グレート-O-カーンと“悪の華”とドミネーターショックについて
グレート-O-カーンと“悪の華”とドミネーターショックについて考えてみた。
前回、グレート-O-カーン選手について書いたのが、2020年10月22日。約1週間ぶりではあるものの、ふと気付くとグレート-O-カーン選手のことばかりを考えてしまっている。
ドミネーターショックが起こる(であろう)
プロレスラーに限らず、全ての世界で「華がある」と呼ばれるタイプの人間がいる。
その場にいるだけでパッと華が咲いたように明るい雰囲気になる。あるいは特に目立った行動をしていないにも関わらず、周囲の目線を独り占めにできる。
人の目線を惹き付ける。オーラがある。数値化することもできないし、トレーニングでなんとかなるものでない。また、外見を変えればなんとかなるというものでもないだけに、説明することすら難しかったりする。
ただ、華がある人は確かに存在する。
新日本プロレスでいえば、棚橋弘至選手、オカダ・カズチカ選手、飯伏幸太選手、SANADA選手、高橋ヒロム選手、YOH選手らが素質として大きな華を持っているタイプになる。
ベビーフェイスやヒールといった役割に関係なく“華がある”。そんな感じだ。
華のあるレスラー
今回のテーマである華についてグレート-O-カーン選手は自己分析した結果、こう考えている。
こちらは東京スポーツが世界初、独占、単独のロングインタビューに成功したものである。
――ご無沙汰してます
オーカーン(以下・余)誰だか知らんが、頭が高いぞ、愚民。伏せ。
――いや、デビュー前から取材を…
余 口を慎め! 余は過去を捨てたのだ。会社に反旗を翻すためにな。余は凱旋したのではない。侵略に来たのじゃ!
――無礼をお許しください。そこまで新日本に不満を抱いていたとは
余 …フゥー(大きなため息)。思えば新日本から不条理な扱いを受けておった。同期や後輩といった年の近い者が大きなリーグ戦やトーナメントに出させてもらった中で、ただ一人チャンスが一度も訪れんかった。光の差さぬ井戸におったところで、是非もなし。
――団体からは壮行試合はおろか海外遠征の告知もされなかった
余 その通りじゃ。自身のみで海外侵略の道を選び、決め、準備し、渡ったのだ、しかり。
――なぜチャンスに恵まれなかったのか
余 会社の中に慧眼のあるヤツがおらんかっただけじゃ。あと強いて言うなら、「華」がなかったからじゃろうな。
――確かに華はありませんでした
余 貴様、記者何年目じゃ? よく見よ、「惡の華」が咲いておろうが。そうと貴様、あとで家族に別れのあいさつをしておけ。
グレート-O-カーン選手が捨て去った過去の姿。敢えてここで名前を出すこともないだろう。
彼の同期は北村克哉さん。そして、マスター・ワト(当時、川人拓来選手)選手。下の世代には海野翔太選手、成田蓮選手がいる。
北村克哉さんは規格外の肉体(筋肉)を持ち、ヤングライオンの時点から分かりやすく飛び抜けた存在だった。
また、マスター・ワト(当時、川人拓来選手)選手は軽やかな動きと柴田勝頼選手以来となる高卒ヤングライオンということもあり、注目を集めていた。
海野翔太選手はレッドシューズ海野レフリーを父に持つイケメン。成田蓮選手はモデル級のスタイルと何かを感じさせる可能性を持っていた。
では、当時のグレート-O-カーン選手はどうだったか。
北村克哉さんとのタッグチーム“モンスターレイジ”で「ワールドタッグリーグ」エントリーを目指すも出場ならず。12年ぶりに開催された第11回のヤングライオン杯も好成績とは言いにくい結果に。
入門前の段階では他の圧倒する実績(アマ格闘技十冠王、アマチュアレスリングでの優勝など。ここまで凄いのは矢野通選手以来なのでは?)を持っていただけに、彼に集まる視線と期待はひょっとすると一番強かったのかもしれない。
ただ、過去の実績とは別のところでプロレスラーには必要なものがあった。それが“華”なのだ。
華の作り方
華のある人に生まれ変わる。華に関しては先天性の部分が多いと思うが、後天的に才能が開花することもある。正確には才能が開花するというよりも、後から華を身につけると表現したほうが正しいか。
華のある人は確実に自信がある。そして、品がある。
ただし、自信があって品があっても華が“小さい”ケースがある。
グレート-O-カーン選手の過去の姿は華がなかったわけではない。華が小さかったのだ。
どんなに美しく強く咲いてもサイズが小さい。だから周りの華に隠れてしまう。それが当時の課題だったのではないだろうか。
グレート-O-カーン選手は自らの華を大きくするために、過去を捨てた。全てを捨てて、イギリスへ侵攻し、無敗の2年間を過ごした。
そして、日本に帰ってきてみたらどうだろう。他のレスラーを圧倒するほどの華が咲いているではないか。
ベビーフェイスかヒールか?という話ではなく、悪(毒)を持った華になった。
内藤哲也選手がメキシコに渡り、“ロス・インゴフレナブレス”に加入したことで、自らの華の性質を変え、トップレスラーに躍り出ることに成功した。
グレート-O-カーン選手はイギリスに渡り、自分の持っていた可能性を爆発させた。
それが今の結果なのです余。
ドミネーターショック
2012年2月12日。「THE NEW BEGINNING」大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)でオカダ・カズチカ選手が棚橋弘至選手を破り「IWGPヘビー級王者」に輝いた。
当時の棚橋弘至選手はV11を達成しており、完全無欠のチャンピオンロードを歩んでいた。
その道に待ったを掛けたのが凱旋帰国したばかりのオカダ・カズチカ選手だったのだ。
あれから8年半が経ち、オカダ・カズチカ選手は完全に狙われる側になった。
凱旋帰国したばかりのレスラーでオカダ・カズチカ選手に土をつけたのはジェイ・ホワイト選手のみ。
“スイッチブレイドショック”と呼ばれたその試合は今でも語り継がれている名勝負である(個人的には東京ドームでのスペシャルシングルマッチが印象深い)。
2020年11月7日の舞台は大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)。
“ドミネーターショック”が起こる可能性は十分にあると思っている。
注目ポイントはこんなところか。
- レインメーカー封印問題
- グレート-O-カーン選手の隠し技
- 当日試合がないウィル・オスプレイ選手
もしもグレート-O-カーン選手がオカダ・カズチカ選手を倒すことになれば、番付は一気に入れ替わる。
「お礼参りをしたい先輩たち」へのルートが完璧に見えてくる可能性がある。
グレート-O-カーン選手の侵略はまだまだはじまったばかり。
侵略!侵略!侵略!侵略!侵略!侵略!オーカーン☆(キュー!)
侵略ノススメを聴きながら今週末の後楽園ホール大会を楽しみに待ちたい。
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