なぜ、ジェイ・ホワイトは「NEVER無差別級」に挑戦表明したのか

ジェイ・ホワイトが「NEVER無差別級」に挑戦表明した。

2021年3月20日、新日本プロレスは宮城・ゼビオアリーナ仙台大会を開催した。

メインとセミファイナルは「ニュージャパンカップ2021」の準決勝。

その直前にアクシデントが起こった。

東北地方で震度5強の地震が発生。試合は中断となった。

安全確認のため数十分におよび興行はストップ。

その間、棚橋弘至選手、飯伏幸太選手、オカダ・カズチカ選手の3人がリングの内外でファンを落ち着かせたり、安心させるための行動に出ていた。

すぐにでも選手は控え室に戻っていい状況である。それて、ファンサービスに徹する姿に胸を打たれた。

協議の結果、新日本プロレスが下した決断は興行の再開(本件については後述する)。

その際、ジェイ・ホワイト選手は3本のベルトを持って再入場を果たした。

「IWGPヘビー」、「IWGPインターコンチネンタル」を盗み取るのは分かる。

だが、なぜ棚橋弘至選手が持つ「NEVER無差別級」のベルトも所有物かのように振舞っていたのかと考えていたら合点がいった。

ジェイ・ホワイト選手は棚橋弘至選手が持つ「NEVER無差別級王座」に挑戦する気満々だったのだ。

 

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WRESTLE GRAND SLAM

デビッド・フィンレー選手に敗れ、「ニュージャパンカップ2021」は準々決勝敗退。最短距離で飯伏幸太選手に挑戦する権利を失ったジェイ・ホワイト選手だが、すぐさま目的を切り替えてきた。

「IWGPヘビー級」、「IWGPインターコンチネンタル」を復活させることで、外国人最年少戴冠記録を含めた歴史を復活させることではなく、新日本プロレスにもう一本あるシングルベルトへと照準を定めてきた。

もしも、棚橋弘至選手を破り、「NEVER無差別級王者」ジェイ・ホワイト選手が誕生した場合、彼は実質の4冠王へと輝くこととなる。

これは「IWGP世界ヘビー級ベルト」が歴史を引き継ぐと明言している以上、紛れもない事実と見て間違いはないだろう。

ここから新日本プロレスは横浜スタジアム、そして東京ドームでの大会を控えている。タイトルは「WRESTLE GRAND SLAM」。

ジェイ・ホワイト選手の狙いとはこの大会で自身が新日本プロレスに存在する全てのシングルベルトを巻くことなのではないだろうか。

「イブシ、お前と『SAKURA GENESIS』でのシングル対決はこれで消えた。『NEW JAPAN CUP』敗退により、(2本の)ベルトの復活も不可能になってしまった……。俺は少し思い返した。仮に俺が優勝し、イブシを倒してベルトを復活させたところで、振り出し戻るだけだと気づいた。だから、俺はもう前を見て進んでいくことにした。過去は振り返らない。俺はニュージャパンプロレスの現在であり未来である。イブシの手によってベルトに刻まれた俺の名前は抹消されてしまったが、ここから新たな章を切り開いていけばいい。そこで俺がすべきことは何かと考えた。あのイカれたイブシでさえ絶対に消すことのできない何かを成し遂げる必要がある。

そう、俺が次に目指すものは、史上初の4冠王だ。これまで俺はIWGP USヘビー、インターコンチネンタル、そしてIWGPヘビー級のベルトを巻いてきた。残すは一つ。タナハシ、お前は俺に借りがあるだろ? 俺はお前に勝ったんだから、NEVER王座に挑戦する権利がある! NEVERのベルトを獲って、この俺が史上初の4冠制覇を達成する。そして俺の偉業は永遠に語り継がれていくことになる」

出典:新日本プロレス

 

棚橋弘至が鳴らす警鐘

混乱してもおかしくない状況の中、ファンサービスに徹することでその場の空気を抑えていた新日本プロレスのエース。

矢野通選手が「こういう状況でこそ力を発揮するのが棚橋弘至選手であるーと太鼓判を押す。

ネガティブな状況を明るく照らすことができるのが、棚橋弘至が棚橋弘至である所以だろう。

ただ、その内心は複雑な思いがあったようだ。バックステージではこう語っている。

棚橋「(地震で)試合中にここまで揺れたのは、初めての経験だった。ああ……来てくれたお客さんの安全が第一だから。まあ、中止もやむなしであるという状況ですが、まあこの判断がね、まあどうだったのかってのは、今日無事ね、興行が終わって、皆さんがしっかり家に帰って判断していただけたらなと……。まあ僕が……やるも地獄やらないも地獄というか、苦しい判断でしたけども、まあ……。

あのう……本当に先をね、先手を打って言わせてもらうと、ほんとに今日、この大会を開催継続が今後、問題になってくるかもしれない。まあ、即刻中止でよかったかもしれない。もうしっかりね……難しい判断ですが、まあ今日ほんとに、無事に最後まで終わることを祈ります」
出典:新日本プロレス

 

僕たちは知っている

この日、同じく仙台の多賀城市民会館 大ホールで行われていた「ミュージカル 刀剣乱舞」は興行中止、チケットが後日払い戻しになっていた。

なぜ、中止にしなかったのか。そんな声を言ってくる外野が必ず現れる。

ただし、新日本プロレスは交通網に乱れが生じていることから、興行後も会場を開放するなど、でから限りファンのために尽くしている。

レスラーもスタッフも一丸となって、アクシデントへの対策を取っていたのはこの時間を共有した人々であれば分かっているはずなのだ。

幸いなことにこの後は大きなアクシデントもなく、興行を終えることができた。

棚橋弘至選手が思っているような問題にならないことを心から願いつつ、今日は筆を置きたい。

そして、棚橋弘至選手が「NEVER無差別級」を巻いたことで、ジェイ・ホワイト選手が引き寄せられてきた。

激烈な世界にまた一つ新しい風が吹こうとしている。

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