タイチのウィル・オスプレイ評に納得しかなかった

タイチのウィル・オスプレイ評に納得しかなかった話を書きたい。

現在、新日本プロレスは新シリーズ「Road to CASTLE ATTACK」後楽園ホール4連戦の真っ只中。

「IWGPインターコンチネンタル選手権試合」や「CHAOS」VS「バレットクラブ」。棚橋弘至選手とグレート-O-カーン選手の第2ラウンドなど興味深い大戦カードが目白押しだ。

2021年2月15日の解説席に座ったのは「鈴木軍」タイチ選手。ミラコレクションA.T.さん、村田晴夫さんという極上の組み合わせで、時には軽快に時には雄弁に、そして時には辛辣な意見をぶつけまくった。

特に印象に残ったのは第2試合。棚橋弘至選手とグレート-O-カーン選手の前哨戦中に“愛を捨てた聖帝”は持論を述べた。

「オスプレイはこんなことやってる暇あるのか?」

「アイツはもっと上にいたんじゃねぇのか。何やってるんだ」

よくよく考えると、“UNITED EMPIRE”は結成から既に4ヶ月が経っていた。

新ユニットを結成し、自分がトップに立ち、自由にやりたいように生きる。小さくても自分の帝国を築く。

東京ドームでユニットメンバーが全敗。スラムから出直しというコンセプトは素晴らしいのだが、少し停滞しているようにも感じてしまう。

それほどまでにウィル・オスプレイ選手は無差別級として新日本プロレスのトップ戦線に立っていたのだ。

 

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大手企業を飛び出したら?

ただ、ウィル・オスプレイ選手のことを一般的なビジネスマンに例えると腑に落ちるところもある。

大手企業のエリート社員(オカダ・カズチカ選手)にスカウトを受け、転職を決意。

新しい場所で才能が開花し、飛躍的にに実力と知名度を向上させた。

エリア(階級)を跨いだ活躍は素晴らしく、一年を通してハイパフォーマンス(ニュージャパンカップ、ベスト・オブ・スーパージュニア、G1クライマックス、スーパージュニアタッグリーグ)を魅せ、会社に欠かせない男となった。

ただ、自分の欲に従い大手企業から独立。当然、すぐさま同じように

そうなのだ。2019年のウィル・オスプレイ選手が凄すぎて、今が明らかに停滞しているようには見えなくない。

2018年の東京ドームで「NEVER無差別級選手層試合」を戦い勝利した飯伏幸太選手は今や“二冠王”として新日本プロレスのど真ん中に立っている。

タイチ選手自身も「NEVER無差別級ナンバーワンコンテンダーマッチ」や「G1クライマックス」、「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」で好勝負を繰り広げていただけに、今の状況については思うところがあるのだろう。

 

UNITED EMPIRE

あのまま「CHAOS」に身をおいてコンディションを見ながら無差別級で活躍を続けていく。これが今のところ最も表舞台で活躍する流れだったのは間違いない。

ただ、タイプ的に独立するタイプはいつか独立するものなのだ。これはもうしょうがない。

ウィル・オスプレイ選手は独立するタイプだった。それだけのことなのだ。大手企業(ユニット)を飛び出せば風当たりは強くなるし、不自由もする。

まず、チームメイトの人数の関係で、3人以上のタッグマッチにエントリーできない。

ジェフ・コブ選手が来日していなければ、2人のタッグマッチが限界。3人揃っていなければタッグ戦線の前哨戦すら組むことができないのである。

“ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン”の結成当初とは異なり、全員がヘビー級でジュニアが不在という状況もある。

ただ、そういった見え方は承知の上で、新しいプランを考えているような気もするのだ。1月30日、小島聡選手とのノーDQマッチを戦った後、ウィル・オスプレイ選手はこう語っている。

オスプレイ「これでどうだ? これでもまだ、俺を単なるハイフライヤーと呼べるのか? コジマにしてはよくやった方だ。その頑張りは認めてやろう。でも最後に明らかになったのは、コジマはウィル・オスプレイの実力にははるか遠く及ばないということだ。もちろん初めから、お前がこの俺の土俵で競えるとは期待してなかったがな。俺はこれまでずっとベストを尽くしてきたのに、会社にはさんざんいいように利用された。今はもう、誰を信用すればいいのかよくわからない。でもどうあれ、俺は歩みを止めない。

俺たちTHE UNITED EMPIREはまだ始まったばかりだ。 ニュージャパンを乗っ取るまで、俺たちは突き進んでいく。ビンス・マクマホン(WWE代表)にはテキサスのガラガラ蛇(スティーブ・オースチン)、テッド・ターナー(元WCWオーナー)にはネイチャーボー(リック・フレアー)、そしてポール・ヘイマン(元ECW代表)にはザ・フランチャイズ(シェイン・ダグラス)がいたように、どの団体にも会社の顔となるスターが必要とされる。これからのニュージャパン・プロレスリングを引っ張っていくのは、ジ・コモンウェルス・キングピンだ。ありがたく思え」

出典:新日本プロレス

 

ジ・コモンウェルス・キングピンの本音

ここまでは外から見た、ウィル・オスプレイ選手の現状についての感想を書いてみた。ここからは、ウィル・オスプレイ選手側から見た状況について書いてみたい。

まず、前述したバックステージコメントで気になったのは、「俺はこれまでずっとベストを尽くしてきたのに、会社にはさんざんいいように利用された。今はもう、誰を信用すればいいのかよくわからない。」という言葉だ。

ウィル・オスプレイ選手の2019年は、まさに大車輪の活躍だった。

鷹木信悟選手も同じ状況ではあったが、「ニュージャパンカップ2019」にはエントリーしていないし、もともとジュニア戦線で活動するのは、高橋ヒロム選手が復帰するまでという話がユニット内でもあったに違いない。

彼はベストを尽くし、おそらく心身ともに限界の状況で高橋ヒロム選手とのタイトルマッチに挑み、“タイムボム2”の前に敗れ去った。

そこからはヘビー級への転向を宣言し、ウエイトを増量。2020年10月に“THE EMPIRE”をぶち上げて今に至る。

ウィル・オスプレイ選手は団体を牽引するトップに立つ才能は十分にある。ただ、その力をどのように魅せていくのか。

世界トップのハイフライヤーというブランドを捨て、所属していた最高のユニットから飛び出した。

今のウィル・オスプレイ選手は焦らずにじっくりと力を蓄えつつ、戦略を練るフェーズだと言ってもいいのかもしれない。

グレート-O-カーン選手、ジェフ・コブ選手、ビー・プレストリー選手といった協力者がいることも大きい。

特にグレート-O-カーン選手は高橋ヒロム選手ともKENTA選手とも異なる独自のブランドを築きつつある。まだまだ伸びしろも底も見えないだけに勝負どころはここからだ。

今回、タイチ選手の言葉をキッカケに今のウィル・オスプレイ選手について考える時間ができた。解説席からでもファンを楽しませることができる。これが、“聖帝”の実力なのだ。

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