新日本プロレスファンに読んで欲しい「チェンソーマン」

本日、2020年12月11日、新日本プロレスは「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア27」と「ワールドタッグリーグ2020」の優勝決定戦が行われる。

2020年、色々なことがあった。そんな中でも夢を掴むために切磋琢磨するプロレスラーの姿は僕たちに大ききな夢と希望を与えてきた。

東京ドームでチャンピオンに挑戦するレスラーは一体誰になるのか?

そんな期待に胸を膨らます大切な一日に、とある漫画を紹介したい。

タイトルは「チェンソーマン」。

現在、週刊少年ジャンプで連載中(来週完結)。宝島社の『このマンガがすごい!』2021オトコ編第1位を獲得した今、最も注目を集めている漫画作品の一つである。

話題になるには理由がある。食わず嫌いでトレンドに触れないのは老いている証拠である。

このオフ期間で現在刊行している9巻まで読んでみたので、今日はその感想を書いていきたい。

物語に対するネタバレは極力伏せる(固有名詞は書かない)。

とにかく、この漫画はとんでもなかった。ファンタジーな要素を多分に含みつつ、人(読者)に痛み(心の)を与えるかのように、衝撃的なシーンを連発してくる。

個人的な意見なので人に何を言われる筋合いもないのだが、「この漫画が好みか?」と言われれば首を捻る。正直、好きなポイントはあまりない。

ただ、「この漫画がスゴイか?」と聞かれれば、即答で色々と凄いと応える。

今日はそんな話題作(問題作)「チェンソーマン」について書き進めていく。

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現代社会を表現した作品

まず「チェンソーマン」が凄い点は、主人公の性格や価値観が完全にぶっ飛んでいる点だと僕は思っている。

これを作中では「ネジが外れている」と表現している。

ただ、僕は現代の日本人のメタファーが徹底的に詰め込まれた存在が「チェンソーマン」の主人公ではないかと考えている。

物語序盤のエピソードを抜粋してみよう。

自分自身の夢がない。あるいは夢が小さい。

だから、何だ?それの何が悪いのだと単行本2巻でデンジは啖呵を切る。

これがあまりにも現代的ではないだろうか。

「夢のない時代だから夢を見るんだよ」という騒ぎではない。

今の日本に生きる若い世代は、本格的に夢がない時代になってしまった気がする。

高度経済成長期が終わり、あれも欲しい、これも欲しいという時代ではなくなった。

ある程度満たされていて、自分の身に余るほどのものは求めない。

ミニマリストや断捨離。節約を美徳とする風潮が作ったものは何だったのだろうか。

 

これまでの成功者

社会的にある程度成功した僕の同年代は口を揃えて、目標設定と夢が大切だと語る。

ただ、その方針は既に新しい世代に通用しなくなっていることに気づく必要があるのかもしれない。

ネタバレしないように書くのが難しいのだが、デンジがすぐに夢を掴んでしまうシーンがある。

ただ、やっと手にしたはずの夢に全く感動しないという事態が起きる。

本来であれば、カタルシスを感じるはず。ただ、彼は虚無感に包まれてしまった。

夢を追いかけいた頃の方が幸せなのではないか。デンジはそう悩みこむ。

そんなのは糞ではないか...と。上司にショックを受けたことを語る。

ただ、自分が体験したことにはまだまだ先がある。その本質の断片をまざまざと見せつけられる。

この一連のシーンを見た時にプロレスラーもそうなのかもしれないと思った。

2016年に内藤哲也選手は「IWGPヘビー級ベルト」を初戴冠し、そのままの勢いでぶん投げた。

「俺はベルトを超えた存在になってしまった」

そんな名言も飛び出た。では、今はどうか。

口では何と言おうとも、二本のベルトに徹底的にこだわるし。東京ドームでの試合にもこだわっている。

内藤哲也選手は「IWGPヘビー級王者」としては実質2試合しか戦っていない。

石井智宏選手を相手に防衛し、オカダ・カズチカ選手に敗れた。残りは全て二冠戦である。それでもチャンピオンになってからはEVIL選手とKENTA選手としか試合をしていない。

まだまだ先にある「二冠王」の本質を追求する旅は続いているのかもしれない。

 

チェンソーマン

とにかくエグく、実体験で考えるとトラウマクラスなことを何度も何度も見せ付けてくる作品である。

これまてのマンガに対するアンチテーゼであり、現代を象徴しまくったまさに「今のマンガ」が「チェンソーマン」なのだ。

必殺技がない。名前を叫ばない。味方がやられても、さほどショックを受けない。

ある意味解脱しているかのようにこだわりがない。

ただ、貧しい期間を長く過ごしてきたため、何事にも勿体ないという心は働いている。

「最近の若者は...」と愚痴る上司ほど「チェンソーマン」を読んで見てほしい。

俺たちのフィールドやはじめの一歩で胸を熱くした僕と同年代。BLEACHやテニスの王子様のようにスタイリッシュな雰囲気を好む少し下の世代とは異なる価値観が少しだけ分かるはずだ。

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