中島佑斗の新日本プロレスデビューと厳しさ

中島佑斗の新日本プロレスデビューと厳しさにたいて書きたい。

デビュー戦の試合時間は52秒。レスリング経験のある上村優也選手へ勢いよく向かっていったと思ったら、レフリーストップにより試合が終了してしまった。

プロレスラーは選手生命の長いスポーツだ。これから中島佑斗選手が上村優也選手とアンダーカードではなく、ベルトを争うタイトルマッチをする時に、必ずこの試合の動画が使われるに違いない。

また、悔しい経験があればあるほど、プロレスラーのキャリアに影を落とすことにつながる。

影があるから人は輝くことができる。中島選手がより輝くために必要なことがこのデビュー戦にあったのだと信じている。

そんなことを考えつつ、僕は2つのことを考えていた。

まずは、実況席に座ったSHO選手が非常にドライ(実際はドライとは表現が違うのだが)なコメントを残していたこと。

次に、レスラーとはやはり常に危険や怪我と隣り合わせの状況で試合をしているということだ。

中島佑斗選手はこの日のために数年掛かりの準備をしてきた。

新日本プロレスもその努力を認めるだけでなく、彼ならばお客に魅せても大丈夫と踏んで、セルリアンブルーのリングに上げた訳だ。

それでも、こうした事態が起こってしまう。

改めてプロレスの恐ろしさを感じると共に、普段応援しているレスラーの方々の強さを知る機会になった。

 

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これがプロの世界なので

ヤングライオンのテーマが鳴り響く中、全力疾走でセルリアンブルーのリングへ向かう24歳の新しいヤングライオン。

咆哮からすぐさま上村優也選手へ向かっていく姿勢は、彼の気性の激しさを感じさせる。

ただ、その試合は前述した通り52秒という結果に終わってしまった。

この日の解説席に座っていたSHO選手は落ち着いたトーンでこう語っている。

「厳しいんですけど、これがプロの戦いなので」

「プロはこれだけ厳しいということを心に刻んで欲しいですね」

「この身体でこれから飯を食っていくという覚悟を見せて欲しいですね」

改めて思った。彼らはギリギリのヤバい世界に身を置きながらも、更にその上で表現までしているのだ、と。

単なる勝った負けたの小さい世界ではない。試合を通じて何を表現するのかを求められるのが、プロレスラーという生き方だ。

入場時に明るく振る舞えるだけでも心臓に毛が生えているのではないか?改めてそう感じさせるエピソードとなった。

ただ、中島佑斗選手も黙ってはいない。レフリーストップの後でも上村優也選手の胸を突く。

「俺はこんなもんじゃないんだ!」その姿勢に思わずミラノ・コレクションA.T.さんも「危ない雰囲気を持っている」とコメントを残す。

こういう言い方をするのはあまり好きではないのが、中島佑斗選手は完全なヒール顔だった。

海野翔太選手や成田蓮選手の世代以降、ベビーフェイス顔が増えていたこともあり、彼に寄せられる期待も大きいはず。

試合後、上村優也選手はこうツイートした。デビュー2戦目が今から楽しみだ。

 

新世代のヤングライオン

辻陽太選手、上村優也選手に次ぐ野毛道場の新しいヤングライオンがいよいよデビューしたということで、現在のヤングライオンも次のステップへと進む可能性が出てきた。

辻陽太選手は先日のバックステージコメントでフラストレーションを爆発させている。

俺は焦ってんだよ。考えてみてくれ。俺はいま27歳。オカダさんが27歳の時どうだった? 『G1(CLIMAX)』も獲って、IWGPのヘビー(級王座)も獲って。ジェイ・ホワイト、27歳でIWGPインターコンチ(ネンタル王座)、USヘビー(級王座を獲った)。ウィル・オスプレイ、(IWGP)ジュニア(ヘビー級王座)、『BEST OF THE SUPER Jr.』、そしてイギリス(RPW)の(ブルティッシュ)ヘビー級のベルト(を獲った)。27歳だって周りを見渡せば、活躍してるやるはごまんといる。そんな中で俺は、海外遠征にも行けず、まだ黒パンをはいて道場に住んで雑用をしてる日々だ。どうにかして俺は、この現状から抜け出して、もっとトップに昇り詰めたいんだ。いや、昇り詰めてやる。新日本プロレス、あんたらが何と言おうと、俺はあんたらに吠え返してみるぞ……

出典:新日本プロレス

オカダ・カズチカ選手やウィル・オスプレイ選手は特別だから...。そうやって諦めてしまっては新日本プロレスのヤングライオンになった意味がないというものだ。

内藤哲也選手ですら20代で「IWGPヘビー級王者」になるという夢だけは叶えられなかった(新日本プロレスのレスラーになる、東京ドームのメインイベントに立つという夢は成功※ダブルメインイベントだったが)。

辻陽太選手の目標は棚橋弘至選手、内藤哲也選手を倒すこと。そのためにも中島選手に後を任せて、早期に海外遠征へ旅立つ必要があるのだ。

 

獅子の血

獅子の血がまた次世代へと受け継がれた。

今のところ、彼と同期となる野毛道場出身のヤングライオンは不在。彼1人で新世代を担う存在として生き抜いていく必要がある。

ただ、新日本プロレスの入門テストを3度落ちても、デビュー戦を勝ち取った「心の強さ」はきっとプロレスラーとしての個性と強みになるはず。

同世代で競争相手がいないのであれば、先輩に噛みつき続ければいい。

新日本プロレスに新しい獅子が令和3年のバレンタインデーに生まれ落ちた。

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