天山広吉「技は一つ一つに魂を込めて大事に使ってほしい」に感動

天山広吉「技は一つ一つに魂を込めて大事に使ってほしい」に感動した話を書きたい。

2021年2月9日、新日本プロレス公式スマホサイトに天山広吉選手が登場。マスター・ワト選手への想いを語っていた。

天山広吉選手がマスター・ワト選手のセコンドに付き、“ディーバ”と呼ばれるようになってはや数ヶ月。改めて“猛牛”の方から語られた言葉は、後続に対する確かな愛情だったように思う。

本インタビューの冒頭で胸に来たメッセージが2つある。

天山広吉選手はマスター・ワト選手について「息子に説教している感じ」と語ったこと。もう一つが「技は一つ一つに魂を込めて大事に使ってほしい」使って欲しいと語った点だ。

このインタビューは、2021年1月中旬に実施されたということで、このタイミングではまだモンゴリアンチョップが封印される以前の話となる。

グレート-O-カーン選手とは対角線に立ち、技を強奪され、マスター・ワト選手には自らの手ほどきし、技を継承した。

今日はそんなプロレス技の意味について考えてみたい。

 

f:id:yukikawano5963:20210210120101p:plain

猛牛殺法

天山広吉選手の“猛牛殺法”は会場を大きく湧かせる力を持っている。

TTD(テンザン・ツームストーン・ドライバー)を筆頭にカルガリー遠征で開発したアナコンダバイス、モンゴリアン・チョップ(グレート-O-カーン選手との戦いに敗れ封印)...。

「OK!ブレーンバスター」の掛け声から繰り出されるブレーンバスター。ムーンサルトプレスについては、1996年に武藤敬司選手との試合に敗れ、一度は封印したものの、2002年に“天山プレス”として解禁している。

この中からオリジナルのTTDとアナコンダバイスはマスター・ワト選手に伝授され、モンゴリアン・チョップも“引き継がれた”。 

“猛牛”の歴史が詰まった技を後続が受け継いでいく。その意味は改めて考えると深くて重い。

――昨年、TTD、アナコンダバイスなど猛牛殺法も伝授されましたが、このあたりもワト選手への期待感があったということでしょうか?

天山 まあ、(『BEST OF THE SUPER Jr. 27』の前に)彼から「天山選手の技を使わせてもらいたい」って直接言われた時に、「俺の技でよかったら使ってくれ」っていう話をして、自分としても「それでいい結果がでるならそれに越したことはない」っていう気持ちもあったし、彼からも熱い想いが伝わったので、「だったら、大事に使ってくれよ」っていう感じで教えることになりましたね。

――実際に、TTDは『SUPER Jr.』でも披露されましたが、仕上がりについてはいかがですか?

天山 まず、「技は一つ一つに魂を込めて大事に使ってほしい」って、いつも口を酸っぱくして言ってるんですけど、彼がそれを徐々にわかってくれてるんじゃないかなとは思いますね。

出典:新日本プロレス

はじめてTTDを披露したのは上村優也選手との初戦。この時、子供のようにキラキラした顔をしているマスター・ワト選手に対して、天山広吉選手は極めて冷静にコメントを残しているようにも思う。

言葉は悪いが、ヤングライオン相手ならば勝って当たり前。そこで試し切りのようにTTDを使ったのが実は引っかかっていたのではないだろうか。

それもあってかアナコンダバイスは未だ未解禁のままだ(確か使ってないはず...。間違ってたらごめんさない)。

 

技を大切にするということ

僕がちゃんとプロレスを見始めてから気になっていたのは、「技の数を減らす」という価値観だ。

ベテランから若手まで少なく磨き抜かれた技で戦うことが、新日本プロレスの中で美学とされているのはまず間違いないだろう。

そう考えると、天山広吉選手が語った「技は一つ一つに魂を込めて大事に使ってほしい」という言葉はとても考え深い。

例えば、鈴木みのる選手のゴッチ式パイルドライバー。魂のかたまりだ。

以前、鈴木みのる選手は危険技が増えたプロレスにおいて、ゴッチ式パイルドライバーは膝下から落とすだけだと語っていた。

ただ、その数十センチの落下に込められた魂は、どんな派手な技にも勝る。ゴッチ式パイルドライバーが決まれば勝ち確定。まるで、ウルトラマンのスペシウム光線のように。

他にも棚橋弘至選手のハイフライ・フローやオカダ・カズチカ選手のレインメーカー、内藤哲也選手のデスティーノなども魂入りまくっている。

一つの技にこだわり、磨き、魂の純度を深めていく。

フィニッシャーを返すことができないのは、そうした技の破壊力だけでは測れない何かをモロに食らっているのかもしれない。

相手の肉体ではなく、精神を断ち切る(3カウントで肩が上がらない)ために魂が必要だと考えると、技を大切にする理由が見えてくる気がする。

“猛牛”天山広吉選手の言葉は深い。

 

今日の相手はBUSHI

本日の広島大会でマスター・ワト選手はBUSHI選手と激突する。

後楽園大会の試合後、バックスデージではマスター・ワト選手は「マスクを破く」と宣言。虎ハンターならぬ“BUSHIハンター”襲名となるか。

それにしても、マスター・ワト選手の身体つきがどんどん変化してきている。

凱旋帰国当初を比較すると、別人のレベルでビルドアップが進んでいるように思う。

グランドマスターへの道へ一歩一歩と進むマスター・ワト選手。久しぶりのシングルマッチに期待が高まる。

★新着記事★

www.njpwfun.com

→【ランキング参加中】人気プロレスブログはここからチェック!【クリックで応援お願いします】

→NJPW FUNのTwitterフォローはこちら