2020年のオカダ・カズチカのテーマは“脱超人”なのか?

2020年のオカダ・カズチカのテーマは“脱超人”なのか?

2020年、おそらくこのままだとオカダ・カズチカ選手がレインメーカーへと変貌して以降で異質な一年になる可能性が高い。

2012年以降。いや2012年2月12日に「IWGPヘビー級ベルト」連続防衛記録を更新していた棚橋弘至選手を倒した日から、オカダ・カズチカ選手は新日本プロレスの最前線を走り続けてきた。

いわゆるレインメーカーショック。ブシロード体制衝撃の幕開けというやつだ。

「IWGPヘビー級ベルト」と共にオカダ・カズチカ選手は新日本プロレス、プロレス界を牽引してきた。その証拠は東京スポーツ主催の「プロレス大賞」を見ても明らかだ。

  • 2012年 最優秀選手賞(MVP):オカダ・カズチカ
  • 2013年 最優秀選手賞(MVP):オカダ・カズチカ
  • 2014年 年間最高試合賞(ベストバウト):オカダ・カズチカ×中邑真輔
  • 2015年 最優秀選手賞(MVP):オカダ・カズチカ
  • 2016年 年間最高試合賞(ベストバウト):丸藤正道×オカダ・カズチカ
  • 2017年 年間最高試合賞(ベストバウト):オカダ・カズチカ×ケニー・オメガ
  • 2018年 年間最高試合賞(ベストバウト):オカダ・カズチカ×ケニー・オメガ
  • 2019年 年間最高試合賞(ベストバウト):オカダ・カズチカ×SANADA

いかがだろうか?

2012年以降、MVPあるいはベストバウトを連続受賞し続けてきたわけなのだが、2020年は少々毛色が異なる。

僕がこういったことを言うのも烏滸がましいのだが、2020年のプロレス界を見た時にオカダ・カズチカ選手がMVPか?と訊かれるとちょっと考え込んでしまう(ちなみにだが、『G1クライマックス』2連覇の飯伏幸太選手か2010年以来、10年ぶりに歴史が動くという前提でプロレスリング・ノアの潮崎豪選手が受賞する可能性が高いと思う)。

では、ベストバウト。こちらはどうだろう。

確かに2020年は試合数が少ないという事実はありつつも、(オカダ・カズチカ選手の)この試合が最高だった!!間違いなくベストバウト!という試合が浮かんでこない(個人的な今年のベストバウトは『NEVER6人タッグ』選手権試合になるだろうか。石井智宏選手、後藤洋央紀選手、YOSHI-HASHI選手の初戴冠から鈴木軍対決までどれが受賞しても違和感がない)。

そうなのだ。

意外と2020年のオカダ・カズチカ選手は例年と比較すると10月下旬の段階で活躍ができていないのである。新日本プロレスをプロレス界を牽引し続けるレインメーカーについて色々と思いを馳せながらもう少し筆を進めていきたい。

 

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レインメーカー32歳

これからのキャリアを考えて、オカダ・カズチカ選手は2020年を“新しい挑戦”の1年として捉えているのではないか。僕は妄想している。

これまで多くのレスラーをマットに沈めてきた必殺技・レインメーカーを封印。新技であるマネークリップ(変形のコブラクラッチ)をフィニッシャーに大抜擢した。

少し話は変わるが、棚橋弘至選手はハイフライフローがメインの必殺技であるが、テキサスクローバーホールドも印象深い(2007年11月11日の後藤洋央紀選手との一戦が影響しているのか?)。

試合の流れの中で攻める場所を変えることできるし、相手のコンディションを見て戦い方そのものを変えることもできる。

オカダ・カズチカ選手はどうだろう。高すぎる身体能力と心肺能力、オーソドックスな技を高次元で使いこなすレスラー。相手の土俵に立った上で自分の試合を作ることができる。

相手レスラーの格を上げつつ、自分の格も上げる。これが僕の印象だ。

このまま突き進んでも、オカダ・カズチカ選手は全然問題ないのにどうして...?と考えてみたら一つ思い当たることがあった。年齡である。

オカダ・カズチカ選手は現在、32歳。ちなみにレインメーカーショックを受けた時の棚橋弘至選手は35歳。

気付けばオカダ・カズチカ選手もそういった領域に足を踏みれつつあったのだ。

 

マネークリップという挑戦

常勝のチャンピオンが勝てなくってからスタイルを変えるのは危険だ。ただでさえ、結果が求められるタイミングで新しいことに挑戦するのは非常に難しい。

後藤洋央紀選手が結果を求めて白くなった時もそう。模索するととんでもない方向に行くこともできるが、それと結果は別問題だったりもする(2016年の白塗りで「IWGPヘビー級ベルト」を戴冠してたらどうなっていたのか?という妄想は膨らむものの...)。

レインメーカーと比較して、マネークリップは文字通り落ちるかタップするまでの時間がかかる技である。

テキサスクローバーホールドとも違って、割と相手も反撃しやすくリスキーな技だとも言える。

一撃決まれば終わりのレインメーカーと比較すればするほど、レインメーカーを使えば勝っていたのでは?と思わざるおえない。

ただし、マネークリップには大きすぎる長所がある。

アントニオ猪木さんが使っていたコブラツイストが相手の顔と自分の顔がよく見える技だったように、マネークリップも両者の顔がよく見える。

また、画面を見ていても露骨にこれはキツいということがビンビンに伝わってくる。

レインメーカーでは表現できなかった“試合の瀬戸際”を見せるには最適な技だと言えるのかもしれない。

 

新しいレインメーカー

2018年頃からだろうか。オカダ・カズチカ選手は新しい自分をずっと探しているように見える。

パンタロンを履いてみたり、赤髪にしてみたり。ビジュアルを変えた2018年から2年が経ち、いよいよフィニッシャーを変えてきた。

結果だけ言えば、「IWGPヘビー級ベルト」とは“敢えて”距離を取っているようにも見える(二冠が大きな理由だとも思うが)し、自身が創設した「KOPW」も矢野通選手が権利を保有している。

2020年のオカダ・カズチカ選手は種こそ蒔いたが、芽がまだ出ていない。そんな状況だと言えるだろう。

ただし、まだ時間はある。グレート-O-カーン選手との試合だって直前に控えている。

凱旋帰国したばかりのレスラーがトップ選手を倒すことになればレインメーカーショックの再来となる。

ドミネーターショックを防ぐためにも、オカダ・カズチカ選手にとって負けられない試合になることは間違いない。

2020年のオカダ・カズチカ選手がこれからさらにどんな進化を魅せるのか。楽しみにしたいと思う。

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