ジェイ・ホワイトが見せた人間味と先輩からの激励

ジェイ・ホワイトが見せた人間味と先輩からの激励ついて書きたい。

イッテンゴ、東京ドームで「IWGPヘビー＆インターコンチネンタルWチャンピオン」飯伏幸太選手に敗れたジェイ・ホワイト選手。

凱旋帰国後、一気にスターダムを駆け上がり、2021年は東京ドーム大会のメインイベントを務めた男にまで成長したが、そのメンタルは常にギリギリのところにあったのかもしれない。

飯伏幸太選手に敗れた後のバックステージで「ジェイミーだ」と前置きし、今まで語られることの無かった本音を語りはじめた。

「やめてやる！もうやめてやる！」と叫びだす始末。ギリッギリのところで張り詰めていた系が切れたかのように、情緒不安定になってしまった。

2018年以降の新日本プロレスにおいて、間違いなく欠かすことのできないレスラーであるジェイ・ホワイト選手。

今日はそんな彼について書いていきたい。

WRESTLE KINGDOM 15 in Tokyo Dome Night2 Jan.5 2021 6th match Backstage comment! 'NEW YEAR DASH!!' IS TONIGHT!

1/5(火) #wk15day2 のBSコメントを《特別》先行公開！そして本日18時30分からは #njdash を生中継‼️

ジェイ「もうやめる！やめてやるよ！」#njwk15 #njpwworld @JayWhiteNZ pic.twitter.com/QhR3mFYh0G
— njpwworld (@njpwworld) 2021年1月5日

期待されるのは嫌じゃない
心の叫び
先輩たちから熱い言葉

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期待されるのは嫌じゃない

ジェイ・ホワイト選手は時代に選ばれた男だ。

アスリートプロレス時代に“ヒールの棚橋プロレス”を体現し、プロレス脳の高さで今の地位を築き上げてきた。

もしも彼が台頭していなければ...と考えるだけでゾッとする。青い瞳のヤングライオンの覚醒は必然のようであり、時代がもたらしたギフトだったのだ。

彼はとにかくメンタルが鋼のように強い。プロレスを3年も見ていれば何となく分かるのだが、プロレスラーも超人とは言えやっぱり人の子。大舞台で緊張したり、普段の試合ができないケースもある。

そんな中でジェイ・ホワイト選手は早いタイミングから大舞台での強さを見せつけてきた。

2019年の東京ドームでオカダ・カズチカ選手を破ると棚橋弘至選手から「IWGPヘビー級ベルト」をいきなり奪取。

その後はマディソンスクエアガーデンのメインイベンターを務めた。

隣に外道選手を従えても喋らすことはない。最低限の介入とセコンド業務のみのサポートに留まらせている。

プライドとこだわりが彼をここまで大きくした。

そして、2021年の東京ドームに万全のコンディションで上がり、新日本プロレスの頂点に立つ。...筈だったのだ。

心の叫び

飯伏幸太選手との大一番に負けたジェイ・ホワイト選手。昨年もイッテンヨンのセミファイナルで内藤哲也選手に敗れ、「俺はこれから何をしたらいいんだ？　俺の未来はどこにあるんだ？　まさか俺が負け犬になるなんて思ってなかった」と心を吐露していた。

ただし、2020年の東京ドームで敗北した時は隣にいた“フィクサー”外道選手が姿を消していた。

なぜ、一番支えが欲しいタイミングでバックステージにいなかったのか。常に勝ち馬に乗る人の道を外れた男。イッテンロクではセコンドについていたが、現在の目論見は不明なままだ。

オマエらは『スイッチブレード・ジェイ・ホワイト』の話を聞きたいんだろうが、申し訳ない、今話しているのは（※本名の）ジェイミーだ……全てを犠牲にし、ニュージーランドを出て、もう3年半、両親にも会ってない。（※以下、泣き声で頭を抱えたり、突然大声になって叫ぶなど、不安定な状態に）それだけの時間をかけて、俺は自分自身をプロレスに捧げてきたんだ！自分を信じて、自分に何ができるか、心の中、頭の中で分かっていることを体現したつもりだった！でもそんな信念なんて、儚く崩れやがった！今こそ自分の時間、自分の運命を生きる時だと思っていた。もうすぐで神になれたはずだったのに！全部間違ってたんだ！そんな姿を見て、オマエら、楽しいだろう？俺は間違ってたんだ！（※声を上げて泣く）去年もそうだった。そして今年も、俺に対する答えはノー。“NEW ERA”、新時代なんて全然来てなかったんだ……（※泣きながら笑う）。どうだオマエら、それを聞いて満足か？俺は日本に来て、俺の大事な時間を無駄にしてしまったんだ！パンデミックもあったしな！全部犠牲にした！（※何度も机を叩きながら）犠牲、犠牲、犠牲！ついに『WRESTLE KINGDOM』のメインに出ても、結果は残せなかった！それどころか今はどん底だ！自分が捧げてきたもの、犠牲にしたものは何だったんだ？俺はそんなに価値のない男だったのか？なぜ俺はここにいるんだ？
もうやめる！やめてやるよ！もうこんなものに価値はない！クソッ！クソッ！（※と、目の前の机を2つとも蹴り飛ばすと、イスごと床に崩れ落ち、足を投げ出して床に座り込む）もう無理だ……。もうやりたくない……。明日だってどうなるか分からない。契約上は出場することになっているが、どうなるかなんて分からない。どうせオマエらは俺の惨めな姿を見るのが好きだから、明日も楽しみだろう？だがもうやりたくない……。8年間頑張ってきたが、もう無理だ……。負けて惨めな姿を明日も晒すかもしれないが、それ以降のことはもう何も言えない……。（※床に座り込んだまま）おい、助けてくれ！おい！（※スタッフが駆け寄り、肩を貸して控室へ連れて行く）」

出典：新日本プロレス

思えば「マディソンスクエアガーデンをフルハウスにした！」と飽きるほど繰り返していたが、あれも自己暗示だったのかもしれない。

自分ならばできる。自分にしかできない。自分は世界で最高のレスラーだ。

自らを鼓舞する時に過去の実績を思い出すのは決して珍しいことではない。あなたにもそういった経験があるはずだ。