不変の成田蓮が新日本プロレスを担う存在になる

不変の成田蓮が新日本プロレスを担う存在になる。2020年12月13日に配信された「SUPER J CUP2020」。エル・ファンタズモ選手による連覇で幕を閉じた1Dayトーナメント。その大会内で久しぶりの名前があった。

成田蓮。

2019年9月のヤングライオン杯でLA道場勢に惜敗し、強くなるために海を渡った若獅子だ。

本来、ヤングライオンの海外遠征といえば、それまでのスタイルを壊すことに注力するものである。

度々書いているが、守破離の「破」が海外遠征にあたる。

道場や前座の試合を通じてまずは教えを「守」る。

まずは基本の型を身体に覚えさせてから、それを「破」ってみる。

“こまったな”の2人(YOH選手、SHO選手)はまずメキシコで風神雷神となり、ヤングライオンの型を破った。その後、ロッキー・ロメロ選手に導かれる形で“ロッポンギ3K”へと進化。これが「離」である。

中にはグレート-O-カーン選手のように「破」と「離」が地続きという規格外なタイプもいる(彼はもはやレベルが違う...)。

高橋ヒロム選手のようにカマイタチのオーバーマスクを継続して使用するケースもある。

そんな中で成田蓮選手といえば...。今回の試合を見る限り、素人目にはほぼ変化がなかった。

ここに何か意味が込められているとも思いつつ、今日は成田蓮選手について考えてみたい。

 

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ビジュアルの大切さ

対角線には「ニュージャパンカップUSA」優勝のKENTA選手とヒクレオ選手。

久しぶりに姿を現した成田蓮選手はそれまでとほぼ変わらない出立ちだった。

前髪を下ろした黒髪。黒パンツ、黒シューズ。

LA道場への海外遠征に旅立つ前と同じ出立ち。

僕はこの時点でビジュアルって大事なのだなぁと改めて思い知った。

同期の海野翔太選手はジョン・モクスリー選手のライダースに白のロングタイツを着用し、ヤングライオン卒業をアピールしていた。

グレート-O-カーン選手はさておき、川人未来選手もカワトサンとしてパンタロンを履き、試合に臨んでいた。

コスチュームを含むビジュアルを変えることは、分かりやすく「破」を表現できる。

ただし、成田蓮選手は未だヤングライオンスタイルのままだ。渡米から一年以上が経つが、あの頃のままの成田蓮選手がそこにはいた。

 

清野茂樹アナウンサーの言葉

流石に相手が悪く、成田蓮選手とこの日が新日本プロレスデビューとなったLA道場5番目の男ケビン・ナイト選手は10分2秒で「バレットクラブ」の前に敗れ去った。

試合中に気になるポイントがあったが、そこは後述するとして僕は試合後の清野茂樹アナウンサーのコメントが気になった。

解説を務める獣神サンダー・ライガー選手へ成田蓮選手へのコメントを求める。それも2度である。

その質問の真意は「海外遠征に旅立ったが、大きな変化が見られない」というものだった。

質問の意図を見抜いたのか世界の獣神は「変わらないことの大切さ」を説いた。

ここに成田蓮選手がLA道場へと旅立った意味があるようにも思うのだ。

成田蓮選手がLA道場行きはある意味で前例がない。

こうして新日本プロレスワールドで海外遠征中のレスラーの試合か配信されるのは、高橋ヒロム選手がカマイタチとして後楽園ホールに凱旋した時以来ではないだろうか。

カワトサンとしてCMLLに出場していたりなど、時折り目にする機会はあれど、新日本プロレスの興行へ普通に参加しているのは、激レアだ。

成田蓮選手は海外遠征に行ったというよりも、LA道場へ出稽古に行っている。まず、この価値観を持つべきなのだと改めて考えさせられた。

そこで成田蓮選手が学んでるのは「守」の段階、新日本プロレスの基本を極限まで学ぶことなのである。

そもそも、LA道場のヘッドコーチを務める柴田勝頼選手は心技体ではなく、「心体技」だと以前から公言している。

技は後から。今は徹底的に心と体を鍛える時期。そう考えてみると思いつくところが確かに2つあった。

 

KENTAと遭遇した意味

試合開始のゴングが鳴り響く前から執拗に成田蓮選手はKENTA選手を挑発していた。

「誰やねん!」と突っ込まれつつも、全く引く様子はない。

声を荒げながらKENTA選手と肌を合わせることを熱望する様子は「自分の師匠のかつての相棒」だと知っていての行動だと見て、まず間違いはないと僕は思っている。

成田蓮選手ってこんなに感情を露わにして動くタイプだったか?まず浮かんだのはこの点だ。

どちらかと言えば青い炎がメラメラと燃えているタイプ。分かりやすく燃えるというよりも、静かにじっくりと感情を燃やすタイプだと思っていた。

次に肉体。こちらは分かりやすかった。どう見ても厚みが増している。

心と身体。柴田勝頼選手が公言している育成方針という意味で見れば、変化の兆しがある。

また、極端な話になってしまうが、試合回数という意味で言えば、今年はもつ目を瞑るのも致し方ないだろう。

社会状況的に試合に出場できる回数そのものが制限されているのは言うまでもない。

野毛道場を飛び出して1年3ヶ月。不変の成田蓮選手は心と身体を徹底的に鍛え抜いてから技(破離のステージ)の習得へと移る。

確かに変化は分かりにくいかもしれない。見ていて物足りない点もあったかもしれやい。

ただ、今この瞬間が完成形ではない。化ける時は一瞬だと何人ものレスラーが証明し続けてきた。

僕は成田蓮選手が前髪を上げた時に全てが変わるのではないかと勝手に予想している。

黒髪パンツ、黒シューズ。技も伝統的なものばかり。

ただ、フィジカルと心がとことん強い。

昭和の新日本プロレス、伝統のストロングスタイルを継承する男。それが成田蓮選手なのではないか。

そんな期待に胸を膨らませながら、今日のところは筆を置きたい。

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