ウィル・オスプレイがビー・プレストリーを捨てた理由
ウィル・オスプレイがビー・プレストリーを捨てた理由について考えてみたい。
2019年の「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」決勝は“ドラゴン・スレイヤー”ウィル・オスプレイ選手が新日本プロレスで暴れ回る“無敗の龍”鷹木信悟選手を討伐する試合だった。
リーグ戦無敗。高橋ヒロム選手、エル・デスペラード選手こそ直接対決がなかったものの、新日本プロレスジュニアで彼に敵うレスラーはいないのではないか。
そんな想いを抱かせるほどに鷹木信悟選手は新日本プロレスジュニアで躍動していた。
あれから約2年。お互いが無差別級の期間を経て、ヘビー級に専念。
いよいよ「ニュージャパンカップ2021」決勝で再び激突する。
ウィル・オスプレイ選手が「ユナイテッドエンパイア」を結成してからは初対決となるだけに、注目が集まるのも無理はない。
あの頃とは別人のようなファイトスタイルになったウィル・オスプレイ選手。あの頃のままパワーをグンと上げた鷹木信悟選手。
どちらが勝っても飯伏幸太選手とは浅からぬ因縁があるだけに、期待しかない展開だと言えるだろう。
激戦を制し、「ニュージャパンカップ2021」の覇者となったのはウィル・オスプレイ選手。
試合後には公私ともにパートナーだったはずのビー・プレストリー選手をオスカッターで沈めるトンデモ展開へ。
春の最強戦士決定戦が終わり、乱れ咲く桜の季節がはじまろうとしている。
オスプレイ「他の方法はなかった。付き合って5年、同棲もしてる。でも、もうどうでもいい。今の俺にはIWGP世界ヘビー級王座以外は意味がない。俺は世界で一番愛する人にもあんな事ができるんだ。イブシ、相手がお前なら一切容赦はしない…」
— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) 2021年3月21日
コメント全文はhttps://t.co/Mmsm1UFzOE#njcupfinal pic.twitter.com/u3dXovZeRq
覚醒の龍
個人的な意見にはなるが、今大会を制するのは鷹木信悟選手であると予想していた。
ウィル・オスプレイ選手は決勝まで駒を進めていたものの、ファイトスタイルの変化からか、以前ほどのヤバさを感じることも少なく、今の鷹木信悟選手であれば確実に勝つと予想していたのだ。
ただ、決勝となると話が違った。序盤から新日本プロレスの“ベストバウトマシン”として、ジュニアとヘビーのハイブリッドオールラウンダーな試合運びを見せる。
明らかに決勝戦前までと空気感が違った。
一方で鷹木信悟選手だが、死のブロックを勝ち抜いてきただけあって蓄積されたダメージがいよいよ深刻化していた。
だが、自家発電だけでなくこの日は、“同級生”飯伏幸太選手の顔を見ることでアレイズが掛かっているかのような状態へ。
だが、先を見過ぎでいたのかもしれない。
ウィル・オスプレイ選手との試合中に飯伏幸太選手を意識し過ぎた。
僕が対戦相手であれば、「舐めんなよ?」と思うシーンが度々あった。「見とけよ!飯伏!」そんなシュチュエーションが2度ほどあった。
目の前にいるのは俺。その先のヤツのことを気にするとは...。
ウィル・オスプレイ選手の執拗な攻めはそうした鷹木信悟選手の試合に対する姿勢から生まれたモノだったのかもしれない。
ただ、覚醒した龍は凄まじかった。例年通りであれば、「レスリングどんたく」のメインに登場するレスラーは「ニュージャパンカップ」の準優勝者である。
そのことを踏まえると、まだまだ鷹木信悟選手の出番がはこれからだ。
介錯してやると豪語しといて
— 鷹木 信悟(SHINGO TAKAGI) (@Takagi__Shingo) 2021年3月21日
逆に俺が介錯されてしまった..
