成田蓮と柴田勝頼、新世代の闘魂を受け継ぎし者

成田蓮と柴田勝頼、新世代の闘魂を受け継ぎし者について書きたい。

昭和から平成、令和となり海外遠征の形も大きく変わった。

勝手に新日本プロレスを飛び出してイギリスで無敗のまま凱旋帰国(新日本プロレス侵略)を開始したグレート-O-カーン選手。

WWEで活躍し、AEWへ移籍。圧倒的な実力を持つ「IWGP USヘビー級王者」ジョン・モクスリー選手からそのポテンシャルを見出され、もう1人の“デスライダー”となった海野翔太選手。

そして、LA道場に海外遠征するといういわば、柴田勝頼選手への弟子入りを志願した成田蓮選手。

先日、柴田勝頼選手は新日本プロレスの公式インタビューに答え、成田蓮選手についても触れていた。「成田は化けさせないと帰さない!」と。

この日の試合でクリス・ディッキンソン選手を成田スペシャル3号で撃破した成田蓮選手。

試合後のバックステージで、何度も吠えていた。

「全然ダメだ!」と。

その後、バックステージに柴田勝頼選手が姿を現すと張り手を教えてやると言い放ち、いきなり成田蓮選手へ張り手を見舞った。一発ではい。2度もだ。

ぶったね!2度もぶった!とはならず、師匠からの闘魂注入を受け、さらに成田蓮選手のアドレナリンが放出されていた。

久しぶりのシングルマッチ。正直、僕の目には柴田勝頼選手の遺伝子が受け継がれた、新しい成田蓮選手が誕生しつつあるように見えた。

 

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柴田勝頼イズム

柴田勝頼イズムとは何か。

飛躍的な成長を続けるLA道場の面々を見ながら少し考えてみたい。

イズムとはそもそも「主義、主張、流儀」などを指す言葉である。

柴田勝頼選手の中にあった新日本プロレスのレスラー像やヤングライオンのあるべき姿を、徹底的に落とし込んでいるのがLA道場生たちである。

恐らくというか確実にだが、柴田勝頼選手はメチャクチャ恐いと思う。

移動中はスーツが必須。日本のリングにLA道場のヤングライオンたちが来た時にはまさに“ガイジン”舞台としか形容できないピリッとした雰囲気があった。

「多分これは勝っても怒られてるやつだな」と思わせる文化があるというか。

ただ、メチャクチャ怖いとは思うが、褒められたりしたら心の底から嬉しだろうなとも思う。

強固な師弟関係。LA道場の強さの秘密はここにも現れているに違いない。

食う、寝る、トレーニングする、プロレスをする。

このサイクルこそが柴田勝頼イズム。この遺伝子(基礎)を継ぎ、オリジナルへと昇華させることができるレスラーは間違いなく強く、ファンを魅了することができるはずだ。

 

新日本プロレスプラチナ期

柴田勝頼選手はLA道場のヘッドコーチだ。この場所から輩出されるレスラーが凄いとなることで新日本プロレスから“今は”評価されることになる。

毎週土曜日に配信されている新日本プロレスのアメリカ大会を見ているか?いないか?でかなり知識に偏りが出てしまうが、LA道場のヤングライオンたちも着実に成長を遂げている。

カール・フレドリック選手に続き、クラーク・コナーズ選手もヤングライオン卒業(柴田勝頼選手が卒業だと明言)。また、新世代のヤングライオンとしてケビン・ナイト選手やザ・DKC選手らも加わっている。

上村優也選手、辻陽太選手以降、中島佑斗選手が道場するまで約3年新しいヤングライオンが生まれなかった野毛道場と比較すると、ハイスピードで新しい獅子が生まれ続けていることが分かる。

社会状況が好転したタイミングで、日本に来日し、柴田勝頼選手率いるLA道場軍団がもう一つの新日本本隊(日本のヤングライオンとは犬猿の仲)になることはまず、間違いないだろう。

若手同士の競い合いは化学反応を生む。

海野翔太選手と成田蓮選手が海外遠征を決めたのは、ヤングライオン杯でLA道場勢に敗れたためだ。

ゲイブリエル・キッド選手もそう。敢えて日本に残る選択をした結果、柴田勝頼選手を独占した上で、上村優也選手、辻陽太選手らとしのぎを削り、飛躍的な成長を魅せた。

彼らがヤングライオンを卒業し、台頭しはじめたタイミングが新日本プロレスのプラチナ期になる。そんな気がしている。

 

成長と変化

改めてになるが柴田勝頼選手は成田蓮選手を厳しく育て、トップを取れるまでに化けたら日本へと戻す算段を組んでいる。

つまり、柴田勝頼選手が認めるほどに化けることができなければ、永久的にヤングライオンのままなのだ。

ビジュアルや技で分かりやすく変化をつけることは許されない。

ヤングライオンのまま強くなり、己を表現する必要があるのだ。

漫画「ブルージャイアント」にこんなセリフがある。

「君のピアノは、つまらない。君、バカにしてないか?君は、おくびょうか? ビビリ屋?
全力で自分をさらけ出す、それがソロだろ。
内臓をひっくり返すくらい自分をさらけ出すのがソロだろ。君はソロができないのか?

プロレスも近いものがあると思う。(プロレスのリングでは)ただ強さを魅せたり、テクニックが素晴らしかったり、シンプルにビジュアルがいいだけでは、人を心の奥底から感動させることはできない。

そのレスラーだけにあるオリジナリティ。辛かった過去の経験、ここまでたどり着くための道のりに存在した重さが人の心を動かす“何か”を作る。

成田蓮選手は器用で負けん気も強い。独特な雰囲気から大化けする可能性があると海外遠征前から期待されていた。

柴田勝頼選手が不在という穴を成田蓮選手が違うアプローチから埋めていく。

もしも、柴田勝頼選手と成田蓮選手が望むのであれば「Takeover」すら受け継いで(リミックスで)欲しいとすら思う。

この日のシングルマッチで放たれていた闘気。強さ以上に重さが加わりつつある打撃。オリジナルティ溢れる成田スペシャル。

全ての歯車がハマった時、成田蓮選手は日本マットへと帰ってくるに違いない。

新世代の闘魂はこうして受け継がれ続けるのだ。

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