令和の新日本プロレス史に残る一大事件が起きた
令和の新日本プロレス史に残る一大事件が起きた日となった。
僕は基本的に同じネタを連日投稿することはない。正直、今日投稿するはずのコラムも半分は昨日の段階で書き終えていた。
現在の時刻は朝の6時37分。気持ちの整理が追いつかず、ふて寝したが全く気持ちが収まらないため今の気持ちを書き残しておく。
ご存知の方も多いと思うが、ジェイ・ホワイト選手が新日本プロレス公式サイトのプロフィール欄から消えた。
プロフィール欄からの削除が近年で大きく話題になったのは2019年だろう。
当時、「IWGPヘビー級王者」だったケニー・オメガ選手が棚橋弘至選手との一騎打ちに敗れた。
新日本プロレスに残るのか?それとも去ってしまうのか?
Cody選手やヤング・バックス、ハングマン・ペイジ選手、マーティ・スカル選手。
新日本プロレスでも大人気を博した「ジ・エリート」はどうなるのか?
様々な憶測が飛び交う中、確か先にCody選手らのAEW旗揚げメンバーの名前がプロフィール欄から消えた。
その後、2019年5月下旬にケニー・オメガ選手の名前が削除された。
新日本プロレスは彼らの離脱に対して、特にアナウンスをすることなくプロフィールを消すという結果で情報を発信したわけだ。
新日本プロレス(に限らずだが)は状況により公式の声明を出さずに、レスラーをリリースする。この実績があるからこそ、ジェイ・ホワイト選手のプロフィール削除に真実味がありすぎるのだ。
“You deserve it”
— Switchblade (@JayWhiteNZ) 2019年2月12日
I already knew that I deserved this. I’ve been saying it for a long time now.
I don’t need your words, opinions, or praise to validate what I’ve known all along. 🗡 #Breathe pic.twitter.com/JnpBDiVYqC
ベビーとヒール
中邑真輔選手やKUSHIDA選手は新日本プロレスを退団する際に記者会見が開かれた。
当時はもう「CHAOS」もヒールという立ち位置ではなくなっていたため、ベビーフェイス側で長年活躍したレスラーにはこうした花向けが贈られるのだと思う。
初代ボーン・ソルジャーさんがヒールになってから退団したのはこうした背景があったからなのか。それとも...。
ただ、ヒールだからと言って別れの時間がないと言えばそうではない。
プリンス・デヴィッド選手やAJスタイルズ選手、カール・アンダーソン選手らはキチンとファンとの別れを惜しむ時間が設けられていた。
ベビーフェイスは記者会見と壮行試合あり(例外あり)。ヒールは記者会見こそないがお別れを伝える時間はある。
他団体を立ち上げるという完全に同業他社になる場合を除き、一人のレスラーがステージを変えるタイミングでは寛容な姿勢を見せてきたのがこれまでの新日本プロレスだった。
プロフィール削除の怖さ
新日本プロレスから退団発表すること自体が稀。プロフィール欄の削除は退団した結果をドキュメントではない形で通知する術である。
つまり、今回のジェイ・ホワイト選手のプロフィール欄削除は、これまでの流れだけを見ると退団を意味することに他ならない。
なぜならば、選手個人がSNSで発表したり、発信したりする範疇を超えているためだ。
新日本プロレスのスタッフがCMS(コンテンツマネジメントシステム)をいじらなければ削除はない。
今回のジェイ・ホワイト選手の件が一大事なのはこの点なのだ。
仲間だけどライバル
新日本プロレスに舞い降りた新しい“ロックスター”ジェイ・ホワイト選手。
先代リーダーが提唱したアスリートプロレスとは一線を画すずる賢く、狡猾で上手いプロレス。
まだ早いんじゃない?そんな声もある中で気付けば彼に魅了されていた。
ジェイ・ホワイト選手は完成度が高すぎるヒールだった(過去形で書くのもあれだが)。
近年、ヒールレスラーのベビーフェイス化が顕著である。
日本のプロレス史を紐解くと、本来ヒールとは肩入れする相手ではない。
