだぞ!! なあ、『Jr. タッグ』が一番すごかったって言わすチャンスだぞ! そんなことはどうでもいいのかもしかしたら。でも、俺にとってはどうでもよくないことなんだ。なあ、楽しみにしてるぞ。デスペラード、金丸、あなた二人に感謝する。あの場で答えてくれたことに俺は感謝するぞ! いいんじゃないのか。誰からも何も言われないより、言われた方がいいだろう。なあ、俺はそう思うぞ。この俺が挑戦表明のやり方を教えてやった。全員にだ。無冠の人間全員に教えてやったんだ。挑戦表明のやり方というものを。俺とDOUKIを見習ったほうがいいんじゃないか? 無冠も気持ちは強気で攻めてるぞ。誰から嫌われようが文句を言われようが内部の人間がごたつこうが何をしようが俺には関係ない! 俺は自分自身を、自分がやりたいことに向かって思い切り突き進んでいく。それだけは誰にも邪魔させない。ヒロムちゃんファンの為でもあるんだ!」
ロッポンギ3K不在
棚橋弘至選手は以前、レスラーが順番待ちの列に並ぶ(挑戦する順番)とかあり得ないと語った。その意味は分かる。分かるのだが、前回が前回だ。完膚なきまでに2回負けた状態はでの3度目は流石にちょっと違和感がある。
ただ、高橋ヒロム選手は一部からこう思われることも承知の上でだったはずだ。
自分が一番分かってるはず。
それでもジュニアを盛り上げたいと思って主張した。理屈も納得性も無くていい。
試合さえ組まれれば最高の一戦にする自信がある。そして、この前のリベンジを必ず果たす、と。
それは本当に素晴らしいことだ。なんだかんだ、今の新日本プロレスのジュニアは高橋ヒロム選手が背負っているのだなと思う。
ただし、ジュニアタッグに関してはこの一点に尽きる。。“ロッポンギ3K”の不在がこんなにも響くのかと。
凱旋帰国以降、どれだけ“ロッポンギ3K”の2人が新日本プロレスジュニアタッグ戦線を牽引してきたか改めて感じてしまった。
色々な困難がありつつも、彼ら2人が軸になって新日本プロレスジュニアのタッグは動いていたのだ。
YOH選手は今頃、元気にしているだろうか?
そんなことを考えながら今日は筆を置きたい。
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