タイチはアイアンフィンガーフロムヘルの封印を阻止できるか?

タイチはアイアンフィンガーフロムヘルの封印を阻止できるか?

まさかここに来て、新日本プロレスのメインストリームに“怨念坊主”の忘れ形見が躍り出るとは想像もしていなかった。

“鈴木軍”飯塚高史さんが引退したのは、2019年2月21日のこと。

あれからすでに2年の月日が経った。

天山広吉選手との“友情タッグ”を中心に物語が進んだ飯塚高史さんの引退ロードは今でも鮮明に覚えている。

後楽園ホールでの引退試合では、サンボ(ソビエト連邦発の軍隊式格闘術)やブリザードスープレックスの体制に入るなど、“青春ブリザード”を感じさせるムーブを連発。

最後は天山広吉選手のムーンサルト・プレス(テンザン・プレス)で3カウントを聞いて、現役最後の試合を終えた。

ように思ったが、次々と“鈴木軍”のレスラーがリングに現れた。

握手を求めた天山広吉選手の手を一瞬だけ掴むと、改めて攻撃を見舞い、最後はアイアン・フィンガー・フロム・ヘルでKO。

10カウントゴングが鳴り響く中で姿を消した。

山口百恵さんが「普通の女の子に戻る」とマイクを置いて姿を消したように、アイアン・フィンガー・フロム・ヘルを置いて姿を消した“怨念坊主”。

忘れ形見のアイアン・フィンガー・フロム・ヘルはタイチ選手が引き継ぎ、危険と分かりながらも、常に持ち歩き続けていた。

 

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アイアン・フィンガーどこですか!?

内藤哲也選手をKOしたり、「新日ちゃん。」でその恐ろしさが語られるなど、アイアン・フィンガー・フロム・ヘルは本来の持ち主の手を離れたとしても、話題を振り撒き続けた。

そもそもコミュニケーションを取ることができない“怨念坊主”がどのように引退を決めたのかは未だに謎のままだ。

あの日の後楽園ホールでタイチ選手が発したコメントを改めて見ると、非常に興味深い。

タイチ「(手に持ったアイアンフィンガーを耳に当て)聞こえるような聞こえねえような。残しちまったな、あいつ。結局、辞めたのか、やるのかどっちだ? 意思がねえからさっぱりわかんねえな、おい。本当によ、辞めさせられたのか、辞めたのか、どっちなんだ? 真相はわかんねえよ、あいつにしかよ。もしかしたら、(アイアンフィンガーを見つめながら)俺と天山が探していた飯塚の心っちゅうのは……そんなわけねえか。まあいいよ、これは俺がもらうよ。そうだ、飯塚、お前は引退した意思はねえんだよ。いつでも俺が持ってるからよ。これをハメたくなったら俺の所に来いよ。いつも持ち歩いてやっから、いつでも。戻って来いでも復帰でもねえ。いつでもまた入って来いよ、あん時の札幌みたいによ。カッコよかったぞ。待ってるぜ」

出典:新日本プロレス

アイアン・フィンガー・フロム・ヘルに“怨念坊主”の心があったのではないか。

そう捉えると、未だに飯塚高史さんが心を取り戻していないのも合点がいく。

アイアン・フィンガー・フロム・ヘルを持った者のは“狂気性”が増す。使わずにはいられないのだ(◯!飲まずにはいられないッ!)。

真っ直ぐなSHO選手ですら、その魔力に取り憑かれたて思わず使用。

タマ・トンガ選手に至っては気が狂ったかのように「アイアン・フィンガー!!!ドコデスカーー!??」と叫び散らしていた。

また、現在の持ち主であるタイチ選手も装着時には意識が無くなると語っている。

まさにアイアン・フィンガーの呪い。

新日本プロレスはこの事態を重く捉えていたのか、いよいよとんでもない展開を用意してきた。

 

レスリングどんたく 2021

菅林会長が用意したスタージさ2021年5月3日の「レスリングどんたく 2021」セミファイナルだった。

タイチ選手とタマ・トンガ選手が「アイアンフィンガーフロムヘル争奪ラダーマッチ」で激突する。

新日本プロレスにおけるラダーマッチと言えば、マイケル・エルガン選手とケニー・オメガ選手の一戦が語り継がれる好勝負だが、まさかこの2人がベルトではなくアイアン・フィンガー・フロム・ヘルを懸けた試合が実現するとは想像もしていなかった。

「会長、会長、それはないでしょう。えぇ? どういうつもりですか、会長。それはないでしょう。飯塚は関係ないだろう。返してくれよ。俺のもんなんだよ。飯塚と約束した大事なもんなんだよ。返してくれよ、何が悪いんだよ。会長、どういうつもりか分かんねぇけどよぉ。分かったよ。分かったよ。もう二度と、そういう風に使ったり、使わせたりしねぇからよぉ。返してくれよ。それなりのことを考えてくれよ。それなりの条件出してくれよ。だったら俺も呑むよ。その代わり、アイツにも約束させろ。二度とこれに触らねぇって。これ使わねぇって。そしたら、俺も守ってやるよ。会長、考えてくれよ。その約束は守るよ。まず、そっからだ、話は。

出典:新日本プロレス

 

怨念坊主、襲来なるか

確かにタイチ選手は二度とそういった風には使わないとバックステージで語っている。

タイチ選手が勝利して、改めて等々力渓谷の祠に封印するのか。それとも、新日本プロレスが保管、管理するのか。

はたまたタイチ選手が封印はさせないと守り切るのか。

2021年は何かが起こる雪の札幌がなかった。“バレットクラブ”誕生のレスリングどんたくに“怨念坊主”が自らの魂を探して現れる可能性もゼロではない。

全く予想がつかないセミファイナルが幕を開けようとしている。

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