SHOの存在が大きくなればなるほどYOHが気になる
SHOの存在が大きくなればなるほどYOHが気になるという話を書いていきたい。
“ロッポンギ3K”のSHO選手が絶好調だ。
2020年は因縁の相手である鷹木信悟選手を破り、「NEVER無差別級王者」に挑戦。「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア27」では高橋ヒロム選手から初勝利を飾るなど大健闘を果たし、優勝決定戦までもう一歩というところまでたどり着いた。
YOH選手の負傷と現在の社会情勢から来るタッグパートナー不在という問題と危機が、彼を一段階上のレスラーへの誘う呼び水となったのはまず間違いない。
よくよく考えるとSHO選手は以前「シングルでやりたい」と口にしていたことがある。
また、思いっきりシングルを戦えるチャンスである「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」ではコスチュームや髪の色を変えてきて、ビジュアルからアピールも欠かさなかった。
“ロッポンギ3K”が順調である中でのシングルプレイヤー活動。限られた時間の中で積み重ねてきた信頼とパフォーマンスが今の状況を生み出したのだと思う。
シングルプレイヤーとして大躍進したSHO選手。一方で、長期欠場を余儀なくされているYOH選手。今日はそんな2人について考えていきたい。
今年最初のしびれない話
— SHO Roppongi3k (@njpwShowT) 2021年1月16日
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人の支えになるレスラー
“ロッポンギ3K”がホーム。シングルプレイヤーが自由に自分を表現できる場。この二刀流でこれまでSHO選手は実力を発揮してきた。
SHO選手はとにかく物語生(主人公性)が強い。
あの高橋ヒロム選手が「SHOはSHOのままでいい」と語るほどに、彼のひたむきさと闘志はファンの心を奪う魅力を持っている。
結果、今シリーズでは高橋ヒロム選手との「IWGPジュニアヘビー級選手権試合」が決定。もしも勝利することができれば、飯伏幸太選手またはSANADA選手との試合(旗揚げ記念日)が実現する可能性もあるため、絶対に目が離せない展開になってきている。
大好きな飯伏さんと打倒・SANADA。勝利した瞬間に夢が一気に近づいてくる。これが彼が持ってるストーリーテーリング能力、彼独自の求心力というものだろう。
人の支えになるレスラー。2020年の新日本プロレスを締めくくった(最後にピンフォールを奪った)彼が掲げた大きな目標へ一歩、一歩と進んでいる印象を受ける。
ハンサムなレスラー
インターネットが発達し、スマホが普及し、いろいろなモノが形を変えたり、ビジネスモデルも大きく変化した。
タレントのあり方も大きく変わった。芸能人だけではなく、YouTuber(日本で言えばかつてのニコ生主が市民権と稼げる環境を手に入れた存在)が台頭。専門の分野を持ちつつ、YouTubeで動画を配信することも決して珍しいものではなくなった。
逆に言えば、誰もが手軽に情報を発信できる世の中になり、ファンとタレントいや、敢えてスターと書こう。ファンとスターとの距離はグッと縮まった。
堀口恭司選手が話題になったカーフキックについて専門誌やマスコミに語る前に自分のYouTubeチャンネルで語っている姿を見ると、自分でメディアを持つというのはこういうことかと痛感させられる。
今の時流にマッチした戦略。マネタイズ。素晴らしいと思う。
ただ、一方で昭和の時代に存在した“スター”が生まれにくい世の中になってきようにも思う。ミステリアスでどこか掴みどころがない。分からないから知りたくなる。ステージに立つとパッと華が咲いたように輝くが、私生活が全く見えない。
そんなスター。僕は怪我から復帰したYOH選手に大きく期待している。
プロレスラーにおいて逆境は大きければ大きいほど乗り越えた時の揺り戻しは大きいものになる。内藤哲也選手と同じ怪我を負ってしまった今だからこそできるプロレスがきっとあるはずなのだ。
どこか昭和のハンサムを彷彿とさせるような雰囲気。明るく雲のように掴みどころがないだけでなく、今回の怪我で少し影ができた。
例えるならばジュリー(沢田研二さん)の「勝手にしやがれ」だ。
大スターのジュリーに敢えて男のやせ我慢をテーマにしたようなギャップのある歌を表現させる。ここに人々はシビれるのだ。
今回の怪我を通じてYOH選手は、退廃美を漂わせた色気をまとうことができると僕は思っている。
SHO選手が主人公性で引っ張るのだとしたら、YOH選手はどこかミステリアスで色気を放つ存在へと進化してくる。
矢野通選手のYouTubeチャンネルに電話出演したり、棚橋弘至選手のInstagram(ストーリーズ)に見切れていたりと時折表に出ていることも全部がプラスだ(今の時代、完全に出ないと忘れ去られてしまう)。
SHO選手が階段を登れば登るほど、YOH選手が復帰した時への期待につながっている。これがタッグという関係にある2人ならではの世界観なのだろう。
ジュニアと東京ドーム
“ロッポンギ3K”と高橋ヒロム選手、エル・デスペラード選手が同年代(ならず者は年齢不明だが、同期と言っていたので含めることにした)にいることが新日本プロレスにとってとてつもない財産だと僕は思っている。
今回のイッテンゴで「IWGPジュニアヘビー」はセミファイナルにまで格を上げた。この先にあるのはメイン。つまり、2022年以降のメインイベントに「IWGPジュニアヘビー」が来る可能性は限りなく高いと僕は思っている。
実際、飯伏幸太選手が2日連続のメインについて「限界」と公言している点からも、こうしたチャレンジをしてネガティブな要素はないはずだ。
その時にメインイベントで戦うのがこの4人になるはずなのだ。
高橋ヒロム選手とエル・デスペラード選手の「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア27」優勝決定戦は個人的な2020年のベストバウトであり、2人のライバル関係はこれからも続いていくだろう。
そして、いつかどこかで実現するはずの“ロッポンギ3K”対決。その日が来ることを願いつつ、今日は筆を置きたいと思う。
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