仮面ライダーのショッカー(の怪人)に感情移入することがない(※ゼロではない)ように、ヒールは悪であり倒すべき敵なのだ。
ただ、昭和から平成、令和となる中でライバルや敵という概念も徐々に変化していった。
TVアニメ「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」で「仲間だけどライバル」というフレーズが出たが、これが“今”の時代を的確に表現した言葉だと僕は思う。
「仲間だけどライバル」
オカダ・カズチカ選手とSANADA選手、内藤哲也選手と飯伏幸太選手。高橋ヒロム選手とエル・デスペラード選手。
棚橋弘至選手と中邑真輔選手。柴田勝頼選手と後藤洋央紀選手。
「仲間だけどライバル」がバチっとハマる関係はないだろうか。
ケニー・オメガ選手が飯伏幸太選手“ゴールデン☆ラヴァーズ”を再結成した瞬間からベビーフェイスになったのは、「仲間だけどライバル」に当てはまる形になったからだと思う。
大切なのはここからだ。
ジェイ・ホワイト選手にはライバルがいない。敵は居てもライバルがいないのだ。
ジェイ・ホワイト
ジュース・ロビンソン選手とデビッド・ファンレー選手が本来であればライバルに位置する、はずなのだがジェイ・ホワイト選手の成長が速すぎだ。
棚橋弘至選手の言葉を借りれば「俺の進化は光より早い。むしろ、光だ(※遅くなってない?)」という感じ。
オカダ・カズチカ選手、内藤哲也選手、飯伏幸太選手ら先輩レスラーと対峙しても常にヒールレスラーとしての実力を遺憾なく発揮してきた。
EVIL選手が“バレットクラブ”に移籍した後もさほど絡みがなかった。「G1クライマックス」の後半でお互いがメッセージを送る展開こそあったが、直接対決はもちろん無し。
和解しているのかどうなのかも分からない状況のままであり、もちろんライバル関係になんてなっていない。
ジェイ・ホワイト選手は2018年以降、孤独に革命を推し進めていた。ただ、NEWERAが訪れることは無かった。
彼のメンタルは限界に来ていたのかもしれない。
バレットクラブ
最後に。
これまで「バレットクラブ」は追放や分裂という形でリーダーの交代劇やユニット再編を果たしてきた。
今回、ジェイ・ホワイト選手はこれまでの方程式に当てはまらない。
既にWikipediaはジェイ・ホワイト選手を退団とし、EVIL選手が5代目リーダーと書かれている。
ここに3つの道がある。
まずは、「8年間頑張ってきたが、もう無理だ……。負けて惨めな姿を明日も晒すかもしれないが、それ以降のことはもう何も言えない……。」というメッセージ通り、しばらく表舞台から姿を消すということ。
次は、他団体で活躍するジェイ・ホワイト選手を応援するという道(お別れがなかったということはWWEではない団体になるはず)。
最後に会社を巻き込んだ一世一代の仕掛けだ。
新日本プロレスで暗躍するフィクサー・“人の道を外れた男”とジェイ・ホワイト選手が仕掛ける極上の一手。
新日本プロレスに所属している状態ではできない動きがある。
「バレットクラブ」の名前を使っている海賊たちがいる。
もしも、そこにジェイ・ホワイト選手が“そのままの姿で”現れたらどうだろう。
「IWGP USヘビー級ベルト」を持ったチャンピオンがあの団体にはいる。
表向きは新日本プロレスに所属していないレスラーであればできる次の動きがある。
スイッチブレイドはヒットマンとり、海賊狩りを行うために姿を消した...。
と、ここまで妄想を膨らませてみたが、本当に前例がないので何も分からない。
本当にやめたかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
ただ、これだけは間違いないのがジェイ・ホワイト選手に圧倒的な注目が集まっているということ。明日から新シリーズがスタートする新日本プロレス。
本当に何が起きるのか分からない状況である。
今は「『IWGP』の統一よりも俺の画像がプロフィールから消えただけでお前たちはあんなに慌てふためいていたじゃないか」といつも以上の勢いでまくし立ててくることを願うばかりである。
★新着記事★
→【ランキング参加中】人気プロレスブログはここからチェック!【クリックで応援お願いします】