棚橋弘至がグレート-O-カーンに対して「懸けているものはイーブン」だと語った意味

棚橋弘至とグレート-O-カーンの「NEVER」が熱くなってきたので、改めて執筆しておきたい。

2021年2月20日に開催された新日本プロレスの山形・山形ビッグウイング大会。新シリーズ「Road to CASTLE ATTACK」も折り返し地点へ。

「CHAOS」と「バレットクラブ」の抗争が激化する中で、再び眼を見張る事件が起こった。

2月17日の後楽園ホール大会から内藤哲也選手が右膝負傷のため欠場している“ロス・’インゴベルナブレス・デ・ハポン”の内藤哲也選手に続いて、高橋ヒロム選手が山形大会を欠場。

が、今調べたところ新日本プロレス公式サイトで公開された記事もツイートも消えていた。これは一体どういうことなのだろうか...。

タイトルマッチを控えるレスラーが立て続けに負傷するのはここ数年で見られなかったことであり、由々しき自体だとも言える。

鷹木信悟選手いわく「内藤も来週には復帰する」とのことだが、突然のカード変更も相まって、落ち着かない日々が続いていると言えるだろう。

そんな中、バチバチにやりあっているのが棚橋弘至選手とグレート-O-カーン選手の「NEVER無差別級選手権試合」が熱くなってきた。

山形ビッグウイング大会のバックステージで棚橋弘至選手が言った言葉が非常に印象深かった。

 

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連戦連勝のジェフ・コブ

現在、ジェフ・コブ選手のツアー・オブ・ジ・アイランドが猛威を奮っているグレート-O-カーン選手と棚橋弘至選手の前哨戦。

明るく爽やかなジェフ・コブ選手が感情のないウォーズマンへと変貌を遂げてからしばらくが経ったが、鷹木信悟選手とのスープレックスパーティーを経て、次に目指す場所も気になるところだ。

そんなジェフ・コブ選手を退け「NEVER」の新しい申し子として君臨していた鷹木信悟選手。彼を破り新王者となったのが棚橋弘至選手だ。

柴田勝頼選手からのメッセージを受け、ベルトを巻くことが前提に作られているガウンを纏いながらも敢えて腰には巻かないスタイルでこのシリーズを戦っている。

彼の前に立ちはだかる(後ろからラリアットをぶちかましたのが)「UNITED EMPIRE」グレート-O-カーン選手である。

「順番待ちの列に並ぶ必要はない」、「ベルトはアクセサリーじゃないから」など、過去の棚橋弘至選手が発してきた言葉を巧みに使いこなし舌戦を繰り広げている(何でそこまで詳しいのか?という点については絶対に気にしてはならない)。

ただ、東京ドームで破れたばかりのグレート-O-カーン選手が再び対決を挑むのは時期早々なのではないか。

そんな意見もあったが、棚橋弘至選手には明確に見えているものがあるようで。

棚橋「なにやってんだろ? 俺もね、なに、どのツラ下げて挑戦してきてるんだって思ったよ。けど、それはね、彼自身、リスクをしょってきてる。それはね、俺もわかってっから。だから、懸けるものはイーブンだと思う。この大阪城(ホール=2.28)でつまずいてるようじゃ、2021年の、棚橋の、明るい未来は見えないから」

出典:新日本プロレス 

 

リスクを背負っているドミネーター

「NEVER無差別級」のタイトルと懸けているものがイーブンだと棚橋弘至選手は語った。

チャンピオンはベルトを失う一方で、チャレンジャーは(並ぶ必要はないという見方もあるが)王座への順番待ちの列を懸ける。

グレート-O-カーン選手は先日、棚橋弘至選手に敗北したばかりでタイトルマッチに挑むことが決定した。単純に考えると美味しい話なのだが、そうではない。

ここでグレート-O-カーン選手が敗れた場合、大切なものを一つ失う。

それはファンから(レスラーとしての)信頼だと僕は解釈している。

プロレスはプロレスラーが負けたと言うまで真の意味での敗亡にはならないという価値観がある。ただ、それはファンからの信頼があってこそなのだ。

また、あの選手いきなり割り込んでタイトルマッチかよ...。そういう目で見られてしまうのが一番まずいのだ。

ベビーフェイスでもヒールでもファンの心を揺さぶるという意味では同意義。そうやって白けた目線でリングを見ればどんなにいい試合をしても心の揺れは少なくってしまう。しかも、グレート-O-カーン選手は凱旋帰国(侵略)を開始したばかりだ。

どんなにSNSで盛り上げが上手くともリングの上の結果が全てなことに変わりはない(KENTA選手が支持を得たのはリングの上でもアジャストした点が大きいと僕は思っている)

そのリスクを知っているからこそ、棚橋弘至選手はグレート-O-カーン選手に対して、イーブンだと語ったのではないだろうか。

 

面白ければいいよ

後藤洋央紀選手、内藤哲也選手、オカダ・カズチカ選手、ジェイ・ホワイト選手。棚橋弘至選手は凱旋帰国を果たしたヤングライオンに狙われ続けてきた。

そして、今回はグレート-O-カーン選手から首を狙われている。

そんな状況を当たり前のように受け入れ、棚橋弘至選手はこう語る。

「それでプロレスが面白くなれば、俺はなんでもやっていいよ。ただ、オーカーンに、辻にも言うよ。棚橋弘至は遠いぞ」

伊達に新日本プロレスのエースを名乗っていない。遠いのはベルトではなく、光より早い、いやむしろ光の速度で進化し続ける逸材なのだ。

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