マスター・ワトに逸材が語ったメッセージの歴史と意図

マスター・ワトに逸材が語ったメッセージの歴史と意図について書きたい。

2020年にメキシコから凱旋帰国を果たしたマスター・ワト選手。そんな彼は今、多くの先輩からあれやこれやと言われる自体に陥っている。

「気持ちが見えない」、「置きにいってる感じがする」、「殻に閉じこもっている」など中々厳しい指摘が続く。

世界の獣神サンダー・ライガー選手からも太鼓判を押されるほどのポテンシャルを持ちながら、何か突き抜けきれない。ただでさえ、緊急事態の帰国にも関わらず、リング上でも苦境に陥っているのだ。

少し直近のヤングライオンの凱旋を振り返ってみたい。

“キング・オブ・ダークネス”EVIL選手や高橋ヒロム選手らは“ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン”旋風を担う1人として帰国早々大車輪の活躍を果たした。

“ロッポンギ3K”の2人は凱旋帰国試合でいきなり「IWGPジュニアタッグ王者」に輝き、キャラクターや立ち位置、ビジュアルを細かく変えながら進化と成長を続けてきた。

ジェイ・ホワイト選手に至っては“バレットクラブ”のリーダーに立ち、東京ドームのメインイベンターにまで飛躍している。

そして、グレート-O-カーン選手だ。マスター・ワト選手と同じく2020年に凱旋帰国をはたすと、リング上でもTwitterでもとにかく話題を振り撒き続けている。

解説席のミラノ・コレクションA.T.さんや尾崎リングアナウンサー、東京スポーツの岡本記者などを次々と懐柔。新ユニット“ユナイテッドエンパイア”が東京ドームで全敗したことを“スラム街”と比喩し、ゼロからのスタートを改めてアピールしている。

マスター・ワト選手が持つ大きすぎる才能と可能性を加味すると、誰しもが「あーでもない、こーでもない」と言ってしまいがち。これは小言が言いたくなる世代のハートをギュッと掴んだという見方もあるが、それが通用するのも数年だ。

新日本プロレスのエース・棚橋弘至選手はマスター・ワト選手にこう語った。

「もっと生意気になっていいよ」と。これは過去に逸材自身が受けたアドバイスだった。

 

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棚橋弘至とタイガー服部

「Youはもっとカーキー(生意気)でいきなよ」

棚橋弘至選手はブレイク前夜、タイガー服部さんからこんな言葉を受け取ったらしい。

今回、マスター・ワト選手が受け取ったアドバイスは棚橋弘至選手が覚醒したメッセージと同じだったりするのだ。

「俺の方が強えぇ!、俺の方がカッコいい!、俺の方がすげぇ!、そっちの方が、応援しがいがあるから。な! もっと生意気に」

応援しがいがある。何気ない一言だが、この言葉に引っかかった。

確かに単なる優等生は応援されない。どこがか出っ張ってたり、どこかが凹んでいたりするところが魅力につながっていく。

逸材は過去の自分を振り返り、今のマスター・ワト選手には過去の自分のように、生意気さが必要だと考えたのではないだろうか。

タイガー服部さんの言葉を受け取った棚橋弘至選手はとにかく生意気な発言を連発した。

www.njpwfun.com

※なぜかこのタイトルにも関わらず、タイガー服部さんをテーマに色々と書いていたので、ちょっと目を通して見て欲しい。超絶生意気なコメントばかりだった。

 

グランドマスターと仮面ライダーメテオ

これは個人的な感覚なので、全然違うという見方もあると思う。

僕は新日本プロレスのレスラーとヤングライオンにはプロ野球選手と高校球児の違いがあると思っている。

お金の話や年間の試合数、チャンスが限られている甲子園...という話ではない。

一生懸命に直向きに頑張って見ている人というのはそれだけで、誰かの心を揺さぶる力を持っている。※その例えとして、高校球児が分かりやすいかなと

一方で、ヤングライオン以外のレスラーはひたむきに頑張って、熱さを魅せるだけでは不十分である。

試合を見たファンの感情を様々な角度に揺さぶることが必要なのだ。

ズルいことや反則をしたりして、ファンのヘイトを買うのも一つ。その結果、ヒーローがもっと輝くという役割分担だってある。

僕はギャップこそが最強のコンテンツだと思っている。

あれだけ強面でリング上を暴れ回っているグレート-O-カーン選手が“声優”というワードをチラつかせただけで、とことん焦る様はクスりとしてしまうし、彼だけの魅力なのだ。

チャラ男キャラで売り出しを行った棚橋弘至選手もその一つだろう。今のマスター・ワト選手にはギャップがない。そこで、棚橋弘至選手は生意気さを提案することで、一つキャラクターの枠を広げようとしたのではないだろうか。

よくよく考えると、“グランドマスターを目指すもの”が好青年って優等生な雰囲気がすごい。

ここに生意気さを加えることで、“生意気なカンフー小僧”というブランドだって生まれる。旋風脚やソバットなどの技を繰り出すときにベタだが「アチョー!!」と言ってもいいのだ。※グレート-O-カーン選手がモンゴリアンチョップの際、奇声を発するように

....カッコいいのか?と言われると、複雑な顔をする方も多いと思うが、突き抜ければそんなことはまったくない。

仮面ライダーフォーゼの朔田流星/仮面ライダーメテオ(演:吉沢亮さん)は技を繰り出す度にブルース・リーをオマージュしたような掛け声をしていた。

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生意気路線か優等生路線か

生意気にビッグマウスで上を目指す“カンフー小僧”。

現在、天山広吉選手がセコンドについているが、優等生的に「はい!はい!!」と答えるのではなく、天山広吉選手が喋り倒した後にこんな感じのコメントを残したらどうだろうか?

「ほんま、あのディーバは話長いな。まぁ、俺のオカンみたいなもんやから。オトンやなくてオカンっぽやろ?まぁ、ええわ。んで、次の相手はBUSHIか。あんなスネ夫に興味はないねん。俺のお陰でメインに立ててよかったな。前から思ってたんやけど、何でアイツはチャンピオンでもないのに入場曲流れんねん。新日本プロレス、俺が勝ったらアイツだけ特別扱いするのやめーや。じゃ、今日もクンフー磨きますんで。ほな」

みたいな。BUSHI選手のファンはブチ切れるだろうし、一部の層からは圧倒的な指示を得るはずである。

ただ、皆でグランドマスターに育てよう!というコンセプトからは完全に外れてしまうので考えものではあるのだが...。

最後に。

最近、マスター・ワト選手の肉体が大きく変化している。次を見据えて肉体改造しているのは間違いない。

SHO選手は鷹木信悟選手が新日本プロレスに来た最初の試合で負けたことから因縁を作った。

マスター・ワト選手も棚橋弘至選手からアドバイスを貰った直後の大切な試合で、嘘だろみたいな体制から“ラスト・オブ・ザ・ドラゴン”を見舞われて3カウントを奪われた。

いちばん大切なタイミングで負けた。ここから因縁を作っていこう。絡まれて因縁を生むではなく、自分から星座を作っていく。マスター・ワト選手の挑戦はまだまだはじまったばかりだ。

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