新日本プロレスファンが「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」を見た感想

新日本プロレスファンが「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」を見た感想を書いていく。

まだ封切られたばかりのフィルムであり、具体的なシーンのお話しだったり、ストーリー全体の流れなどについては言及しない。いわゆるネタバレはナシというやつだ。

僕が「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」を見て、心がどう動いたか?過去の自分と向きあってみてどんな発見があったのか?そんなことを書いていく。多分、キャラクターの名前すら書かないとは思う(一方で庵野秀明さんについては一部言及する)。

また、プロレスファン的な楽しみ方についても少しだけ触れてみる。

ただ、心の動きですら映画の満足度を現す表現にはなる。それすら、ネタバレだと感じる方はここで脱出してほしい。

では、本編に入る前に小話から。

「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」を見終わった直後、友人に電話をかけた。

APEX以外で話すのはかなり久しぶり。普段はメッセンジャーのみのやり取りだが、なぜか直接話したくなった。第一声はこう。

「おつかれ」

「おう」

「エヴァ見た?」

「...まだ」

「絶対見たほうがいい」

「声の感じから満足したのか、どうなのかが分からん(笑)」

「感想は言わん、とりあえず見てくれ」

「まぁ、見ないとダメだよな」

(中略)

「見終わったらまた話そう」

「おう」

「ありがとう。ではまた」

こんな感じ。僕がネタバレも何もなく温度感も伝えず言えることは「絶対見たほうがいい」だ。

さて、ちょっとずつ本題に入っていこう。

 

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僕とエヴァ

「新世紀 エヴァンゲリオン」から「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」まで25年の月日が流れた。

はじめて僕がエヴァンゲリオンを見たのは小学6年生。

思春期に突入する直前。幼少期を終えて少年に変わりつつあるタイミングで僕は「エヴァ」に出会った。

当時はジャンプ的な主人公(明るくてカッコいい)が主流。

そんな中で碇シンジはとにかくナイーブで繊細な主人公として描かれていた。

そんな彼が僕に与えた影響は大きい。まずは、「誰かが助けてくれる」と信じてしまう自分になったことだ。

自分が危機の時には誰かが手を差し伸べてくれる。辛い時には誰かがきっと優しくしてくれる。

ただ、この考え方が通用するのは(したのは)20代までだ。

30代に突入すると、誰も自分を守ってはくれない。

にも関わらず、色んなものを犠牲にした代償が訪れるのが30代だったりする。

僕もそう。32歳で心の病が診断された時、側にいてくれた女性がいた。

彼女がいなかったらどうなっているか全く分からない。

ひょっとすると、僕の「エヴァ」は「Q」で終わっていたかもしれない。

パートナーの存在は偉大だ。1人じゃ耐えられないことでも2人なら耐えられる。

誰かを守る側になるためにはお互いの欠けているピースを埋め合う誰かが必要なのだ。

 

優しくなったヒデ

「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」、ひいては「エヴァ」とは庵野秀明監督の自伝だという解釈がある。

彼の中にあるものをさまざまなメタファーに落とし込んで生まれたドラマが「エヴァ」。

そう考えると、今回の「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」全体の雰囲気についても説明がつく。

「Q」から今回の「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」まで8年の月日が必要だったのだ。

多分、この期間が無ければかなり作品の雰囲気は異なるものになっていたと思う。

人は年齢を重ねて変わっていく。作品を通じてそうした作り手側の心の機微に触れることができるという意味でも「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」は絶対に見た方がいい作品なのである。

 

さて、プロレス的に語ろうか

小学6年生の時に生まれた点が細く長くつながり続け、25年後に決着の日を迎えた。

凄まじく語弊のある言い方になるが、「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」を「鬼滅の刃 無限列車編」みたいなノリで話題になっているからと見に行っても、「本気で分からない」と思う。

フィルムから伝わるパワーがものすごいため、「楽しかった」という感想にはなると思うが、「エヴァ」を楽しむための贅沢な時間(待ち続けた日々や考察など)があるとないとで全く違う作品に映るはずなのだ。

想い出とは最高のスパイスだ。

僕は「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」を見ながら、自分の過去と向き合っている感覚に何度も陥った。

正確には映画を見ながら、それぞれの時代を想い出していた。

小学生の頃。誰にも伝わらない「エヴァ」の魅力。ピアノの先生だけが「エヴァ」を面白いと言ってくれて、練習に精を出したこと。

中学生の頃。悪目立ちするのかイジメの対象になった自分に碇シンジを重ねていたこと。

新劇場版は最初の頃、どこか他人のように接していた。

ただ、「Q」で一気に流れが変わった。「エヴァ」が帰ってきたと本気で思った。

「Q」を見た翌日に冒頭に登場した彼や会社の友人たちと「俺たちの旅」と称して温泉旅行に行ったこと。

そんな昔の記憶がふつふつと蘇ってくるのが「エヴァ」だったのだ。

これがプロレスならばレスラーや団体への愛着と言ったところだろうか。

人それぞれで楽しみ方が全く異なる。それでも、「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」は見に行って欲しいと切に願う。

庵野秀明監督がフィルムに込めたメッセージを受け取って欲しい。そう思いながら、今日の筆を置きたいと思う。

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