棚橋弘至の2021年東京ドーム大会振り返りが素晴らしかった

棚橋弘至の2021年東京ドーム大会振り返りが素晴らしかった。2020年1月9日、Instagramでの初単独ライブ配信をスタートさせた棚橋弘至選手はまず、飯伏幸太選手について触れた。

「心技体が揃った飯伏くんが素晴らしかった。2021年を引っ張るのは彼だ」

新日本プロレスのエースであり、長年団体を牽引した逸材が飯伏幸太選手に太鼓判を押した。

技と体は完璧。ただ、彼は心が弱かった。そこが致命的な弱点だったと棚橋弘至選手は振り返る。

飯伏幸太選手の弱点は心...。振り返ってみると、2019年の「G1クライマックス」で優勝したものの、東京ドームでは2連敗。その前年もウィル・オスプレイ選手に完敗。

中邑真輔選手との「IWGPインターコンチネンタル選手権試合」も内容はベストバウトだったが、勝ち切ることができなかった。

興行を盛り上げるジョーカーとしては完璧。ただ、新日本プロレスを背負う存在としてメンタルに課題がある。これが棚橋弘至選手が考える飯伏幸太選手だったのかもしれない。

番組中、棚橋弘至選手は「キッカケ」は与えたと口を開いた。

改めて考えると棚橋弘至選手と飯伏幸太選手がタッグチーム“ゴールデン☆エース”を結成した際、「今度はお前が神になれよ!!」「なってやりますよ!」とお互いの感情を確かめあったシーンがあった。

あれから1年。飯伏幸太選手は「神」というワードにこだわり続け、東京ドーム大会を通じて“本物の神”になった。

「元IWGPタッグ王者」の“ゴールデン☆エース”。今振り返ると、飯伏幸太選手がエース(神)を引き継ぐために必要な儀式だったのかもしれない。

 

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内藤哲也の悔しさ

「厳しい時代の東京ドーム大会。初日にメインを務め、2020年をチャンピオンとして引っ張ってきた」

内藤哲也選手が苦労して、苦労してようやくトップに立ち、これからという時に社会状況が大きく変わってしまった。

よくよく考えてみると、2016年〜2017年の大内藤ブームの時はトップに立っていたというよりも、トップに上り詰める過程でムーブメントが起きていたように思う。

ベルトを投げ捨てて、(俺は)ベルトを超えた存在になってしまった、と語っていたりした内藤哲也選手は人気が爆発しているレスラーであっても決して主役ではなかったのだ。

主役になると言わなくなった内藤哲也選手に主役になってほしいと言ったファン。その心が届き、新日本プロレスの主役に返り咲くことを決意した内藤哲也選手は2019年に「二冠」というテーマを設け、主役になる道を作り上げたのだった。

KENTA選手に襲撃を受けたり、EVIL選手に裏切られたり。そもそも試合自体ができなかったり。

2020年の新日本プロレスで一番の災難に襲われたのが内藤哲也選手だったのかもしれない。

そんな中でも、東京ドームで飯伏幸太選手に破れた際には、自ら2本のベルトを直接手渡した。

「主役も楽じゃないんでね」そう言わんばかりの表情を浮かべつつ、メインイベントのリングを降りた内藤哲也選手。

その辛さを誰よりも理解していたのが棚橋弘至選手だったのかもしれない。

「内藤がチャンピオンの時に挑戦したかったな」そう考え深い表情を浮かべる棚橋弘至選手。「いいレスラーになったね」としみじみ語る姿にちょっと目頭が熱くなってきた。

 

グレート-O-カーン

「凱旋帰国とはプロレスラーの華。レスラーとしての色を付けて帰国する。そして、華々しくトップ選手に加わるのがいわゆる定番。グレート-O-カーンの凱旋は非常に厳しい凱旋帰国だった。鳴り物入りできたわけではない」

棚橋弘至選手はさらに「しれっと凱旋帰国した」と語った。

“ロッポンギ3K”やジェイ・ホワイト選手は帰国した最初の試合がタイトルマッチだった。先輩レスラーとの大一番で弾みを付けて一気にトップ戦線に殴り込みをかける。

これが凱旋帰国の定番ルートである。

グレート-O-カーン選手は棚橋弘至選手の目から見ても「試行錯誤が見られる」と語る。

好きなものは好きと発信する。

「188センチという上背、迫力のある動き、強面の顔。全てがレスラーとしての財産。これからグレート-O-カーンは新日本プロレスの中心になっていく選手だと戦ってみて思いました」

気持ちが緩んだのか。気分がいいからなのか。素直にグレート-O-カーン選手への気持ちを語る棚橋弘至選手。

あしたのジョーで矢吹ジョーと力石徹は14回しか会話をしていない。ただ、拳と拳で心はつながっていた。

棚橋弘至選手が凱旋帰国したヒールレスラーについてここまで絶賛のメッセージを出すのは、とても珍しいことである。

これからのグレート-O-カーン選手に期待せざるを得ない。と、この配信をしっかりとチェックしているのがグレート-O-カーン選手だ。Instagramでは献上品を持ってこいとメッセージを残していた。

人生は長い。いつの日か彼等が2人で食事するシーンが訪れることを勝手に願っている。

 

 
 
 
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2021年の逸材

鷹木信悟選手との「NEVER」が注目される棚橋弘至選手。

ジュニアから無差別級、そしてヘビー。新日本プロレスに参戦後階級を変えながら己の力を見せつけてきた鷹木信悟選手にとって大一番になることはまず間違いない。

一方で棚橋弘至選手から見ても、非常に大切な一戦になる。

なんと最後に新日本プロレスのシングルベルトを巻いたのが2019年の「IWGPヘビー」。シングルベルトという意味では2019年夏の「ブリティッシュ・ヘビー級」が最後になる。

2020年は一度もシングルベルトを腰に巻くことがなかった逸材にとって、今回の挑戦は非常に大きな意味を持っているのだ。

「NEVER無差別級王者・棚橋弘至」

もしも、棚橋弘至選手が鷹木信悟選手を破り、「NEVER」の創始者である内藤哲也選手が絡んできたりしたら...。

そういった妄想を繰り広げるだけで今から堪らない。

これからの棚橋弘至選手にも期待せざるを得ない。

最後に。

これが36歳最後のブログ。棚橋弘至選手がテーマでよかったです。明日は37歳の僕で皆さまに会いたいと思います。

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