グレート-O-カーンから辻陽太に届いた禁断の果実
グレート-O-カーンから辻陽太に届いた禁断の果実。これは“棚橋弘至”を裏切れというメッセージだ。
2021年2月17日。新日本プロレスは後楽園ホール大会4連戦の3日目を開催した。
第一試合にエントリーしたのは棚橋弘至選手、小島聡選手、辻陽太選手の“新日本本隊”と“UNITED EMPIRE”グレート-O-カーン選手、ウィル・オスプレイ選手、ジェフ・コブ選手だ。
“CASTLE ATTACK”大阪城ホール大会での「NEVER無差別級選手権試合」を控える棚橋弘至選手とグレート-O-カーン選手の前哨戦が繰り広げられる中、試合後に度肝を抜く発言が飛び出したのである。
グレート-O-カーン選手はヤングライオンの辻陽太選手に対して、棚橋弘至選手を裏切れば(試合中に背後からエルボーを見舞えば)対等な同盟として“UNITED EMPIRE”への加入を認めると言い切ったのだ。
辻陽太選手が抱えている“怨”の一文字には、共鳴するものがあった。これがグレート-O-カーン選手が彼を迎え入れるにいたった理由だそう。
完全に棚橋弘至選手に対する角度を変えた挑発行為に間違いないが、今の辻陽太選手のことを考えると“ドミネーターのテンプテーション”に惑わされてしまう可能性はゼロとは言えない。
そう、グレート-O-カーン選手だからこそ言える言葉には説得力があった。
辻よ、棚橋に鎖で繋がれ何か得たか?
— グレート-O-カーン👑 (@Great_O_Khan) 2021年2月16日
答えは余が1番知っている。貴様がヤングライオンを卒業できないのが証拠だ。 https://t.co/LWvMl2bQiA
辻陽太は動いている
岸辺露伴は動かないが辻陽太選手は動いている。内藤哲也選手に対して55000いいねのプロジェクトを動かしたり、年内にはメキシコへ海外遠征すると宣言したり。
自分と同年代が活躍する中で、自分がまだ黒パンツのヤングライオンであることに憤りを感じ始めている。
そんな彼に支配者が囁いた。これをキッカケにいくつもの道が提示されたようにも思う。SNSとバックステージコメント以外ノーリアクションで55000プロジェクトをやり切るのもよし、グレート-O-カーン選手から棚橋弘至選手を守るもよし。
そして、同盟に加わり海外侵攻を目的としてメキシコに緊急渡墨することだってできる。
新しいヤングライオン中島佑斗選手が復帰し、ある程度独り立ちするまで上村優也選手は動くことはないはず。
それに合わせる必要はない。辻陽太選手が本格的に動くタイミングが近づいて来ている。
オーカーン「(※耳をほじり、耳に手を当てて)え!? 何だって、辻? 余が新日本を侵略してから、何度かケンカを売ってきたよなぁ。今だってそうだ。何か吠えてるみてぇだな。しょせん、負け犬の遠吠えなんか、誰も聞こえねぇんだよ! だが最近の貴様の焦り、周りを憎む怨念、そういったものはよーく、聞こえたよ。貴様のその、“怨”の一文字には、(※胸を示して)共鳴するものがあった。だから、一つ提案をしてやろう。棚橋を、見限れ。何、難しいことはない。このシリーズ、貴様は棚橋と組むだろう。いや、セコンドにもいるよな、貴様。だったら試合中、後ろから一発、エルボー食らわせてやればいい。
そうすれば帝国は、貴様を対等な同盟者として迎え入れてやるよ。貴様の好きにしろ。だが、一生鎖でつながれて飼い犬で生きるか、殻を破るチャンスをみすみす捨てるかは、今後に響くぞ。……悪いな、棚橋。今夜も、貴様にコメントは残せなそうだ」
“ドミネーター”の説得力
グレート-O-カーン選手は会社から明確にヤングライオンを卒業して海外遠征に旅立ったわけではない。
イギリスに“密航”し、いきなりグレート-O-カーン選手となって生まれ変わった。本当に急な話だった。
この一件から、ヤングライオンは自らが本気で卒業したくなった時に卒業できるという選択肢もあるようだ。
棚橋弘至選手も確か急に黒パンツを脱いだはず。
「生きたいように生きる。なりたい自分になる。それがプロレスラーだろ!」と棚橋弘至選手の“ライバル”である中邑真輔選手は語った。
辻陽太選手はどんなレスラーになりたい?
憧れとは理解から最も遠い感情だ。そう考えると必ずしも尊敬している人と同じコーナーに立つことだけが正解ではないと僕は思う。
師が未熟で、弟子が大成する道理無し。
— グレート-O-カーン👑 (@Great_O_Khan) 2021年2月16日
貴様の好きに道を行け。円卓の席はある。🇬🇧🏴🇲🇳🇬🇺「❔」 pic.twitter.com/PTLfdHTf8f
2年と313日
辻陽太選手が焦ってるのも無理はない。
実際、ここ最近では最長のヤングライオン期間を過ごしたYOH選手とSHO選手の3年(YOH選手はデビューから壮行試合まで3年と66日)に迫りつつある。イケメンヤングライオンの先駆けだった2人が海外遠征に出ることが出来なかった時も新世代ヤングライオン不在問題がそこにあった。
辻陽太選手はデビューから今日で2年と313日。ゆっくりしていたらすぐに4年目へと突入してしまう。
敢えてこの話題を持ち出すのであれば、辻陽太選手のデビュー戦の相手を務めたのは岡倫之選手(グレート-O-カーン選手の過去の姿)だったりする。
デビュー戦の相手から届いた甘すぎる禁断の果実。付き人を務めている棚橋弘至選手を選び、ヤングライオンとしてのキャリアを積むのか。
台頭な同盟として“UNITED EMPIRE”加入を果たすのか。
棚橋弘至選手のセコンドにつき、エプロンを叩いて鼓舞する辻陽太選手が「NEVER無差別級選手権試合」でどんな動きを見せるのか。
単なるリマッチに留まらない物語が動き始めた。
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