なぜ、デビッド・フィンレーはジェイ・ホワイトに勝てたのか?
なぜ、デビッド・フィンレーはジェイ・ホワイトに勝てたのか?
2021年3月18日、「ニュージャパンカップ2021」に波乱が起きた。
これまで鷹木信悟選手がオカダ・カズチカ選手を破ったり、グレート-O-カーン選手が内藤哲也選手からレフリーストップで勝利を収めたりなど、目を見張る結果はあった。
結果が全てであり、当日のコンディション作りもプロの仕事である。
ただ、敢えて言うとオカダ・カズチカ選手選手は腰。内藤哲也選手は「ニュージャパンカップ2021」に懸ける気持ちに課題があったのは事実だ。
この日のベスト8は違った。恐らく全員がこの結果を予想していなかったと思う。
ジェイ・ホワイト選手がウィル・オスプレイ選手あるいはSANADA選手と戦うだろうと、多くのファンが予想してたに違いない。
デビッド・フィンレー選手がジェイ・ホワイト選手を破った。
ちょうど別件がありリアルタイムで視聴できていなかったのだが、今朝この結果を見て面を食らった。
以前、タイチ選手が以前「放牧に出したら何故か強くなって帰って来た」とデビッド・フィンレー選手について語っていたことがある。
名レスラーであるデイブ・フィンレーさんを父に持つサラブレッドがいよいよ新しいベビーフェイスの星として覚醒しようとしている。
フィンレー「俺が優勝してイブシからベルトを獲る。『今年は俺の年になる』と言っただろ! 今年の俺は今までの俺とは違う。生まれ変わったんだ。今日でデビッド・フィンレーは世界トップのレスラーの1人だって事が証明された。絶対に、この俺が優勝する!」
— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) 2021年3月18日
全文はhttps://t.co/VPgGuUhB6P#njcup pic.twitter.com/Bbdi2ETlaw
放送席に永田裕志!
ジェイ・ホワイト選手はマネージャーの外道選手、デビッド・フィンレー選手はタッグパートナーのジュース・ロビンソン選手を引き連れて入場。
この2人が約3年振りに対峙した瞬間に思ったのが、デビッド・フィンレー選手の肉体がこれまでと全然違う。
これまでのデビッド・フィンレー選手は昔ながらのレスラー体型だったが、徐々に肉体改造が進み、今回のトーナメントは仕上がった状態になっている。
身体がシェイプされると単純に動きのキレが違う。
試合開始数分で永田裕志選手が「ジェイの隙を見つけて大きな技を与える」ことが大切だと語っていた。
これが後々のフラグになるとは...。
勝利の鍵
試合中盤。ジュース・ロビンソン選手が外道選手を強制退場させた。
ミラノ・コレクションA.T.さんの言葉通り、ジェイ・ホワイト選手はそもそも1人で十分に強い。
外道選手と悪巧みを行い、ずる賢く勝つ。
ただ、真っ向勝負でもメチャクチャ強い。オカダ・カズチカ選手を東京ドームで破った時も、外道選手の介入はなかった。
強すぎるジェイ・ホワイト選手。
2018年。ジェイ・ホワイト選手が凱旋帰国を果たすと、2人は2度シングルマッチを戦っている。結果はジェイ・ホワイト選手の2勝。ここで明確過ぎるほどに差が生まれたように思う。
ジェイ・ホワイト選手が逆エビ固めに入る。
2人の歴史も感じさせる一方で、完全に格下扱いしている。
流れがデビッド・フィンレー選手に傾こうものなら、一瞬で断ち切る。
こうした相手にペースを握らせないスタイルがジェイ・ホワイト選手の真骨頂。
一方で、デビッド・フィンレー選手は技を受ける展開が続く。
この時点ではまだジェイ・ホワイト選手が勝つだろうと思う試合運びだった。
ブレード・ランナー破り
オカダ・カズチカ選手、後藤洋央紀選手、飯伏幸太選手、棚橋弘至選手、内藤哲也選手、SANADA選手。
多くのレスラーがブレード・ランナーに手を焼いて来た。
ほぼノーモーションからいきなりトップギアに入り、炸裂するブレード・ランナー。
後藤洋央紀選手が「打倒!ジェイ・ホワイト」を掲げてアメリカに渡った時もこの技の対策を柴田勝頼選手と行っていた。
このブレード・ランナーをデビッド・フィンレー選手は完璧に破った。
EVIL選手が絶対王者オカダ・カズチカ選手の連勝をストップした「G1クライマックス」を彷彿とさせるような完璧な必殺技破りだった。
Prima Noctaだけでは恐らくジェイ・ホワイト選手は仕留められない。そこまで計算して、ACID DROPに繋げた。
ジェイ・ホワイト選手からすれば悪夢だろう。勝利を確信した瞬間に自分の技が完璧に破られ、3カウントが鳴り響いていたのだから。
この試合、デビッド・フィンレー選手はほぼ防戦一方だった。
要所要所で反撃出るもそれも単発。フォールの回数も少なった。
常に冷静。熱くなることなく、ジェイ・ホワイト選手に攻めさせていた。
全てはブレード・ランナーを切り返すために。一度Prima Noctaを仕掛けたのですら布石になっていたと思う。
フィンレー「俺の言った通りだ! 俺は『ジェイ・ホワイトよりも強い』と言った。これでそれが本当だってことがみんなに伝わっただろ! 1回戦のチェーズ・オーエンズだって、2回戦のYOSHI-HASHIだって、俺の言葉通り、俺が勝った! この間、『ジェイ・ホワイトからの連敗記録をここで断ち切る』と言ったよな。そして実際、その通りになった!
これでもう、俺の『NEW JAPAN CUP』優勝を信じないわけにはいかないよな!? 俺が優勝して、イブシからベルトを獲る。『今年は俺の年になる』って言っただろ! 今年の俺は、今までの俺とは違う。生まれ変わったんだ。今日でデビッド・フィンレーは世界トップのレスラーの1人だってことが証明された。絶対に、この俺が優勝する!」
ジェイ・ホワイト選手対策を完璧に投じて来たデビッド・フィンレー選手だから勝てたのだ。
勝利の鍵は執念だった。彼が歩んだ道を自分が歩みたかった。そんな激白は紛れもない本音で、多くのファンの胸を打ったと思う。
この一勝は単なる一勝ではない。2人のライバルストーリーが動き出した大きな白星になると僕は思っている。
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