KENTAの生き様、EVILの魅せ場

KENTAの生き様、EVILの魅せ場について書きたい。

2021年3月16日の後楽園ホール大会のメインイベントは“バレットクラブ”KENTA選手VS“ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン”鷹木信悟選手の一戦。

KENTA選手は13年前の鷹木信悟選手をザコ呼ばわりし、一触即発の雰囲気が流れる中での試合となった。

両選手共に内容ではなく、勝ちにこだわる試合になると宣言していただけに、一体どんな展開になるのかと思いきや、これが非常に素晴らしい好勝負となった。

恐らく鷹木信悟選手からすると、13年前のKENTA選手とは別のレスラーを相手にしているのような感覚だったに違いない。

自らが鍛錬を積み、力や技を拡張し続けた一方でKENTA選手は怪我の影響からファイトスタイルの変化を余儀なくされた。

新日本プロレスに来日した当初、どこか噛み合っていない試合が続いたのは新しいスタイルがハマっていなかったためだろう。

“バレットクラブ”加入後に水を得た魚(犬)のように輝きはじめたKENTA選手にとって一つの集大成のような試合になった気がする。

KENTA選手はオカダ・カズチカ選手がプロレス大賞MVPに輝いた2013年に殊勲賞を受賞。

ヘビー級の中では決して高いとは言えない上背ながらも、スピード感のある動きとシリアス過ぎる打撃をに信条に大活躍していた。

2015年以降は怪我に悩まされる日々が続く。結果的には今と以前の試合を見比べると別人のような試合となっている。

インサイドワークや揺さぶり。ファンのためにサインを入れたTシャツを投げ入れていたベビーフェイスは乱入を生業とするヒールになった。

ただ、これがハマった。完全に新しいスタイルを手に入れたKENTA選手の魅力は半端じゃないのだ。

 

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凄いレスラーである

速球をウリにして三振の山を築いていた投手が技巧派に転向。内野ゴロで打たせて取る投球術に変化した。

シン・KENTA選手はスタイルチェンジを成し遂げた。

「来いよ!オラ!かかっこいや!」と今の鷹木信悟選手にも完全に上から目線。ゴングが鳴るや否やリング外へエスケープ。

鈴木みのる選手との試合と同様に相手をカリカリさせることに余念がない。

熱くなるのはいいが、冷静さを欠いてはならない。KENTA選手は常に相手の冷静さを削ぎ落とし、個性を潰す試合を得意としている。

普段のリズムで試合をさせない。自分が主導権を握る。そんなプロレスだ。

これが中々に面白い。KENTA劇場の中でもがく鷹木信悟選手はこれまでの試合とはちょっと違った印象を受ける。

リズムに乗り切れていないだけに、技をがどうしても連発で決まらなかった。

匠な技で罠にはめつつ、撃ち合いになれば、あの頃のKENTA選手が出てくる、、

まるで大事な局面にだけ、あの頃と同じ回転数、同じスピード、同じキレの4シーム(ストレート)を投げてくるかのよう。

今、KENTA選手が明らかに支持されているのは、今の自分を受け入れている生き様が素敵すぎるからなのではないか。

あの頃の俺じゃないかもしれない。でも、今の俺だからできることがある。

プロレスは長く続ける意味がある。そんなメッセージを発しているKENTA選手に、早く心の底からのブーイングを贈りたい。

鷹木信悟選手に敗れたとしても言い訳はしない。ただし、カメラマンに八つ当たり(弄り)はする。

そんなKENTA選手を僕はすごくカッコいいと思う。

KENTA「(※フラつきながらインタビュースペースにやってきて、ひざまずくとカメラマンに向かって)ホラ言ったじゃねぇかよ! 何で負けたか分かってんだろうな? オメーが来るからだよ! 何かちょっと言ったら真に受けてよぉ、何か俺の女みたいな顔しやがってよぉ、ふっざけんなよオマエ! オマエなんか興味ねぇから! オマエ、ツイートとかに、縦読みで読むと“け ん た”って読めるようにして匂わせたりとかしてねぇだろうなオマエ! ふざけんなよ、マジで!

(※立ち上がって)もう今後、これっきり。もうつきまとわないで。マジで、これ以上つきまとわないで。ね、オマエ俺の女じゃねぇから。俺の女ヅラすんなよ。わかった? いやしかし、しかしオマエ、十何年越し? 十何年越しにやって、俺が逆に十何年前の自分に、『13年ぐらいしたら、オマエ、しっかりやり返されてるよ』って俺が言ってあげなきゃいけなくなっちゃったな。でもよー、13年経って、俺が負けることもあれば、もっと長い月日を経て、俺が鈴木みのるに勝ったりもするんだよ。なぁ。プロレスって面白れぇな。まぁ今日で、トーナメントは終わったけど、見ろよ、EVIL、ジェイ、いるよ。BULLET CLUBが、このトーナメントいただくから。

まぁ結局、このニュージャカン・パック、これ言うのも最後かもしれない、ニュージャカン・パック通して何が言いたかったかって言うと……いろいろ言いたいこと、けっこういろいろ毎日毎日いろいろ言いたいこと言ってきたけど、何か自分の中で『何がホントに一番言いたいの?』って自分に問いかけた時、出てくる答えって、『YOSHI-HASHIはブス』ってこと!」

出典:新日本プロレス

 

ダークネスイリュージョン

KENTA選手の話だけで書き終わる予定だったのどが、もう1人の主役について触れなくてはならない。

“キング・オブ・ダークネス”EVIL選手が矢野通選手を必殺の“EVIL”で葬った。

これだけ書くといつもの試合かのようだが、直前に起こったサプライズがとんでもなかった。

事件はリング外からはじまった。矢野通選手がEVIL選手をスポイラーズチョーカーで締め上げる。

そのままリング下に放り込むと場外カウントが進んでいく。

勝ちを確信した矢野通選手。その瞬間、後楽園ホールが闇に包まれた。文字通り電気が消えた。

数秒後、照明が復旧すると矢野通選手の背後にはEVIL選手の姿が。

ビックリした矢野通選手に“EVIL”を打ちかまし、試合終了。ベスト4へと駒を進めた。

まさにダークネスイリュージョン。「なんだそりゃ!?」と度肝を抜かれてしまった。

さらにはKENTA選手と鷹木信悟選手の試合後にリングへと再び登場。

話が長いと鷹木信悟選手を強襲し、去っていった。

この日の後楽園ホール。一番目立っていたのはEVIL選手だったのかもしれない。

そして、矢野通選手にはトラウマを植え付ける結果となってしまった。

 

春も大詰めへ

“暴れ龍”鷹木信悟選手が猛威を奮っている「ニュージャパンカップ2021」。

オカダ・カズチカ選手、後藤洋央紀選手、KENTA選手に続いて今度はEVIL選手が相手だ。

激烈な漢に引き寄せられるかのように、次々と現れる猛者たち。

いよいよ今週末には覇者が決まる。“ザ・ドラゴン”は昇り龍の如く、神へと辿り着くのか。

内面に自身のある男の挑戦は続く。

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