飯伏幸太が手にしようとしている“天衣無縫の極み”
飯伏幸太が手にしようとしている“天衣無縫の極み”について書きたい。
いよいよ明日(イッテンヨン)に迫った新日本プロレスの東京ドーム大会。
メインイベントは「IWGPヘビー&インターコンチネンタル王者」内藤哲也選手VS“G1クライマックス30覇者”飯伏幸太選手だ。
新日本プロレス公式サイトで連続公開されている東京ドーム大会に向けた独占インタビューもいよいよ大詰め。「G1クライマックス」覇者・飯伏幸太選手が登場した。
内藤哲也選手との大一番に向けて、彼の胸中にあるのは「魅せて勝つファイトスタイル」を取り戻すこと。そして、「捨てた物を拾うのではなく、持ち帰る」こと。
この2つのテーマが語られてから、ずっと思っていたことだか、飯伏幸太選手が辿り着こうとしているのは“無我の境地”であり、子どもの頃の「プロレスごっこ」を想い出すという意味では、“天衣無縫の極み”に足を踏み入れようとしているのではないだろうか。
プロレスの王子様・飯伏幸太。2年連続のチャレンジャーとして東京ドームのメインイベントに立つ時が迫っている。
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— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) 2021年1月2日
「内藤戦を昔のように楽しめたら、ボクは勝てると思います。楽しめなかったら負ける気がします」
東京ドーム目前! 飯伏幸太選手に直撃インタビュー!
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プロレスの王子様
飯伏幸太選手ならば...いや、飯伏幸太選手でしか辿り着けない境地がある。
名作「テニスの王子様」の作中で、“無我の境地”という言葉が出てくる。
“無我の境地”とは、自分の限界を超えた者のみが辿り着くことができる境地。
頭ではなく、身体が実際に体験した記憶で無意識に反応するというもの。
そのため、今までに対戦してきた相手の技・プレイスタイルが繰り出すことができる。
飯伏幸太選手に起きかけると、2015年の東京ドームで中邑真輔選手に繰り出したボマイェやがそれだろう。これだけじゃなく、飯伏幸太選手は時折、掟破りを見せてきた。
無我の境地に入り、相手の技をコピー。さらに会場のファンの度肝を抜くプロレスを魅せる。
飯伏幸太選手が天才と呼ばれていたのはこうした所以があったように思う。
だが、飯伏幸太選手がインタビューで語っていたように、ここ数年は技のバリエーションも固定化されてきた。
特に2019年の「G1クライマックス29」で怪我をしてからが顕著だ。技を減らすどころか使えない状態に陥ってしまったにも関わらず優勝してしまったのだ。
夏の覇者という大きすぎる実績をつくったことで、今の自分が正しいのだと信じてしまう(それはそうだ)。
ただし、何かが足りない。東京ドームでチャンピオンになるために必要なもの、今の自分の殻を破るために何かを掴もうとしている。
このままじゃダメだ
— 飯伏 幸太 (@ibushi_kota) 2020年12月11日
昔のもっともっとプロレスを好きだった頃を思い出さないといけない
もう今さら何でもできる訳じゃない。必要なくなり今の闘うスタイルができた
勝つには完璧かもしれない
魅せて 勝つファイトスタイルはどこへいったんだろう。
25年戻って1からやり直してみよう
中学生の頃に
天衣無縫の極み
「テニスの王子様」の作中で主人公・越前リョーマの父であり、作中最強キャラ(であろう)越前南次郎は“天衣無縫の極み”について、強いて言うならテニスを始めたばかりの『テニスが楽しくてしょうがない』時期は誰もが天衣無縫を持っていた」と語っている。
結果に囚われないプロレス。自由なプロレス。心から純粋にプロレスを楽しむ。その姿勢こそが天衣無縫なのだ、と。
飯伏幸太選手が目指しているイメージを想像していると、“天衣無縫の極み”という言葉が一番ピンときやすい。
公式のインタビューをにはこう答えている。
──闘い方の幅が固定されてしまったと。それをもう一度“広げる”作業が「捨てたモノを持ち帰る」ということに繋がるということですか?
飯伏 ええ。今回に限っては、「もう一度、昔の飯伏幸太が必要なんじゃないか?」って思ったんですよね。「ヘビー級になった自分がジュニアの頃の自分を取り戻したらどうなるんだろう」とか、もっと遡ってプロレスごっこをやってた頃をもう一度見直してみようとかって思って。それで小学生や中学生の時に、プロレスごっこをやっていた友だちに電話もしました。
──それは凄いですね。わざわざ、プロレスごっこをやっていた友だちに電話を。
飯伏 ハイ。当時の友だちに連絡して、「プロレスごっこで何やられた?」とか「何やってた?」とか、いろんな話をしましたね(笑)。その話を聞いて、今は回収じゃないですけど、いろいろと取り戻す作業をしている最中です。いまそれができるできないは関係なく、秘密基地に行って、トレーニングしていますよ。普通のトレーニングとは別にね。
前代未聞は2度起きる?
飯伏幸太選手はオカダ・カズチカ選手(外道選手)が2012年に考案した権利証システムのジンクスを破ってしまった男である。
権利証はこれまでに一度動いていなかった。つまり、権利証の防衛戦ではじめて敗れたのが飯伏幸太選手なのだ。
とても不名誉なことであるわけだが、前代未聞という文脈で考えればいくつか見えてくることがある。
権利証を持っていない飯伏幸太選手が挑戦権利証を持っているジェイ・ホワイト選手にリベンジするためには、内藤哲也選手に勝つしかないのだ。
もう一歩踏み込んでいえば、飯伏幸太選手がリベンジするチャンスは一度しかない。ここを逃せば疑惑の判定が有耶無耶のままに終わることになってしまうのである。
2020年の東京ドームで2連敗した飯伏幸太選手だけに2連勝する可能性は十分にあり得る。
掟破り破りのデスティーノやブレードランナーが炸裂し、新しい神になるか。
いよいよその一つ目の答えが明日出る。
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