オスプレイは常に進化してるようだ
彼に勝つ為には俺も進化しなければ
まだまだ強くなってみせる...🔥#njcupfinal #prowrestling pic.twitter.com/qC73G1QSQg
愛を捨て、勝利を取る
鷹木信悟選手との試合後、解説席に座っていた飯伏幸太選手がリング上へ。
ウィル・オスプレイ選手は「最近のお前には批判の声しか聞かない。ベルトの新設にも賛否両論だ」と飯伏幸太選手を挑発。
そして、「IWGP世界ヘビー級ベルト」を巻くことが自身の使命だと語り、公私共にパートナーだったはずのビー・プレストリー選手を襲撃。その場飛びのカッターで沈めた。
本件には様々な解釈が飛び交った。
「女性に対しての行動ではない」
「ビーは一流のレスラーである」 など
僕が気になったことは2つある。
まずは、「あの場で襲撃する必要性」、次に「グレート-O-カーン選手の言葉」だ。
あの場でビー・プレストリー選手を追放した理由について考えてみたい。
飯伏幸太選手やファンへ己の決意を見せることが目的だと思うのだが、いかんせんその後の動きが気になる。
Instagramのストーリーにお互いのフォローを外した動画を投稿。
ビー・プレストリー選手は自分をバックステージまで引き下げてくれた飯伏幸太選手をフォローしていた(この点は後述する)。
次にグレート-O-カーン選手。彼がわざわざ日本語で何があったのかを分かりやすく説明している点も気になる。
さらには「余は最初からあの女のことが気に食わなかったんじゃ!!帝国に雑魚はいらねぇんだよ。」と罵り新日本プロレスワールドでの襲撃シーンまでアップした。
「ジ・エンパイア」だった頃からビー・プレストリー選手は名前を連ねていたし、雑魚ではない。
グレート-O-カーン選手は先日、辻陽太選手のスカウトに対して嘘だったと証言しているため、この言葉には逆に怪しさを感じる。
2021年4月4日、新日本プロレスとスターダムの興行スケジュールを見ると、ビー・プレストリー選手が新日本プロレスのリングに来ることは現実的に厳しい。
ただ、今後のために送り込まれた刺客だと僕は捉えている。
ビー・プレストリー選手が飯伏幸太選手のInstagramアカウントをフォローしていたが、実際は飯伏幸太選手はInstagramをやっていない。そもそも最後の投稿も2019年となっている。
なりすましのアカウントだと分かった上でフォローした。この意味を踏まえて考えていくと....。ビー・プレストリー選手は帝国から送り込まれた刺客であると考えられる。
確かに最初は一番欲しいもののためにウィル・オスプレイ選手が愛を捨てたようにも見えた。
ひょっとしたらそうなのかもしれない。だが、何か違和感がある。喉に魚の骨が引っかかって取れない数分間。あんな嫌な感じがするのだ。
オスプレイ「俺に聞きたいことがいろいろあるはずだ。世界一のレスラーになること、それが何よりも大事だ。このトロフィーを手にしても、世界一の勲章を手に入れたわけじゃない。IWGP世界ヘビー級ベルトこそが世界一の証だ。そうだろ? 俺はベストでありたい。それが俺にとって何よりも意味のあることだ。だから今日、世界で一番愛する女性にオスカッターを食らわせないといけなかった。他の方法はなかった。付き合って5年、同棲もしてる。でも、もうどうでもいい。今の俺にはIWGP世界ヘビー級王座以外は意味がない。
俺は世界で一番愛する人にもあんなことができるんだ。イブシ、相手がお前なら一切容赦はしない。お前は神なんかじゃない。でも俺だって悪魔でもなければ神でもない。ただただ、お前の信念というものが見えてこない。お前はニュージャパンの顔じゃない。ニュージャパンの顔はこの俺だ! 4月4日、リョーゴクが楽しみだ。リョーゴクでは、一度の負けを除きずっと勝っている。運命に導かれ、この俺がIWGPヘビー級王者に君臨する」
全てを懸けて勝ちに来る
もう少し飛躍して考えると、ウィル・オスプレイ選手VSビー・プレストリー選手の試合が新日本プロレスで組まれる可能性があるなとか。ここからの前哨戦にビー・プレストリー選手がエントリーする可能性があるなど、色々と考えてしまうが、それは今後の妄想なのでさておき。
ウィル・オスプレイ選手は飯伏幸太選手を本気で倒して、「IWGP世界ヘビー級王座」を狙っていることだけは間違いない。
以前、ケニー・オメガ選手が「IWGPヘビー級王者」になった時、飯伏幸太選手、Cody選手との3Wayマッチが組まれ賛否両論を生んだ。
チャンピオンによって団体の方向性が決まるのであれば、ウィル・オスプレイ選手が新日本プロレスの至宝を手にしたタイミングでとんでもないことが起きる気がする。
「IWGP世界ヘビー級」いよいよそのお披露目が2週間後に迫ってきた。
今後も新日本プロレスから目を離すことができない。
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