“UNITED EMPIRE”と“テンコジ”がこんな展開になるとは

“UNITED EMPIRE”と“テンコジ”がこんな展開になるとは誰が想像しただろうか。

2021年1月6日、グレート-O-カーン選手のTTD(テンザン・ツームストンパイルドライバー)がクリティカルにヒットし、欠場に追い込まれた“猛牛”天山広吉選手。

そんな彼が戦線に復帰するや否や、こ僕がこれまでに見たことがない“怖い天山広吉”が姿を現した。

大田区体育館では、試合途中後半に椅子を持ち出すとグレート-O-カーン選手を滅多打ち。

本当に文字通りの滅多打ちだ。「嘘でしょ!?」という勢いで振り上げて「マジかよ!」というスピードで振り下ろす。

“イス大王”と呼ばれた栗栖正伸選手を彷彿とさせるのほどのハードヒット(椅子)で、椅子が完全にぶっ壊れていた。

そして、グレート-O-カーン選手の背中にはまるでデスマッチを戦った後のような傷跡が...。

プーンと不穏な匂いが漂ってきたと思いきや24日は3分39秒、25日は2分25秒で試合が終了。それぞれノーコンテストというここ数年の新日本プロレスでは、ほぼ見なかった結果が続いている。

勢いで考えると“UNITED EMPIRE”が圧倒的に有利なのは間違いない。ただし、特別ルールが絡んだ瞬間に結果が大きく変わるのもプロレスの魅力だ。

ウィル・オスプレイ選手と小島聡選手は反則裁定ナシの“ノーDQマッチ”。

グレート-O-カーン選手と天山広吉選手は敗者モンゴリアンチョップ封印マッチが決定した。

 

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新日本プロレスで一番やさしい人

僕は勝手なイメージとして新日本プロレスで一番やさしいレスラーは天山広吉選手だと思っていた。中西ランドで見る穏やかで優しい表情と対応。リングとは打って変わって、とても優しい雰囲気が漂っていた天山広吉選手だけにキレるとここまで怖いのかと面食らった。

正直に言って“怖さ”という意味では一番怖いかもしれない。

普段優しい人が怒った時が一番怖いとよく言うが、天山広吉選手の場合は本当にそれだ。

このコメントを見ていただきたい。動画だとさらに怖い...。

天山「ああ、オーカーンよ! こんなもんで済むと思うたら大間違いやぞ! オイ、オーカーン、お前どうなるかわかってんだろうな? わかるんか? おう、わかるまでやってやるよ! ぶちのめしてやるよ!(と激昂して、水の入ったペットボトルを床に叩きつける)。

おい、お前、よくやってくれたな、1月6日。お前のおかげで、お前の顔がちらついて寝れへんのじゃ。首は痛いし、頭痛いなッ! オイ、クソ野郎が。お前な、こんなもんでやり返したと思うたら大間違いやぞ。まだまだやんぞ、オラ! 何でもできるんじゃ、オイ! その気になったら。本気になんぞ、オイ! 来いよ、やってやるよ! おお、タッグもええけどシングルや! せいぜいそれまで首をぶちのめしてやるから。俺もやられたけど、関係ない。10倍、100倍、1000倍返しじゃ、ボケェッ! ああ、オーカーンよ、お前ふざけとったらあかんぞ! やすやすとモンゴリアンチョップ使いやがって。バカ野郎。お前に使われるほどな、飢えてへんのじゃ! 本物は俺のもんしかないんじゃ。ふざけんなって、オラ! おい、覚悟しとけ。何がUNITED EMPIREだ、バカタレ! オスプレイもビーもなんじゃって。チャンチャラおかしいよ。俺一人で潰したるよ。まあコジがヘルプしてくれたけど、一人でもやれる。
オーカーンよ、ふざけんなよ、オラ! もうここまで来たら、もうこれ以上させんなよ。名古屋、シングルマッチ、そこまで保つか? マッチメイク変えとけ。明日でもやってやるよ、オラ! クソッタレがこの野郎! フ〇ック!

出典:新日本プロレス

youtu.be

 

モンゴリアンチョップ

モンゴリアンチョップ――。

天山広吉選手が長年愛用してきた技であり、グレート-O-カーン選手の代名詞になりつつあるモンゴリアンチョップ。

相手の首筋目掛けて両の手を超スピードで振り下ろす。インパクトも相手へのダメージも十分な大技だ。

モンゴリアンチョップはもともとキラー・カーンさんの技。その後、天山広吉選手が越中詩郎が率いる平成維震軍から再三にわたるスカウトに対し、握手するフリをしてモンゴリアンチョップを見舞うなど、彼の代名詞として長年使われてきた。

そんなモンゴリアンチョップに新しい継ぎ手が登場したのが2018年のこと。いきなりイギリスに現れたグレート-O-カーン選手がいきなりこの技を使い始めたのだ。

いつか来ると予想されていたモンゴリアンチョップ対決。まさかこんなに早く敗者が封印するというところまで来るとは予想もしていなかった。

ちなみに天山広吉選手がモンゴリアンチョップの体制に入ると、会場から(今はできないが)シューという音がこだまする。会場ではじめて聴いたときには感動したものだ。

 

新しいオスプレイ

ヘビー級に転向後、正確には“UNITED EMPIRE(THE EMPIRE)”を立ち上げてからウィル・オスプレイ選手のファイトスタイルは大きく変化した。

それまで得意としていたアスリートプロレスは鳴りを潜め、パワーとテクニック、時に跳び技を駆使した戦いっぷりに変化してきている。

以前の戦い方の方が好みという方もいるとは思う。実際、ビックリ人間コンテスト的な映えを考えるとジュニアから無差別くらいが一番目を引く戦い方だったとは思う。

それでもウィル・オスプレイ選手は変わった。その理由はオカダ・カズチカ選手を倒すという一点だろう。

惜しいところまでいっても勝てない(G1クライマックスで白星は飾ったが、流石にあれはノーカウントだろう)。

であれば何かを大きく変えるしかない。今回のノーDQマッチもこれまでのウィル・オスプレイ選手では考えられなかったものだ。

「IWGPヘビー」へと手伸ばすため、ウィル・オスプレイ選手はドンドン変わっていくだろう。

それを迎え撃つのがナチュラルベビーフェイスの小島聡選手なのだから面白い。

彼が反則裁定なしの試合で何を魅せるのか。ここも見ものである。

まさかの展開となった4人の対決。

改めて考えると、僕が学生時代に見ていた2000年代初期を彷彿とさせるような殺伐とした雰囲気に近い。

日本全体が今とは違うギラギラした空気に包まれていたあの頃。

当時の刺刺しさは今の新日本プロレスにはなかったものだ。

平成を熟知した“テンコジ”だからこのこういった空気が作れたのだろう。

グレート-O-カーン選手とウィル・オスプレイ選手が立ち向かうのは“テンコジ”であり、“平成の新日本プロレス”なのかもしれない。

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